平気でうそをつく人たち

「平気でうそをつく人たち」がベストセラーになったのは1990年代最後の方だったと思います。当時はモラハラを知りませんでしたが、あるなぁと思いながら読みました。

世の中には平気で嘘をつく人たちが実存します。それはモラハラの被害者にとっては最も身近な人でしょう。平気でないことをあることにしてしまう、自分がやったことを他人がやったことにしてしまう。まるでプーチンが小分けになってそこいらじゅうに存在しているようです。

ウクライナ侵攻は市民が自分たちで撮影したものを世界中に広げることで、プーチンの嘘は世世に知れ渡り指差しで非難されていますが、モラハラ家庭の場合は説明してもしてもなかなか相手には伝わりません。これはウクライナ戦争と同じように動画で証明するのが一番いいのですが、それはとても難しいことです。

考えてみたら、被害者が自分に起きていることをwebで公開したのがモラハラが大きく広がっていった理由のひとつです。今までは親や友だちに愚痴っては「あなたにも悪いところがあるのでは」「どこも同じ」と言われて終わっていたのが、ネットのあちこちで披露され「うちも」「うちも」という大きな賛同の波がこのモラハラの広がりに繋がりました。

さて、私の身近で平気で嘘つく人がたまに出現しました。ただ、その人たちは人を陥れようとか、だまして金品を持ち去ろうとかそういった大事ではなく、どうも虚言癖があるというか、とっさにウソをついてしまうようなのです。

一番思い出深いのは、勤めて間もない頃一緒に働いていた同僚です。美人でプロポーション良し、頭脳も良し、着るものも持っているものもセンスも良し、仕事もなんでも器用にきれいに片付けるといった人ですが、何分口が悪い。人のうわさを嬉しそうに垂れ流す、自分より下と見るや口調がぞんざいになる。男性にはニコニコと近づき、かいがいしく世話をする。灰皿にタバコが数本入るとさっと持っていき、捨ててくる。お茶もコーヒーも上手に淹れる。飲み会の席ではビール瓶を持ってぴったりとおじさんの横につく。

その男性たちに「あの人はこう、この人はこう」と嘘を混ぜたことを告げ口していると知ったのは、知り合ってからそう時間がたたない頃です。

男性は何しろ仕事の中枢にいますから、私たちの評価がどうつけられるのか非常に興味があるところです。そしてそれは仕事の後の飲み会の席で決定されるのは、たぶん今も昔も大して変わらないでしょう。

私の職場は男性が極端に少人数で、結婚適齢期の女性たちの間ではもう争奪戦(笑)

彼女はその中で一番モテた人を狙ってあの手この手(笑)

しかしその彼を同期に持っていかれ、次に狙ったのが中途採用の男性。あまり筋の良くない人でしたが、どうしても結婚したかったようで、見事撃墜。

その夫になった相手はDV男でした。ある日送別会で遅くなってしまったので、同僚男性が彼女を家に送って行ったところ、玄関先で彼女の顔を一発。その後、彼女は忘年会も歓迎会も一切来ることはありませんでした。このモラハラ家庭にいる私でさえ歓送迎会と忘年会には行けたのに(20時までには帰るけど)


あの人はどうしてるかな~と時々思うことがあります。きれいな顔で矢継ぎ早に繰り出す悪口雑、人の悪口と噂。どこまで本当なのかわからない話。あの人は今も平気で嘘をついているのかな。