原田ひ香を続けて読んでいます。今回は「財布は踊る」。
まだ読み終わっていないのですが、原田ひ香の金融雑学がぎっしりと詰まっている本です。その第一章が「財布は疑う」
まだ小さな子がいる専業主婦のみずほは家族でハワイに行きたい。夫はSEをしている普通のサラリーマン。義母から「息子は小さな頃から計算が早くて」と自慢を聞かされていた。
みずほが「雄太さんは夢中になると周りが見えなくなりますね」「物事の順番を正しくわからない時がありますよね」と聞いてみたら「子どもの頃からそうなのよ」という答えが返ってきた。
このあたりから私はもしやと思い始めました。原田ひ香は夫がASDであるという設定でこれを書いているのではないか。たぶん当たっていると思う。
もしこの本を読みたい方がいましたらネタバレになるのでここでリタイヤください。
倹約を2年間重ね、やっと貯めた60万円を使って念願のハワイ家族旅行に行くことができたが、ハワイで使ったはずのお金が夫のカード引き落としにない。夫は「毎月3万円ちゃんと引かれている」というが、ハワイのお金がそんなものではないことは一緒に行ったからわかっている。
不安を覚えたみずほは夫を連れてカード会社に行くと、カードは夫が大学生の時に作ったもので、その時に3万円のリボ払い設定をしていた。だから毎月3万円が引き落としになっている。
毎月一定額を引き落とすので計画的にカードが使える、というのはカード会社の罠で、引き落とししなかった残金には利子がかかり上乗せして次の月に移る。
それを夫は大学生の時から残額がいくらかもわからないまま続けていたので、みずほたちがカード会社に行った時は200万円以上の残金がありました。毎月の利子は28,500円。毎月払っている3万円のほとんどは利子だったということになりました。
数字には強くて計算は早いけれど、お金の計算ができない夫。
相談員をしていた頃、そういう方がいました(本人特定できないよう一部創作してあります)
理系の大学院を出て、理系の仕事の方と結婚したのですが、夫の金銭感覚がおかしい。奨学金や国民年金などは滞納しているのに、趣味のナイキシューズ収集に使うお金は湯水のよう。何納戸の半分はシューズで埋もれている。妻が結婚して一番にやったのは、彼の通帳を預かり、精査して、借金を返す作業でした。今も口座は彼女が管理しています。
自分で働いたお金なのに自分に自由にならないことに夫は怒り、離婚騒ぎになっているというご相談でした。
そしてこの夫もこの小説の夫にように「夢中になると周りが見えなくなる」「物事の順番を正しくわからない時がある」人でした。
何かに夢中になると周りが見えなくなるので、子どもを見てもらうことはできません。親戚との食事も周りに合わせられず、掻っ込むようにひとりでむしゃむしゃと食べてしまう。空気が読めない。
もう絵に描いたようなASDなのでアスペルガーアラウンドさんをご紹介しました。
この「財布は踊る」に出てきた夫もその傾向があるようなのですが、続けて読むとそこまで生活が困難というほどでもなさそうなので、みずほが始めた投資でこの家族はうまくいくのかなという感じです。
「財布は疑う」はリボ払いの話でしたが、「財布は盗む」は株取引で仕手師に引っかかる話と、金融雑学が詰まっている一冊でした。
たぶん原田ひ香もYouTubeの学長を見ていると思う。
ちなみに私の96歳になる母は数学はできませんが、金勘定はいまだに早くてほぼ正確です。

