紙の通帳はマストだけれど

私は銀行の通帳は紙がマストです。今は30年分の記録が保存されるアプリ通帳などがありますが、どうもそれではダメです。

30年分の履歴が残るとは言っていても、大抵は即座に見られるのは2カ月までで、それ以上になると銀行によってはダウンロードに1日要するものもあります。

あの時こういうことがあってお金を引き落としたはず、振り込まれたはずというのが重要な時もあって、紙なら即座に出せるのにダウンロードが1日がかりでは対応できません。

さらに通帳に刻まれた数字は私の歴史でもあります。思い出もある。東京に来て一番最初に作ったのは三菱UFJの通帳でした。駅を出て最初に目に入ったのがUFJだったのでそのまますいっと入って通帳を作りました。

UFJはいままでなじみの地元の地銀ではなく、初めて作る都市銀行の通帳。その時に対応してくれた若い女性行員の方がとても親切で、いろいろとお世話になりました。行員とお客以上の会話もあったりして、あの方は今どこにいるかしら。

UFJはディズニーの絵柄の通帳とキャッシュカードで、キャッシュカードはもう17年以上使っているせいもあるのか磁気が弱くなり、ATM以外の場所で登録の際に使用しようとすると使えない時もあります。

でも、このよく物を失くす私が17年以上も使っているというのもすごくて、愛着があって、新しいものと替えたいとは思いません。

通帳はもう10数冊あります。この10冊以上の中に私の東京の歴史があるのだなぁと思うと、ここでアプリに変えて、というわけにはいきません。

銀行はたぶん紙の通帳を維持するための経費相当かかっていると思いますが、こういう人(私)のため、もうしばらくがんばって欲しいと思います。

避難応援プロジェクトから

11日の避難応援プロジェクトではいつものとおり質問を受けてアドバイザーがお答えするといったスタイルで行いました。

毎回同じスタイルなのですが、毎回質問の傾向が違うのはなぜなんでしょう。

今回は「財産分与の時に夫と自分の貯金はどう分けられるのか」というのが皆様の興味があったところです。

質問:入籍日の前日の預金残高が、100万円。別居日の残高が60万円。
⇒残高が減っているので、財産分与はなしですか?

この通帳を使って生活費を出し入れしていた場合で、たとえばいったん0になってからまた増えたなどという場合は特有になりません。100万円あったものがだんだん減って60万円になったというならば、あなたの特有財産です。ただし、長い年月で夫婦の生活にかかったものを細かく計算するのは難しく、大抵は共有財産になります。

質問:夫は貯金からギャンブルで100万円を使った場合は返してもらえますか?

財産分与は「今あるお金」を半分にするものです。使ってしまったものは残念ながら取り戻せません。

質問:住宅ローンの頭金として私の親から100万円もらいましたが、その後は専業主婦だったので、ローンは全額夫が出しました。私には家の分の分与は最初の100万円だけですか?

(家の価値が買った時と現在の価格が同じとして)100万円は妻のもの。今の家の価格から100万円を引いたものを半分ずつにします。ローンを払ったのが夫だけでも関係ありません。妻は100万円+半分にしたものが受け取れます。

とにかく夫婦のお金は独身時代のものから引き続き同じ通帳を使っていて、そこから出し入れしてしまったら共有となって半分ずつになります。せっかく貯めたお金も半分になってしまうので、注意が必要です。

と言っても、今更ですよね。。

数学はできるのにお金の計算ができない

原田ひ香を続けて読んでいます。今回は「財布は踊る」。

まだ読み終わっていないのですが、原田ひ香の金融雑学がぎっしりと詰まっている本です。その第一章が「財布は疑う」

まだ小さな子がいる専業主婦のみずほは家族でハワイに行きたい。夫はSEをしている普通のサラリーマン。義母から「息子は小さな頃から計算が早くて」と自慢を聞かされていた。

みずほが「雄太さんは夢中になると周りが見えなくなりますね」「物事の順番を正しくわからない時がありますよね」と聞いてみたら「子どもの頃からそうなのよ」という答えが返ってきました。

このあたりから私はもしやと思い始めました。原田ひ香は夫が発達障害であるという設定でこれを書いているのではないか。たぶん当たっていると思う。

もしこの本を読みたい方がいましたらネタバレになるのでここでリタイヤください。

みずほは倹約を2年間重ね、やっと貯めた60万円を使って念願のハワイ家族旅行に行くことができたが、ハワイで使ったはずのお金が夫のカード引き落としにない。夫は「毎月3万円ちゃんと引かれている」というが、ハワイのお金がそんなものではないことは一緒に行ったからわかっている。

不安を覚えたみずほは夫を連れてカード会社に行くと、カードは夫が大学生の時に作ったもので、その時に3万円のリボ払い設定をしていた。だから毎月3万円が引き落としになっている。

毎月一定額を引き落とすので計画的にカードが使える、というのはカード会社の罠で、引き落とししなかった残金には利子がかかり上乗せして次の月に移る。

それを夫は大学生の時から残額がいくらかもわからないまま続けていたので、みずほたちがカード会社に行った時は200万円以上の残金がありました。毎月の利子は28,500円。毎月払っている3万円のほとんどは利子だったということになりました。

数字には強くて計算は早いけれど、お金の計算ができない夫。

相談員をしていた頃、そういう方がいました(本人特定できないよう一部創作してあります)

理系の大学院を出て、理系の仕事の方と結婚したのですが、夫の金銭感覚がおかしい。奨学金や国民年金などは滞納しているのに、趣味のナイキシューズ収集に使うお金は湯水のよう。納戸の半分はシューズで埋もれている。妻が結婚して一番にやったのは、彼の通帳を預かり、精査して、借金を返す作業でした。今も口座は彼女が管理しています。

自分で働いたお金なのに自分に自由にならないことに夫は怒り、離婚騒ぎになっているというご相談でした。

そしてこの夫もこの小説の夫にように「夢中になると周りが見えなくなる」「物事の順番を正しくわからない時がある」人でした。

何かに夢中になると周りが見えなくなるので、子どもを見てもらうことはできません。親戚との食事も周りに合わせられず、掻っ込むようにひとりでむしゃむしゃと食べてしまう。空気が読めない。

もう絵に描いたようなASDなのでアスペルガーアラウンドさんをご紹介しました。

この「財布は踊る」に出てきた夫もその傾向があるようなのですが、続けて読むとそこまで生活が困難というほどでもなさそうなので、みずほが始めた投資でこの家族はうまくいくのかなという感じです。

「財布は疑う」はリボ払いの話でしたが、「財布は盗む」は株取引で仕手師に引っかかる話と、金融雑学が詰まっている一冊でした。

たぶん原田ひ香もYouTubeの学長を見ていると思う。

ちなみに私の96歳になる母は数学はできませんが、銭勘定はいまだに早くてほぼ正確です。

楽天カードがロックされてしまいまして

3月、楽天カードの番号が漏洩したらしく、楽天からいきなり電話があり「NYでウーバーを使いましたか?」とか「海外で電化製品を買いましたか?」などと質問され、すべて「いいえ」と答えると強制的にカードがロックされてしまいました。

どうやら私のカード番号で盛大に買い物をした人がいたらしいのですが、カード会社はどうやって不正を見抜くのか。このことについてChat GPTに聞いてみました。

クレジットカード会社が不正利用を見抜く理由

1. 不審なパターンをAI・機械学習で検知

カード会社は膨大な取引データを元に、「通常の利用」と「不審な取引」のパターンを学習しています。

例:

  • 普段使わない国や地域での利用(例:日本在住→急にアメリカでの決済)
  • 高額な買い物や短時間での連続利用
  • 通常と異なる店舗ジャンル(いつもスーパーばかり→急に高級ブランド)

「いつもスーパーばかり→急に高級ブランド」には笑ってしまいました。確かに!


物理的に不可能な移動パターンも不審とされます。

確かに!日本に住んでいるのにNYでウーバーは使わない。

例:

  • 10分前に東京で使われていたのに、今度は海外で決済された
    →「スキミング」や「カード情報の漏洩」が疑われる

3. 本人認証(3Dセキュア)の異常

ネットショッピング時に「本人認証パスワード」や「SMS認証」を使う仕組みで失敗が続くと、不正利用の可能性としてフラグが立ちます。


🛡 不正利用が発覚したときの流れ(一般的)

  1. カード会社からSMSや電話、メールで「不審な取引」について確認連絡が来る

はい、来ました!福岡からの電話でひとつひとつ「買いましたか?」「使いましたか?」の電話が来ました。

  1. 本人が否定すればカード停止・再発行
  2. 調査の後、不正と認定されれば補償(原則、本人に過失がなければ全額補償)

どうやら全額補償されたようです。そしてカードは停止され、再発行の手続きをしました。

困ったのは公共料金の引き落としができなくなるので、思いつく限りの公共料金はカード番号を変えたのですが、漏れてしまったものは引き落としができず、請求書が来てコンビニ払いになりました。コンビニ払いになると1通につき手数料が110円かかります。

楽天カードでの漏洩でこの手続きをするのは何度目だろう?楽天から「うちから情報がもれちゃったんで、カードを変えてください」というのもありました。あの時も同じように公共料金の引き落とし番号を変えるのにドタバタして、いくつか漏れて、コンビニ払いになりました。

オタクの不備でカード情報が漏れたのに、なぜにユーザーがこういうことをしなければならないのだろうか。

証券会社の口座乗っ取りもあり、不正利用も身近になってきました。こればっかりはいつ何時にくるかわからないので、せめて引き落とし一覧を作っておくしか手がないですね。


共同親権と一緒に始まる養育費の取り決めについて

選択制共同親権が来年から始まりますが、同時に養育費を取り立てる法律が追加されることになっています。

”①養育費等の請求権の実効性向上(先取特権の付与)―養育費等の取決めの実効性を向上させるために、養育費等の債権者が債務者の総財産に対して一般先取特権を持つことで、相当な額の範囲内で他の債権者に先立って優先弁済権を有することにしました(同306条3号、308条の2)。また、公正証書や審判等の債務名義を取得しなくても、「一般先取特権の存在を証する文書」を執行機関に提出することで、差押えや財産開示手続・情報取得手続をできることになりました(新民執206条 )。”

相手が他に借金があった場合も、それよりもこちらを優先して支払ってもらえる権利を得ることになりました。。が。

#借金がなかったら、今と同じってことよね

光熱水費が払えなくて止められているとか、カードでキャッシングをしている人とか、住宅ローンが払えなくなっている人とか、借金を抱えている人ならば該当するかもしれませんが、この文中の優先弁済権だの一般先取特権だのと言われても、ズブの素人がどうやれば優先弁済権なるものを利用できるのだろうか。

結局どうしてもお金を出して弁護士に依頼するしかないのではないか?

”公正証書や審判等の債務名義を取得しなくても、「一般先取特権の存在を証する文書」を執行機関に提出することで、”

ふむふむ。公正証書や家裁の審判書がなくても「一般先取特権の存在を証する文書」を出せば財産開示手続きができるということですね。

で、その「一般先取特権の存在を証する文書」とは具体的に何?離婚の時に「月に〇万円払います」と覚書を書いたものとかかな。するとそういう覚書が無ければやっぱりこの条文は絵にかいた餅になるんだろうか。

そもそもこの文を読んで理解できる人がどれくらいいるんだろうか。もう少し平たく説明してくれないと、その立場にいる人が理解できません。

ここに書きましたが、めんどくさいことをめんどくさがらずにやる人たちは、国や自治体にめんどくさい書類を出してちゃんとお金を受け取ります。たとえ不正受給でも。

めんどくさいからと放っておくと何ももらえません。だからといって、将来の日本を支える子どもたちを育てている家庭に「ちゃんと読んでわからないところは勉強して申請して」というのは酷ではないかと思うのです。

やはり養育費は当事者を債権者にするのではなく、国が債権者となって債務者から取り立てて欲しいと思います。どこの国でもそうやっているんだから。

婚姻費用はとにかく早めに

知人の弁護士から婚費に関する裁判所の考え方を聞きました。

「たとえばずっと前から生活費をもらっていなかったとしても、裁判所は考慮にいれません。『申し立てないのが悪い、またはそれほど困窮していなかったから申し立てなかったんだろう』という風に考えます。どんなに我慢して生活していても、その状態を裁判所が汲んでくれるわけではないのです」

非情に聞こえますが、そういえば裁判所は国の機関。お役所。役所は取り上げるものは有無を言わさずガンガン取り立てますが、くれるものは申請主義。自分で手続きしなければ何も手に入りません。もらえなかったと言えば、「申請しないのが悪いんだろう」と言われます。

不正受給をする人たちは面倒くさがらずにこの手続きをするからお金が手に入る。やり方がわからない、面倒だと腰を上げないと損をする。

実際私も結婚してから生活費をもらっていませんでしたが、調停で婚費の額を増やそうとして「私は今まで生活費をもらってこなかったから」と言っても「関係ありません」という一言で片づけられました。夫が結婚している間中、生活費を入れなかったことに呆れていた人たちでもそうでした。

ともかく裁判所が「申し立てないのが悪い」と考えていることがわかったので、生活に困ったいる方は悩まず即申し立てましょう。婚姻費用は申し立てた月からもらえますので、結論がは半年後だったとしてもその半年分は未払い分としてまとめてもらえることになっています。

困っていなかったから裁判所に来なかったんでしょうなんて、雲の上から言われるくらいなら、とっととやったほうがすっきりします。

小さな支出を見逃さないーカード明細のチェックはしっかり

先日友人が「やられちゃった」とこぼしました。なんでも毎月200円程度のお金が引き落とされていたのですが、何しろ200円程度なのでなんとなく放っていたら、使ってもいない何かに課金されていたとのことでした。

「う~ん、私の場合、それはないな」と胸を張る。支払いは現金決済のみ以外のところではカードかペイペイ、またはSuicaを使います。どれもポイントなど何かしらのバックがあるので、使わないわけがない。

世の中にはカード払いや電子決済にすると自分が何に使ったかわからなくなり、収入以上のお金を使ってしまう人がいるようですが、小さな頃からチマチマと自分の持ち金はいくらであり、月にいくらまでの支出なら許すということをしてきているので、リボ払いで頭を抱えるなんてことはあり得ません。

「つい買っちゃったのよ」という衝動買いもないわけではないけれど、小さな雑貨程度のものですから来月からの生活を切り詰めるなんてこともありません。ボーナスを待って買うということもありません。必要なものは必要な時に買えるような私の中でのポートフォリオは組んであります。

カード払いのものは全部明細をダウンロードし、レシートをチェックしますので、「わけのわからないもが延々と引き落とされていた」ということはあり得ません。

家計を見直す時に大事なのはいかにランニングコストを削るかです。数年に1度しか買わない家電製品などは買ってもいいのです。私が必要でないものを買うわけがない。月々に出ていく光熱水費やスマホ代などが特に注意が必要です。

と言って光熱水費をケチって風邪をひいたりQOLの低い生活をすると心が荒むので、それは見逃す。

友人宅ではWi-Fiを契約しておらず、少ない容量で契約しているスマホのみなのですが、一緒に出歩くと「私、ギガがないからあなたが検索して」、「退屈だからお互いの家でオンライン麻雀しよ!」と言うと「ギガがないからできない」「アレクサって便利だね、でもあれってギガ使うんでしょ、うちは無理」と、家にWi-Fiがないので、外出先でもWi-Fiを探しながらと不便な生活をしています(彼女は独身)。

確かにWi-Fiはそこそこ金額で毎月かかるものですが、そこを削って「ギガがギガが」と不自由な生活をするなら、別を削って便利な生活をした方が私はいいと思います。

本当に優先順位って人それぞれですね。

家を半分売ることも可能

避難応援プロジェクトの中で住宅ローンの残債が残っているのだが、離婚の時はどうするのかというご質問を受けることがあります。その時は持ち分が100%夫名義ならば夫の負担となります。ただ、悩ましいのは妻が連帯保証人になっている場合です。

夫がローンを支払わなければ連帯保証人の妻へ銀行は取り立てに来ます。

こういった面倒な話はケースバイケースになりますので、プロジェクトの中でお話することになります。避難応援プロジェクトは「心のケア」ではなく、どうやったら効率的に安全に離婚ができるかを目指すものですから、「調停委員から和解を勧められているんだけど」といった話も出てきますが、そこは弁護士が同席しているプロジェクトですから、もっともそのケースにふさわしいと思われる解決策をお話しています。

さて、昨年朝日新聞にこのような記事が出ていました。

“家を追い出され、離婚も拒絶 「呪いの館」に居座った妻へ夫の反撃”

https://digital.asahi.com/articles/ASSDC3QMXSDCULLI009M.html?pn=12&unlock=1#continuehere

タイトルのケースについては、問題のある妻との離婚で、妻が家を出て行かないというお話でした。そしてそれに続いて紹介されたのは夫からのDVで離婚したい妻のケースです。

”「夫と共有名義の家があって困っている。自分の持ち分を買い取ってほしいのですが」”

”夫婦は約20年前にこの家を購入し、その際に出した金額に応じて約4割の持ち分を妻側が所有していた。ただ、通常通りに買い取ると、所有権移転の情報とともに女性の新しい住所も登記簿に掲載され、夫にばれてしまう。

 ”そこで住所を不記載にして売買できるよう、司法書士を通じて国分寺市に「DV等支援措置」を申請。その後、同社が女性の持ち分を400万円で買い取った。”

さらに夫のもとを訪ね、持ち分が妻から同社に移ったことを説明。それを買い取って家に住み続けるか、夫の持ち分も同社に売るか、選択を迫った。

 結局、買い取り資金がないとして夫も売却を望んだため、約6割の持ち分を500万円で取得。同社は2人から買い取った持ち分を、新たな入居者にまとめて転売した。”

家の半分の権利が売れるのかと疑問に思った方もいると思うのですが、少なくとも東京ではありうる話です。私は相談員をしていた時に、「遺産相続で親の家を半分ずつ弟と分けて共有名義にしたところ、弟は自分の分を競売に出してしまった。自分も競売に参加して買い取ろうとしたが、弁護士から『そんな半分の権利なんて買う人はいませんよ』と言われ、少ない価格で参加したら別の業者に落とされてしまった。今、家の名義はその業者と半分ずつ。今後その業者から買い取りを迫られるのではないか」というご相談を受けたことがあります。

法律的なことなので、担当の弁護士への相談に切り替えましたが、おそらく実際その業者は半分の買い取りを迫ってくるでしょう。

こういった訳あり物件を専門に行う業者もいるようです。この記事では「ネクスウィル」という会社が紹介されていました。なかなか買い手や借り手のつかない訳あり物件の仲介をするという会社だそうです。

このパターンはいい方にも悪い方にも考えられます。↑のケースが妻が家を出て自分の分だけを売った場合ですが、妻子が残っていて夫が売る場合もあります。

今まで「夫が勝手に家を売るのではないかと心配」という相談には弁護士も「人の住んでいる家を売るなんてできませんよ」とお答えしていたと思いますが、そうでもないこともあるようです。

脅かすわけではありませんが、こういうこともあるという情報だけは提供しておきたいと思います。

死別と離別の違い

こちらの続きです。

まだいっぷくさんは気づいておられないようですが、籍が入ったまま夫が死亡しているので、いっぷくさんは法律が変わらない限り一生寡婦控除を受けられます。これは離別だと寡婦控除はないので、不平等だと評判の悪い制度です。

本来であれば遺族年金も手に入れられるのですが、夫さんは無年金だったそうなので、こちらは残念ながらということになります。

相談員をしていた時、この手のご相談を沢山受けてきました。熟年の方たちは「離婚した方が得か、せずに別居だけしておいた方が得か」でご相談に来られます。

夫が厚生年金の方は「夫が亡くなれば遺族年金や遺産が入りますよ」とお話しすると、ほぼ100%の方が「私が先に死ぬこともあります!」と強く仰います。だったら離婚するのかと思えばそうでもない。

別居だけの方はいっぷくさんがそうだったように、もし夫が介護が必要になった場合、知らんふりすることができるか。籍はまだあるわけだから、どんな責任をとらなければならないのかなどを考えておられます。

世の中にはいろいろな形態の家族がおり、様々な考え方があります。離別した夫でも面倒をみる元妻もいれば、籍が入っていても一切関知せずの人もいます。その考え方は人それぞれなので、誰に何を言われようと自分の考え方を通すのが一番だと思います。

この頃私の周辺では妻が先に痴ほうになったり、体が不自由になるケースが多くみられるようになりました。まだ60代です。男性の場合自分が介護されることを想定して人生設計をしていたのに、自分が介護することになるという、予想外のことに戸惑っています。

モラ夫が手厚く介護するとは思えませんし、実際妻が使えなくなったらさっさと離婚したケースもありました。本当に人はいつどうなるかわかりません。計算通りにはいかないものと考えていた方がよさそうです。

「虎に翼」に見る遺産相続の変遷

私は今、朝の連ドラを2つ見ています。ひとつは今シーズンの朝ドラ「虎に翼」、そしてもうひとつは再放送の「オードリー」です。「オードリー」は一山超えたところで、「虎に翼」に興味が移ってきました。

「虎に翼」は実在した日本で最初の女性裁判所長三淵嘉子さんがモデルのドラマですが、何週か前から裁判官として調停にも出席しています。

その中で、元法学部の同期、梅子さんの夫が亡くなったのですが「遺産はすべて妾に渡す」という遺言書を残していたため、その財産相続で調停に持ち込まれた事件を寅子が担当することになりました。

その調停の中で「妻が1/3、残りを子どもが人数で割る」というのがありました。

「そうかー、この当時は妻が1/3だったのね」と、ふむふむ。昭和20年代のことです。調べてみると昭和22年まではその家の長男が遺産の全部を受け継いだのですが、法改正で妻が1/3ということになったようです。

なぜそれまで妻に遺産が行かなかったのかというと、それまでの日本は家制度。家族は家を守るための存在で、その最たる責任者は長男の役目だったのです。長男は嫁を取り、子どもを作り、母親のめんどうは全部長男がみるのだから、妻(母)にお金はいらないだろうという考え方だったのです。

ところが戦後に法改正があり、家制度は取っ払われ、妻に財産が渡るようになりました。ですが、ドラマの中で調停委員がため息まじりに「財産は全部長男のものだという訴えがとても多いんです」と寅子に告げます。

法律が改正されたからといって、それまでの風習、慣習がはいそうですかと変わるわけではないのです。

>>>続く