立ち止まる脳

とある友人から子どものことで相談にのって欲しいと頼まれました。大学生の娘さんが留学をすることになり、その宿が決まらないとのこと。留学は9月から。その1週間前には行くのですが、部屋が見つからない。

学校でも不動産屋を紹介してくれて、ご本人もとりあえずはがんばって見つけようとはしていたようなのですが、何分ほとんどが夏休みのため返事が来ない。そうしているうちに時間だけが過ぎる。

確か留学が決まったのは春過ぎのはず。

今までナニしてたの?と母に問うと

「とりあえずどうなってるの?とは聞いていたけれど、あまりはかばかしい答えが返って来ず、返って来ないので放置していた」とのこと。

子は子でどうしたらよいかわからず、「お手上げ状態で放置していた」とのこと。

あ・・・

あ・・・

「わかった!お宅の家は同じ脳体系をしてるんじゃないの!」

わからなくなったら、不安になったら、考えないようにする脳。立ち止まる脳です。

何とかしなきゃいけないけど、どうしたらわからないのと、やるのはすごく大変でやりたくないのとがごっちゃになって、「取りあえず今は放置する脳体系」

私もめんどくさいものは後回ししてしまったりするので人のことは言えませんが、とりあえず娘さんには

「不安なことは全部書いてみて。何が不安か見える化して」とアドバイスしました。漠然とした不安は、不安だけが頭の中でぐるぐるするだけで、糸口が見つかりません。

例えば「申請書がきちんと書けているか不安」だったら、書いたもの、集めたものをとりあえず大使館に持っていく。そこで「これとこれが違います」「これが足りません」と言われたら、修正、つけたしすればいいだけです。

一度でできなかったら、二度すればいいだけです。なーんにも恥ずかしいことはない。

それから子どもにも責任感を持たせて自立させるはいいのだけれど、それで何かミスがあったらその尻拭いは親がすることになります。

ライオンが子どもを谷に突き落とすとばかり、難しいことに挑戦させるのはいいけれど、その前に簡単なことを何度も自分でやらせて、それから突き落とさないと、失敗が後から心の大きな傷になってしまいます。しかも今回は留学という大きな出費を伴うものです。

今回は間に合わなかったら飛行機がキャンセル、または変更になるので、その代金は親です。厳しい親ならいったん貸して、後から返したもらうことにするかもしれません。でも、キャンセルするより、まずはお金で解決して、留学という経験を積ませた方がいいと私は思います。

失敗して、親に借金を作って、留学もできず、友だちにも顔向けができないことになるより、「次回からはこうする」という反省材料にした方がいい。

親も何もひっついて手取り足取りする必要はないけど、尻拭いをしたくなかったら「どこまで進んだ?」くらいのお声かけはした方がよろしいのではないでしょうか。