ラーメンの恨み

前の「ラーメンシェア」で思い出しました。

まだ子どもたちが幼かった時、我が家は週に1度は外食でした。外食といってもラーメンだったりしますが、とりあえず、あまり文句もなく機嫌を損ねることもあまりない外食はとてもありがたいものでした。

私が食べるラーメンはいつも一番安い「醤油ラーメン」。子どもに分けるにはそれが一番良いからです。夫はいつも自分がその時に食べたいラーメンを注文していました。

ふたりの子どもを連れての外食は大変です。隙あらば這ってどこかへ行ってしまいそうになる下の子を小脇で押さえ、上の子にラーメンを取り分けて食べさせる。夫はひとりでうまそうにラーメンをすすります。

一度でいいから私が好きな白髪葱がたっぷり乗ったラーメンや、コーンバターラーメンを食べてみたいなと思っても、何しろ子どもに分けなければならないので、それはできませんでした。大体むずかる子どもを片腕で押さえたり、あやしたりしながら伸びきったラーメンを必死ですすらなければなりません。

「そんなんじゃ、食った気がしないだろう」

食べ終えてシーシーと爪楊枝で歯をせせる夫。

せめて食べ終えたら子どもをひとり預かって欲しいと思っても、そんなことはするはずもなく言えるはずもなく、考えつきもしない。子どもの面倒を見るのは母親の役目だからです。

夫は人の前ではイクメンの皮を被りますが、それは場面によります。温泉はゆっくり入りたいからひとりで入る。私はふたりの子どもを追いかけまわしながら、夫より先に出なければ機嫌が悪くなるので、わさわさと手早く出る。食事は自分が楽しみたいから子どもの面倒はみないし、大体子どもの面倒は古代より女の役目←この時はイクメンはしない。

そしてこのことを親や友人に愚痴ったところで「そんなの当たり前じゃない」と言われます。

母親が自分の分を分けるのは当たり前じゃない。

母親がひとりで子どもの面倒をみるのはあたり前じゃない。

夫は仕事で疲れているんだから。(私もフルタイムで仕事をしているんですけどー←これには「女の仕事と男の仕事は違うでしょ」の返答がある。あのー、私の仕事って男女区別ないんですけどー)

父親は何もせず、妻が伸び切ったラーメンを片手に子どもを抱えながら食べていても当たり前でした。

こんなのを見ていたら、子どもを産もうという女性がいなくなるのは当たり前だ。

結婚していた頃のことを思い出すことはほとんどないけれど、何かのスイッチが入った時は思い出す。

食い物の恨みは底なしだ←添てんさん節入るw