こちらの続きです。
ちょっとした「あれ?」とは、夕食シーン。
夫が帰ってくると、夕食のテーブルを見て「肉じゃが?」とつぶやいてため息をつき、そのまま電気ケトルに水を入れてカップラーメンを作る準備を始めます。
香織は「肉じゃがは嫌だった?」などとうろたえますが、夫は香織に背中を向けたままです。
モラハラ家庭あるあるのこの光景。肉じゃがはお鍋ひとつにたっぷり作られています。
私が「あれ?」と思ったのは、夕食のおかずが肉じゃがしかないことです。お茶碗に盛ったご飯と味噌汁、そして肉じゃがのみ。
あのー、この家では肉じゃがが主食ですか?私が持っている肉じゃがの地位は副菜です。魚、肉、あるいは餃子などが主菜で肉じゃがは副菜です。
この家には小3、4年程度の男子がいて、香織は専業主婦です。専業主婦が夕食に肉じゃがだけというのは不思議です。夕食に肉じゃがだけ出したら、モラ夫でなくても怒りそう。
低予算映画でしょうから、予算が無ければ言っていただければ私が作って持っていきましたのに。製作現場で誰も不思議に思わなかったのかな。
そして不思議その2は、こういう夫の態度に「どうしたの?肉じゃがは嫌?(すみません、しっかりと覚えていませんが)」みたいなことを言うのですが、モラハラ家庭ではこの情景は日常茶飯事。
「どうしたの?」というセリフは出てきません。出てくるのは「ああ、また始まったか」という心の叫びです。
2006年に「こたえてちょーだい!」という番組の中でモラハラの再現ドラマが放送されたのですが、その時の女優さんの表情が秀逸でした。
朝ごはんを無視する夫の姿を振り向いて見て、「この野郎」という感情と、またハラスメントを始めるつもりだという絶望的な感情が入り混じった、何とも言えない表情を浮かべたのです。
「うまい!!」
だから今日は肉じゃがに対してこれからモラハラを始めるぞというのは長年の習慣でわかっているはずですから、「どうしたの?」はない。
ただ、この先が素晴らしかった!
洗面所に髪の毛が1本落ちていたという夫。「なぜ髪の毛が落ちていたのか説明して」と静かに詰め寄ります。「ごめんなさい」と言うと「そうじゃなくて説明して」「み、のがしたのか、な」と言うと、「そうじゃなくてどうして見逃したのか説明して」と詰め寄ります。
「そうじゃなくて」と言われるたびに心臓が早鐘を打つ。
あるあるあるある~~~~。これを一晩中繰り返すのがオールナイト説教。
夫は説明してと言いますが、説明を求めているわけではありません。髪の毛にかこつけて嫌がらせをしたいだけです。相手の困る顔、泣きそうな顔、どきどきしている様子を見たいだけです。その時、自分は圧倒的な大王。すべてを征服する世界の大王になれるのです。
そしてさらに素晴らしかったのは中三になった息子の思春期特有の言動です。感情のない、ぶっきらぼうな言葉づかいの中三男子。
来週友だちの試合を見に行きたいという子に「その日はお父さんとの面会でしょ。行かないと」という母親。行きたくない子と行って欲しい母。これが面交がある家庭の普段の様子です。共同親権でなくても面交(4月から親子交流と改名)はあります。
息子も母が困っているのはわかっている。わかっているから「嫌だ」と言えない。このあたりの場面は素晴らしかった!
「5月の雨」は団体貸し出しもするそうです。お問い合わせはこちら

