新装開店のパン屋で並んだら聞こえてきた話

GW中、新装開店したパン屋さんに行ってみました。天気もよく、テラスでも店内でもイートインできるタイプのパン屋さんなので、ちょっとしたイベント気分にもなれるので、親子連れや同士での来店者が多かったです。

その店はハンバーガー屋さんのように、パンに自分の好きな具を選んではさんでもらうタイプのなので、少し時間がかかるため、結構な人の列になっていました。

私の前に並んでいたのは、お母さんと子どもが二組。小3か4くらいの子どもたちは「どれにしようかなぁー」と、ディスプレイされたメニューをじっくり見ながらあれこれ悩んでいます。ふたりの母親は総菜の種類をさっさと決め、おしゃべりを始めましたが、言葉が丁寧なので、ものすごく親しい仲というわけでもなさそうです。

A「〇子ちゃんち、引っ越したの?学校に来なくなったってきいたんですけど」

B「あ、そうそう。転校したんだって」

A「どこに?」

B「わからないのよ」

A「パパの転勤とか?」

B「う~ん、何か深い事情があるみたいなんだけどね」

A「ああ、そうなんですか」

ここでこの話題に関する会話は終わって別の話題に変わりました。

この二人の会話の距離感から言って、Bが深い事情と言い、それをAは追及しませんでした。これがもっと深い関係だったら小さな声で「なんかあったの?」という展開になったかもしれませんが、そこまでの関係ではないので、そこで打ち切りになったのでしょう。

おそらくBは何となく事情のわけを知っているけれど、ごく親しい仲でないと話せないか、こういった人が沢山いるところで話すべきではない内容なので控えたかのどちらかでしょう。

またAは「深い事情」がこの場合何を意味するかを大体察したので、それ以上追及することはなく、また追求できるような間柄でもなく、話題を変えたのでしょう。

こういった会話での「深い事情」とは、両親の別居か離婚であろうことはおおよそ察しがつきます。

GW前に突然消えたお友だち。

両親が別居・離婚することで住み慣れた場所を離れなけらばならなくなったGW。

ずっと良い天気に恵まれたGWでしたが、晴れやかな天気とはうらはらに、知らない土地に行く心細さや、家庭の環境が変わってしまうのに不安だったでしょう。

ただ、転居したことでいつもピーンと張りつめた空気だった家庭が何の心配もなく過ごせる日常に変わったとしたら、これはもうその子にとって喜ぶべきことなのだと思います。

別居・離婚=不幸、でもない

子どもは新しい土地で、新しい友だちを増やすという機会ができたのかもしれません。

「複雑な事情」は、一生のうちで誰にでも起こりうることで、それを全部不幸としてしまうのもちょっと違うなぁと思ったりします。