選ぶことを忘れてしまった

NPO法人「レジリエンス」はDV被害者支援の民間団体としてとても定評のある大きな団体です。以前私に相談をしてくださった方のお話を伺うと「これはしっかりとした心理サポートが必要」と思いましたので、レジリエンスさんをご紹介しました。

レジリエンスさんは「こころのケア講座」を頻繁に開いており、500円程度の安価な金額で自助グループの語り合いも行っていますので、まずそちらの方から受けていただこうと思ってのことでした。

ご本人は体調があまりすぐれないという基本情報をレジリエンスさん側お伝えして、語り合いの場の案内をご本人にしていただいていました。

その後、その方から当日のお話がどのようなものだったか、ご連絡いただきました。

まず、ご本人の体調が悪いとのことで、他の方が座っているパイプ椅子ではなく、大きな背もたれがあってゆったり座れる椅子が用意されていたとのことでした。

さらに語り合いの場に沢山お菓子入った入れ物があり、配られた紙コップに好きなお菓子を好きなだけ入れて席に座り、参加者と語り合いながらお菓子を食べたそうなのです。

「お好きなものをどうぞ」と言われて紙コップを渡され、どのお菓子にしようかと胸躍らせた時に、「好きなものを選んでいいんだという感情を長い間忘れていました」。

私も「家庭モラル・ハラスメント」に書きましたが、夫がいなくなった後、子どもと焼き芋を買いに行き、そこで「好きなものを選んでもいいんだ、高い、不味い、なんでこんなものを買ってくるんだ!」と怒られないんだと、焼き芋屋の熱い鉄板をのぞき込んで、めくるめく思いがしたことを思い出しました。

夫と暮らしていると選ぶのは夫が気に入りそうなもの、怒られないものだけ。少しでも怒られそうだったら手は出さない、どんなに自分が欲しくても。それがモラハラ家の普通の生活でした。

この語り合いの会に出られた方はその後離婚され、好きなお菓子をいつでも選んで食べられるようになったそうです。

普通の人が聞いたら「たかがお菓子、好きなものを買えばいいじゃない」と思うでしょう。そのたかがお菓子すら好きなものを選べない、相手の機嫌を見ながらでないと買えない。

これがモラル・ハラスメントです。

離婚の時にペットはどうする?

この記事を書いていて、前プロジェクトに出ていた「離婚の時にペットはどうなるのか」という話を思い出しました。

弁護士の解説だと、「残念ながらペットは生き物ではなく『物』として取り扱われるので、財産分与の対象になる」とのことでした。

子ども同様、家を出る時にかわいがっていたペットならば一緒に連れていきたいと思いますが、シェルターでペット可のところはごくごくわずかですし、アパートなどもペット可のところを見つけるのは難しいです。

以前「飼っているのは大型犬4匹」という方がいて、それはどうしても難しいので、犬が虹の橋を渡るまで避難は延ばして、準備期間にするという話になりました。正直避難を考えている方は、足かせになりますので新たにペットは飼わない方がよいと思います。ずっと住める家に住むようになってからの楽しみとしてとっておきましょう。

もし現在ペットがいる方は実家で預かってもらえるのならそこが一番いいですが、他にも友人知人宅に聞いてみましょう。短期ならば預かってくれる人がいるかもしれません。

私の友人は動物が好きなのですが、前に書いた通りペットがいると旅行に行けなかったり、高額の医療費がかかったり、犬ならば散歩が必要だったりするので「ずっとは無理だけど、短期で動物を預からせてくれないかなー」と始終言っています。

また、離婚の時に子どもがいる場合は養育費を要求しますが、この養育費と一緒にペットの餌代を要求したという方がいました。餌代に限らず、トイレやトリミング代、医療費保険代も要求したとのことでした。

『物』に餌や日常のケアは必要ないので裁判ならばまったく認められませんが、調停ならば話し合いなので、相手が「ウン」と言ってさえくれればどんな取り決めでもできますから、とりあえず要求してみるのもありだと思います。

ペットショップ売れ残りのトイプードルが行った「引き取り屋」

だいぶ前に「おじさまと猫」というコミックにはまりました。ペットショップで売れ残った猫が、イケメンスタイリッシュなおじさまにお買い上げされ、幸せな日々を送るようになったという物語で、ドラマ化もされ、(お高い)グッズも沢山売られました。

最初の頃の「どうせ売れ残りのわたしにゃんか」という、幸せから見放された者がよくするような、言葉にすれば「いじけた」売れ残り猫が、ふくまるという名前をつけてもらい、おじさまから溺愛されるという幸せストーリーに、当時は寝る前の儀式のようにふくまるを読んでから寝る日々でありました。

ところがストーリーが継続すると当然話もふくらんできて、最初の頃の愛しさ、切なさが無くなり、早い話飽きてしまい、今はユーチューブの動物動画がその代わりになっています。

その中で見つけた「引き取り屋」から引き取られたトイプードルの最後の1年の動画は涙無くしては見られません。

最後の1年と言っても、生まれてから10年間、このトイプードルは繁殖のために狭い檻の中で飼われ、吠えられないように声帯も切られ、食事もカツカツしか与えられていなかったので、引き取り屋から動画主に引き取られた後、たくさん食事をあげても肉がつくことはありませんでした。

動画主さんに引き取ってもらい、やっと檻の中から出してもらって、食事も運動も沢山させてもらい、よい里親さんにもらってもらえたのですが、1年たたないうちに亡くなりました。

動画の主が声をあげるのは、なぜ「引き取り屋」なる商売があるのか、それは動物がペットショップで高額で売られていること。子どもを産ませ、全国のペットショップで販売され、よい飼い主に買われることもあれば、捨てられる者もいる。この動画のトイプードルのように年を取ったり病気になって繁殖できなくなれば、引き取り屋に持っていかれて、檻の中で死ぬことになります。

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiimasumi/20211124-00269131

フランスでは2024年からペットショップで犬と猫を売るのを禁止する法案が可決されました。かわいいからと買ってみたものの、吠える、しつけが大変、旅行に行けない、思ったより大きくなった、転居先が動物飼育禁止など、飼う前からわかるだろうということがわからず、結局捨てたり、役所の引き取りセンターに持ち込むことになってしまいます。

私は旅行が好きなので家を空けることが多いこと、ペットロスが絶対に無理なので動物は飼いません。動物を飼っている友人を旅行に誘っても「犬がいるから」と断られます。動物を飼うと、まず2泊以上の旅行はできません。

ある友人宅の犬は自分の家以外のところではトイレができず、一度連れ出してみたら膀胱炎になってしまったという根性のすわった犬のため、旅行の際は誰かひとりが犬を見守る留守番が必要で、家族旅行ができないとのことでした。

動物好きの人たちは口をそろえて「日本もペットショップでの犬猫の販売をやめるべきだ」と言います。私も同感です。欲しければ里親を探している譲渡会(ネットにもある)に行ったり、直接ブリーダーのところに行って飼い方から教わりながら、子どもを養子に迎えるように、動物も自分が飼えるかどうか真剣に考えに考えてから飼うべきだと思います。

なお、避妊・去勢が済んでいる地域ネコはさくら猫といって耳の先さくらの花びらのように切ってあります。かわいそうですが、避妊・去勢済に気づかず何度もお腹を開けることのないように、手術済の印として切ります(「TNR活動」)

猫が発情せず落ち着いて暮らせるので、夜鳴きやケンカがなくなる

地域で餌の管理ができるから、むやみにゴミが荒らされない

人の目が届くから、動物へのいじめや虐待も予防できるなどのメリットがあります。

動物を飼うことは日常の暮らしを豊かにしてくれますが、生き物を飼うわけですから責任があります。また、飼うための食事やトイレやその他必要なものを買いそろえたり、病気になれば病院に何度も連れて行ったり(人間よりも高額)と、お金がものすごくかかります。

それができない場合は猫カフェに行って、たまに癒されるというのが一番いいような気がします。

表に出る変な修正写真

このところというか、以前から、事件の関係者として出てくるものが修正した目がぱっちりのアニメ顔のことが目につくようになりました。

大きな大きな目の中に星や月がちりばめられ、長い長いまつ毛がくるくるしているアニメ顔が被害者の顔となって世の中に出回ることが、本人にとって喜ばしいことなのかどうか。

本当の顔よりも修正したアニメ顔の方が気にいっているから、そちらの方がありがたいのかもしれませんが、何のための写真なのかと思います。

メディアは事件があったときに「被害者はこういう人だった」と写真を公開しますが、この写真を手にいれるために、事件の被害者関係の人たちに「写真ありませんか?」と探して回るのだとか。

時にはお金を出して写真を入手することもあるそうです。

ただ、加害者、被害者の顔がアニメ修正されたものでは、写真を出す意味があるのでしょうか。そもそも被害者の方の写真を出す必要があるのでしょうか。

被害に遭った上に思いもよらないアニメ顔修正写真をメディアに出されてしまっては、不本意なのではないでしょうか。何しろもう亡くなっているのでクレームも入れられない。

被害者の写真として公開するほうも、アニメ修正の写真では見ている方が違和感がありすぎて故人を冒涜すると早く気づいてくれればよいのですが。そもそも被害者の写真がなぜ必要なのか、考えて欲しいと思います。

人の家の離婚話がなぜそんなに大事になるのか

広末涼子がW不倫をしたとの話が6月に入ってからにょきにょきと出てきたかと思うと(人の色恋話はほぼ興味がないのでスルーしていた)、突如として昨日のモーニングショーでショーのように夫の記者会見が流れました。

人の色恋沙汰に興味はないけれど、さらに不倫やらにも興味がない、というか、芸能人はそういうこともメディアに露出するために利用したりするので、どうでもいい。

なのに毎朝見ているバード羽鳥のモーニングショーの前の番組「グッドモーニング」で長々とこの夫の記者会見を流したのにはちょっと驚いたのですが、その後のモーニングショーでも同じように長々長々と流したのはもう、なぜですか?と言いたくなりました。

それほどこの話は重大なニュースなんだろうか。それほど日本国民は広末涼子の不倫に興味があるのだろうか。そもそも広末涼子ってそこまで人気のある女優さんなんだろうか。

確かに広末涼子はちょっと前まで私が楽しみに見ていた「グレースの履歴」の最後の方に重要な役として登場していたので、(彼女の出身の四国が舞台)なんとなく親しみを感じていたところでした。

常人の私には考えが及ばないのですが、役者というのはその人になりきって芝居をするわけですから、ものすごく精神的に負荷がかかる職業なのだろうと思います。

「カット!」と撮影が止まったら素の自分に戻れるものやら、その役を引きづるものやら、さっきまで性悪の悪女役を演じていたのが、撮影が終わったら家に戻って普通にお母さんになれるものやら、そこはプロだからきっかりと気持ちを切り替えて使い分けをするものやら、本当にわかりません。

そういう職業の方が普通に生活するという時点で私の想像を超えるのですから、どういう感情を持って日常を送るのかもわかりません。

ただ、いったんこういう醜聞が出てしまうと、もう広がってしまって手のつけようがない。人の家のゴタゴタに口を出すなと言いたいけれど、こういった職業についてしまったら「良いことだけ書いてね。悪いことは書かないでね」とはお願いできないことを承知の上でこの世界に飛び込んだんだから、そこは受け入れざるをえない部分もあるのでしょう。

夫が涙ながらに「今の子どもたちの様子」を語っていましたが、この間まで幸せだった家族が空中分解しそうになっている衝撃に、お子さんたちが孤立して恐怖を感じていることを思うと、本当にもうどうかそっとしてあげてと思います。

もう元の家族には戻れないかもしれない絶望感の中に放り込まれたお子さんたちには手を触れないで欲しい。報道はこれきりにしてあげて欲しいと思います。

ただ、ご当人にはこうなってしまった原因を作った罪の償いは母としてどう取るつもりなのか。それがどんな茨の道であっても、子どもを優先して選んで欲しいと思います。

男の子の勉強の仕方に納得

https://morahara.cocoon.jp/wp/2023/06/09/%ef%bc%94%ef%bc%90%e4%bb%a3%e3%81%ae%e3%81%8a%e3%81%97%e3%82%83%e3%82%8c%e3%81%aa%e5%a5%b3%e6%80%a7%e5%90%91%e3%81%91%e3%81%ae%e9%9b%91%e8%aa%8c%e3%80%8cstory%eむ3%82%b9%e3%83%88%e3%83%bc%e3%83%aa/

先日ご紹介した「STORY」ですが、モラハラ特集の他に、「困った!どうする?『息子のダラ勉』」という記事がありました。この雑誌は40代向けだそうですので、ちょうど中学生くらいの子どもがいるという設定なのでしょう。

ページ見出しには「息子がコツコツ勉強しない・・・ダラダラしていて続かない!」の文字が。

もし私が同世代なら「そうそう!」と、大共感して食いつく記事です。

学校から帰ったらまず宿題を済ませて、夏休みや冬休みの宿題は午前中に済ませて。遊ぶなとは言っていない、やることをやってから遊んだほうが気持ちがいいでしょと私は思うのですが、まー、やったことがない。

コツコツ、少しずつでいいから毎日の積み重ねがきっと力をつけるのだからと思い続けた日々でありました。女子はこのコツコツができるので、きちんと定期テストで良い点数を取り、推薦入学枠を勝ち取るから早く進路が決まってゆったりと卒業式を迎えるのだけれど、男子はこれができない(できる子もいるかもしれないけど、うちの子は無理)

この記事には名門開成中・高の元校長がコメントを寄せています。

「生物学的に考えて、男子にコツコツ勉強は無理。切羽詰まらないとできないもの」なのだそうです。

「女性は28日間という生理周期のルーティンに慣れて、280日の妊娠期間をコツコツと耐えられる体を作り上げていきますが、男性は違う。狩猟時代は短時間に集中して獲物を捕らえ、ガッと食べて寝るのが男でした。もともと男子にコツコツ勉強は向いてない。男子は切羽詰まらないとできないから「ドカン!ドカン!」と一気に勉強する。むしろ中学生くらいになれば<試験前はこうすればいいのか>と、自分なりのドカン勉強の仕方を見つけ出せばいいのです。」

「子どもが不得意で嫌いなものはやらせなくていい」「勉強する時間は短ければ短いほどいい」「垂直比較して、YES、BUT方式で誉める」

もう、なるほど~でした。確かに我が息子にぴったりとあてはまる。

「これからの時代は全科目の平均能力は不要。「スペシャリスト」が重宝される」

国立大学に入るには7教科の文系理数系合わせた点数が必要ですが、どうしても理数系が苦手な子、どうしても国語が苦手な子はいるもので、そうなるとそういう子たちは国立は難しいので、私学に進学せざるをえません。

そういう子の方がこれからは「重宝される」ということか。

ともかくコツコツと積み重ねる勉強が男子は生物学的にできないのだとわかっただけでもこの記事は読む価値がありますね。

御礼「モラハラからの避難応援プロジェクト」満席となりました

令和5年度の「モラハラからの避難応援プロジェクト」7月開催分が満席となりました。お申込みありがとうございました。

https://morahara.cocoon.jp/project.html

毎年行っているプロジェクトですが、毎回結構ドラマがあります。つくづく100の結婚があれば、100通りの結婚生活があるものなのだなと思います。

そしてその終わり方も様々です。そのために少数のみの方だけに参加していただき、それぞれの問題点を解消するのがこのプロジェクトの目的です。

11月分のお申し込みもいただいておりますので、もし避難を考えていらっしゃる方はご検討ください。

お待ちしております。

どんなに親が偉くても、最後は子どもが左右する

長野で4人の方が殺害されるという大きな事件がありました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/07fe9d9631676dab4809c52ae877c4d8ba2e14c4
“【長野立てこもり殺人】高偏差値31歳容疑者は親バカな母親を「横でボーッと見てるだけ」…事件前日に「3人組と揉めていた」新証言も”

ネットにあるこの事件についての記事を読むと、「高校生まではとても明るくて元気な人だった。大学を中退してから変わった」というのと「友だちもおらず、静かで大人しかった」という相反する二つの証言が出てくるのですが、はて、どちらが本当なのでしょう。

というのは置いておいて、父親は市議会議長で事件のあった翌日に辞職しています。母親も息子に仕事をさせるために作ったジェラート店をきりもりしています。

外から見て、このような大きな事件を起こすような要因はないと思われる一家ですが、最終的にはこの事件によって家族は今後が辛いことになってしまいました。

また、一家心中を図ったとされる市川猿之助の代役として、香川照之の息子の市川團子が見事に大役を演じきって梨園の注目を浴び、昨年セクハラでその地位を追われた香川照之が再浮上ということになっているようです。

#息子が親の危機を救う。

エリートの親が引きこもりの子どもを殺す事件もありました。

https://toyokeizai.net/articles/-/320929
「元農水次官の長男殺害」に重なる23年前の事件

この記事の中には14歳の息子に奴隷のように使われ、結局金属バットで殺してしまった父親の話が出てきます。精神科医に息子の暴力を相談したところ、「息子を受け入れるように」「奴隷のように使われるのも、ひとつの技術と考えて頑張るように」と言われ、息子から殴られ続け、結局凶行に及びます。

どんなにがんばって出世をして、お金が沢山あっても、結局は子どもが健全に育つのが一番の安心な老後なのだなぁと、こういう事件を見て思います。

うちの子に限ってというのは子どもが子どもの頃だけでなく、大人になっても心配し続けなければならないのですね。

映画「リンドグレーン」を見て少しイラ立つ

地元の映画愛好家による映画鑑賞会に参加したのは、鑑賞する映画が「リンドグレーン」だったからです。

子どもの頃、リンドグレーンの本が大好きでした。リンドグレーンの一番有名な作品は「長くつ下のピッピ」だと思いますが、私が一番好きなのは「名探偵カッレ君シリーズ」です。

この本は何度も図書館から借りて読みました。ラスムス坊やがお腹が空いて「しょっぱいハム」を想像するシーン、エーヴァ・ロッタが男の子に混じって活躍するのをわくわくしながら読んでいました。

そのリンドグレーンの半生を描いた作品とあっては、見ないわけにはいきません。鑑賞券を買って、空いている席に座りました。

敬虔なキリスト教徒の一家で両親ときょうだいに囲まれて育ったアストリッドですが、この静かで何もかも従順に囲いの中にいる田舎の暮らしに次第に不満を抱くようになります。

そして18歳で勤めた新聞社で49歳の社長と不倫関係になり、男の子を出産します。この当時はこういった関係の子を国内で産むことができず、デンマークに行って出産することになりました。生活のために働くことと子育てを一緒にすることができず、子どもは里子に出され、その子どもと会うために、ストックホルムとコペンハーゲンを毎週往復します。

幸い子どもの里親はとてもいい人だったのですが病気になり、子どもの面倒を見られなくなったので、アストリッドが引き取り、実家で育てることにします。

家族からも、地域からも白い目で見られる出産でしたが、最後の方では一番厳しかった母が孫を抱いて教会へ行き、堂々と通路を歩くシーンが挿入されます。

その後、アストリッドはリンドグレーンさんと結婚し(またも不倫!)、子ども向けの本を出版し続けます。

映画は特に妊娠から出産、子どもとの別れ、周囲の冷たい目の中で生きなければならない苦難に長い時間を割いて描かれており、場内にはこのシンママに同情的な雰囲気が漂うのですが、ちょっと待ってください。

小さな村で不倫関係になったら、そりゃー白眼視されるでしょうよ。これは20世紀の出来事ですが、もし現代でこのようなことがあったら、やっぱり同じではないでしょうか。どうします?自分の夫が若い子に手を出して妊娠させちゃったら。

コミュニティには秩序というものがあります。何もかも自分の思うがままに行動して秩序を乱したら、その報いがあるのは当然です。

別に強姦されたわけではありません。しかも映画ではむしろ彼女の方から誘っている。その後、辛い日々を送ることになってしまったのは、すべて相手の男性だけの責任ではないでしょう。

生まれた子どもや産んだ人には罪はない。。。ですか。確かに子どもには罪はないけれど、夫を若い子に盗られて、子どもまで生まれてしまった妻の立場はどうしてくれるのでしょう。さらにアストリッドはこれを二度も行っています。

映画は少女の頃のアストリッドの少し変わった性格や行動も見せてくれるのですが、後先考えない突っ走り方を見ると、たぶん彼女は発達障害だったのではないだろうかと思ってしまいました。

だからと言って彼女の残した偉業が傷つくことも汚れることもまったくないのですが、私はなんだかこの恣意的な映画の作りに疑問ばかりが残ってしまいました。

40代のおしゃれな女性向けの雑誌「STORY[ストーリー]」にモラハラ特集

おしゃれな女性向けの雑誌という、もはやこの類の雑誌を手にとることはなく(美容室ではオレンジページの料理を見てるか週刊文春を見てる)、今は何が流行っているのかまったく興味が無くなった還暦過ぎたおばちゃんが「STORY」に出ました。

いきいき(今はハルメクというのだそうだ)」ではないので読者モデルではなく、モラハラ特集のコメンテーターのひとりとして参加させていただきました。

企画者の方とライターさんのおふたりとZOOMでインタビューを受けました。この頃はZOOMが多いですね。リアルでの取材とどちらかを選んでと言われたので、迷わずZOOM。

外に出なくてもいいので手軽だし、服もそのままでいいし、メイクもエフェクトを使うので、画面の私はしっかり2割増しになっている。

コロナ禍は確実に新しい日常を作り出しました。

そして記事ですが、「モラハラ受難妻」座談会があり、現在調停中の方や受難真っ最中の方など、多様な方が会話をしています。

それでも夫と一緒に暮らしていきたい方にはカウンセラーが、別居中の方には弁護士やカウンセラーが、そして離婚調停中の方には弁護士と私がお答えしています。

#私は弁護士と同じカテゴリなんですね

モラハラコミックと言えばおなじみの榎本まみさんの4コマ漫画が挿入されています。

40代の女性ならではのモラハラの悩みが詰まっていますので、ぜひ手に取って読んでみて下さいね。