悲しい結末

一昨年は時間があったので、よく裁判所に行って離婚裁判の本人尋問を見学しました。妻側の主張はモラハラが多く、弁護士もモラハラの被害を強く訴え、証拠のメモ帳や夫が壊したものの写真などが提出されました(傍聴席から見えました)

その中で離婚したい夫としたくない妻という件がありました。夫にはすでに交際相手がおり、すぐにでも離婚したいとのことでした。

ちなみに有責配偶者からの離婚請求は妻がOKさえすればいいので現在では認められています。当然こういう場合は財産1/2とかケチなことは言わず、気のすむまで(なんだったら身ぐるみ)財産分与の金額を提示すればいいと思います。それを拒否すれば、相当の年月が経たないと離婚できないので。

この裁判の夫が現在の相手と知り合ったのは家を出た後なので、不貞には当たりません。もし「いや、同居していた時からつきあっていた」と主張したい場合は、その証拠を訴える側が出さなければなりません。「つきあっていた」も一緒に会食していた程度ではだめで、男女関係がはっきりとわかるものでないと取り合ってもらえません。

さて、この裁判では妻側から「夫からモラハラを受けていた」という証言がありました。子どもが20歳を過ぎているので、それなりの年齢でしょう。結婚前はなかった病気が次々と出てきて、今はフルタイムで働けない状態だそうです。病気の中にはうつなどの精神的なものもありました。

「(ひどいモラハラをうけていたけれど)経済的に将来が不安なので離婚はしたくありません」と涙ながらに訴えている妻と、弁護士と時おり談笑しながら余裕の夫。もう別居して5年以上経っていて子どもも大きいので、離婚判決は確実と思っているのでしょう。

傍聴はここまでで、この離婚裁判の行方を知る術はありません。この離婚裁判から1年以上が過ぎ、どう暮らされているでしょうか。

モラハラ環境にいるとまず体を壊します。死に至る病気ではなくても、生活に支障が出ることもあります。この方も難聴になり、今後仕事ができなくなるかもしれないとのことでした。耳の病気はストレスからくることが少なくありません。病気を抱えながらの老後は辛いだろうなと思いました。