茨木市の講座を終え、ちょっと関西をあちらこちらまわり、昨日東京に戻ってまいりました。国内を1週間旅するのは初めてのような気がします。旅している間もいろいろな友だちからあれやこれやのLINEは来るので、完全に生活圏から離れている気はあまりしませんでした。
その友LINEの中に「ジムの1月からのプログラム、つまんないねぇ」というのがありました。私の通っているジムは3か月毎にプログラムを変えていて、1月から新規プログラムになるのです。
話題になるのはコロナ禍が始まって、ジムは閉鎖と再開を繰り返し、いろいろな規制はありながらも続けてきましたが、この3か月毎のプログラム編成の度にいなくなってしまうインストラクターさんがいることです。いわゆる「切られた」状態です。
ファンが沢山いて、スタジオを満員にするようなインストさんでも次々に「切られて」いきました。友LINEについていた1月からのプログラムのPDFをながめて、ふと「ハナさんがいない」ことに気づきました。
「ハナちゃんがいないね」「うん、そうなのよ、どうしたんだろう」
ハナさんはいわゆる個別契約のインストさんではなく、準社員のような扱いでしたから、切られることはないと思っていたのですが、今日ジムに「ごあいさつ」の張り紙がしてありました。「今月いっぱいで退職することになりました。6年間、ありがとうございました」
いっぱいの笑顔の写真と共に、お別れの文章が綴られていました。退職後、故郷に帰るそうです。「ハナちゃん、大学から東京だから、10年間東京に住んでいたんだね」
ハナさんの故郷を私は知っています。ハナさんが「とってもいいところですよ~」と言うので、去年Go to を使って行ってみました。そして私もその場所が大好きになりました。
クリスマスの賑わいが終わった数日後に、ジムは年末年始のお休みになります。ハナさんはもう住んでいた部屋の片づけをしているでしょう。
ジムでのインストラクターの他に、時には駅前に立って勧誘のビラを配っていた、周辺のお店に突撃しては無料チケットを渡して頭を下げていた、スタジオで大騒ぎをしているとさっとやってきて、凛とした声で「お静かに願います!」と注意していた。そんなハナさんがとっても好きでした。
東京は多くの若者がやってきて、去っていくところだけれど、ハナさんにとっての東京はどうだったのだろう。コロナがなければもっと長くいて、別の生活が始まることもあったかもしれない。ハナさんが故郷へ帰る電車に乗るときには、賑やかに見送ってあげたい気がします。
ユーミンの「旅立つ秋」は好きな曲です。ハナさんはどんな思いで東京から旅立つのだろう。ハナさんには何か渡してあげたいなと思っています。