あびる優さんの子ども引き渡し事件について

タレントのあびる優さんが、元夫と子どもの親権・監護権を争い、東京高裁に親権者の変更を求める調停を起こし、裁判所側が「親権者は母がふさわしい」として、元夫へ子どもを母親に引き渡せという判決が確定しました。

夫が引き渡さないため、裁判所の強制執行官が出向いて子どもを連れて行こうとしましたが、子どもが拒否をしたため、未執行に終わりました。

その経過についてあびるさんは週刊文春に告発しています。

https://bunshun.jp/articles/-/56167

これは記事の一部であり、私は週刊文春を読んでいないので、この記事はこのオンライン記事だけの情報です。

普通両親が別居していて、子どもの親権を争った場合、子どもが今の環境に慣れているとして、現在一緒に住んでいる方に親権が行きやすいです。

それが、一緒に住んでいない方に親権が決定し、親権者変更が行われたということは、よくよくのことだったのではないかと推察します。

しかも夫側にはすでにパートナーがおり、子どもの養育についてはなんら問題がないという状態での親権変更。これは相当なよくよくのことです。

よくよくとは、夫側の養育に問題があるということです。

私は法律家ではありませんが、沢山の方たちのモラハラの悩み、別居、離婚、その後に携わってきました。その中で、「夫がごねているので、とりあえず親権は夫に渡し、後から変更しようと思っている」という方のご相談には「親権変更は相当難しいそうですよ」とお答えしてきました。子どもが今の環境に慣れていて、現在の養育に虐待など大きな問題がない限り、親権の変更はとても難しいそうです。

それが今回相当難しいはずだった親権変更の理由は、裁判所の調査官が「元夫が娘に対して母親を嫌悪するような強烈な刷り込みを行っている」「健全な発育のために憂慮される状態」と調査書に書いていることです。

裁判所の調査官とは心理学、人間行動学、法律など多彩な知識を持ち、高葛藤家庭の離婚が子どもに与える影響などを調査するために、子どもへの聞き取り、環境調査を行い、学校や保育園などへも調査に入ります。

その綿密な調査の結果、「子どもの養育は母親がふさわしい」としたのです。

今元夫の側から優さんへの反論がさかんになされていますが、当然こういったことは親権変更の調停の際裁判所に提出されているはずですので、裁判所側は織り込み済みのはずです。織り込んだ末の結果です。

今さらなんやねん、です。

離婚の原因がDV・モラハラだそうですが、こういったことをすることが墓穴を掘るってわからないのかな。

共同親権を推進する方たちがまたいろいろと活動されているようですが、裁判所がこの事件を通して、どういったことが問題になるのか、熟考してくださることを願います。