光熱水費を払ってる!

モラハラの相談を受けると、「ローンと光熱水費は夫が払っていますが、それ以外の生活費はもらえません」というお話を、本当にたくさん伺います。そのような夫と話したことのある人から伺いましたが、「なんか、すごく考え方が面白いのよね」ということでした。

「もう鼻高々に『光熱水費は俺が払ってる!』っていうわけ。でも、4人家族の光熱水費なんて、2か月に1度の水道代を入れても2万円程度なわけよ。それを大威張りで『光熱水費を払ってる!』という。

さらに「学費も俺が払ってる!」と言うの。「あれ?公立の小学校ですよね?」と言ったら「給食費5千円は俺が支払ってる!」と、もうブリッジして頭が地面につくくらいそっくり返るわけ。

妻にはちゃんと食費の5万円を渡しているから、これで十分なはずだというから、『お子さんの洋服や床屋代とか洗剤や家庭の消耗品のお金は?』とか、意地悪く聞いてみたら、なんか、ぼーぜんとしちゃって。そういうものを買うという発想がまず全然ないのよね。生活費=食費と思っちゃってるの。

やっと『妻もパートで働いているんだから、そこからだせばいいでしょう。そもそも家計というものは一方の働きで成り立つわけじゃないですからね』と、いい考えが見つかったとばかり、一人でウンウンとうなづくわけ。

でも、下のお子さんはまだ幼稚園。フルタイムで働くのは難しい。せいぜい4~5万のパートしかできないじゃん。これが年収1千万の夫の言い分なのよ」

元に戻って「光熱水費を払ってる!」は、我が夫もよく言っていました。確かに月3万8千円のローンと光熱水費、つまり口座から落ちるお金は夫が払っていました。でも、夫が出していたのはそれだけです。食費、家庭消耗品、衣服、医療、その他もろもろは全額私の負担です。生活費を結婚している間、ただの1度ももらったことがありません。さらにボーナスは全額お取り上げでした。もし逆らおうものなら、無視が1か月以上続き、最後は大暴れの怒鳴り散らしになるのは目に見えているので、私もずっとそれに従っていました。

モラハラ相談を受けていて、「光熱水費は夫が~」の話を聞くと、ああ、またかと思います。なぜか世の中の人は「光熱水費」を一大出費と考えているようで、納得してしまう。光熱水費なんて、家計にとって大したボリュームではないです。

周りに人にも夫はそうアピールしているでしょうから、もしその話をしたら、「光熱水費は月2万円ですけどぉ」と言えるバックデータを用意しておきましょう。

ついでに夫の課税証明書を取っておきましょう。よく「夫の収入がわからない」という方がいます。課税証明書は同居している人なら誰でもとれます(委任状が必要な自治体もあります)。これで夫の収入がわかります。自治体が夫に照会することはありません。役所はそんなものをいちいち確認するほど暇ではありません。

そして家計簿をつける。めんどくさいはモラハラ家庭からの避難をするのに禁句です。避難はことごとくめんどくさいことの連続技です。せめて、我が家の光熱水費が月にどれくらいかかっているか。それだけは押さえておきましょう。