みんな知ってたジャニーズの性被害

ジャニー喜多川氏から性被害を受けていたと、元ジャニーズJr.で被害者であるカウアン・オカモトさん(26)が告発しました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2077723283ab0e3bf048dad83add636e6d25cb78?page=1

この内容は大変センセーショナルなものなのにも関わらず、世の中はそこまで驚いていない印象があります。なぜならみんな知っていたからです。

私がこのことを知ったのは、1988年にフォーリーブスの北公次さんが暴露本を出した時でした。あれだけの少年たちを華やかな芸能界にデビューさせて活躍の場を与えた人の性癖としては十分あり得ると思っていました。たぶん世の中の人のほとんどが同じように思っていたのではないでしょうか。

この大きなニュースにも関わらず、それを制止する動きがなかったのは、ジャニー喜多川の怒りを買えばそのメディアにはジャニーズ事務所のタレントの出演を拒否される。今の芸能界でジャニーズ事務所のタレントを使わなければ番組が作れないというほど、ジャニーズ事務所の力は巨大だったのでしょう。

私はジャニーズ事務所のタレントをそれほど多く知っているわけではありませんが、たまたま見た番組で、滝沢秀明さんが母子家庭の育ちで極貧生活から脱したいとジャニーズに応募したとありました。また東山紀之さんも母子家庭の貧困育ちとまったく同じような境遇だそうです。

ジャニー喜多川は不遇な少年時代を送っている、影のある子を見つける才能があったのかもしれません。人間、くったくなく明るい子よりも、どこか影がある方が惹きつけられるものです。

また、少年の方も貧困からの脱出のため、芸能界に身を投じることが近道だとわかっていますから、ジャニー喜多川の行為を拒絶することができなかったのでしょう。

これが相手が少女だったら大騒ぎになりますが、少年だったことが事件を長い間闇に葬ることができた要因でした。強姦罪は2017年まで「膣に対する男性器の挿入」としてきたため男性は被害者になることができなかったのです。2017年強制性交等罪とになったことでこの要件がなくなり、男女問わず被害者とする法律ができたのです。

同性からの性被害は昔々からありました。軍隊や刑務所や男子校など、男性のみが大勢いるところでは普通にあると私は聞いていました。

それが法律がないために罰することもできなかった。法律ができたのはほんの6年前です。なぜもっと早くできなかったのかと不思議に思います。

このカウアンさんの告発によって事務所の社長が謝罪会見するなど、大きなニュースになっていますが、世の中の多くの人はこの事実を知っていました。でもメディアは報じませんでした。みんなが知っていることを知っていて、元気にモニターの中ではしゃぐ少年たちをなんとも思わず見ていました。もしジャニー喜多川がまだ生きていたら、この告発もいつものように闇に葬られていたかもしれません。

事が事だけに二次被害の危険もあります。有名なジャニーズ系の人たちが、そういう目で見られ続けることも気の毒です。

被害者は千人の単位になるとか。

たったひとりの男の性癖により、心を病む少年たちがそれだけ多くなってしまったのは、1988年の時に何もしなかった大人の責任もあると思っています。