共同親権になる怖さ

滋賀県で家裁に面会を禁止された3歳の娘が手術を受ける際に説明や同意がなかったとして、父親が滋賀医科大を相手取り、慰謝料190万円の支払いを求めた裁判で、大津地裁(瀬戸茂峰裁判官)は16日、手術前に父親への説明や同意を得なかったのは違法だとして同医大に5万円の支払いを命じた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/73f21a4eb6975daf9c9b153648719a7496f61296

yahooのニュースになったこの事件は、これから共同親権を考えなければならないことになるときの大きな問題提起です。

現在海外で実施されている共同親権にもいろいろあり、たとえば医療については父、教育については母と完全縦割りの分担になる場合もあるそうですが、それでも夫婦のコミュニケーションがうまくいっていないから離婚したわけで、そうすんなりと話が決まるとは思えません。しかもDVの場合は支配する側とされる側という関係をいったん築いています。

する側は当然依然と同じように相手は自分の思い通りになると思っていますから、前と同じように自分の担当以外のところも言うことを聞かせようと恫喝や人格否定や、怒号と言った、相手が恐れるツールを使います。

やっと苦しい離婚手続きを経て別れても、ずっとこの母子にまとわりついて影響を与えようとしている元配偶者と、上手に話し合って決めろというのは不可能です。

この事件のように子どもが父親のハンコがなければ手術できないとなると、常日頃から相手の要求に従うなどの行為を要求するでしょう。何かの時に同意が得られるよう、へりくだっていなければならない。

病院も離婚した夫婦間の関係によって訴えられるとしたら、このような関係の患者は扱いたくないという言い訳に使われそうです。そのために父親の同意書をもらってくるようにという手順をふまなければならず、ここに離婚原因となったDV行為が再現されます。

DV事案は少ないだろう、そうではない場合の方が多いのだからまずは共同親権にしましょうという声は子どもの生活をどれくらい脅かすのか、まったく子どもの生活を考えていない、無責任発言だと思います。