物は捨てずに残しましょう

断捨離がブームになり、コロナで自宅にいることが増え、スッキリと物のない空間に暮らすことがトレンドになってきました。私の母はその先取りのような人で、超がつく潔癖症のこともあり、いつも私の実家に来る人たちの第一声は「きれいな家ですね~」でした。廊下も舐めたようにピカピカで、チリひとつ埃ひとつありません。

ならばその子である私も同様かと言えば全然そうではなく、来客がある時にはとりあえず押し入れに目障りなものを突っ込んでおく派です。そういう娘ですので、母の口癖は「お前はだらしない」。常に「だらしない、だらしない」と言われ続けた子ども時代でした。確かに物は無くすわ、忘れるわ、どうも片づけは苦手で、こんまりさんとは真逆の性格です。

その片付けられない一番の理由は、なかなか物を捨てられないことですが、こんまりさんの「胸に抱いて『今までありがとう』と言ってから捨てる」」ことをしてからかなり片づけが進みました。そして年も取り「私が死んだらどうせ全部捨てられるのだ」と思うことで、捨てられるようにはなりました。

でも、捨てられないことで命拾いしたことも何度もあります。「家庭モラルハラスメント」に書きましたが、調停委員から「家の土地は旦那さんが自分で全額を出したと言っていますから、あなたに権利はないですよ」と言われ、何度も「私も出しました」と言ったのですがまったく元夫の言葉を信じ込み、私の言うことを聞いてくれません。

さらに「あなたも出したというならば、その証拠を出しなさい」と言われました。夫には出しなさいと言わずに私には出せという。私は資金を出しているのだから、夫は証拠を出せるわけがない。夫の言うことは全部正しいと頭から信じている調停委員たち。男だからか、社会的地位が高いからか、見た目が誠実そうだからか。

#何が調停委員は中立だ

ただ、私にはこの時私が資金を出したという証拠を持っていましたので、動ずることはありませんでした。

はるか昔、家を建てることになり、登記は夫がしたのですが、送られてきた登記簿には私の名前がありませんでした。半分ずつの持ち分にすると約束したのに、勝手に自分だけのものにしてしまった元夫が許せなくて、郵便局からおろした払い出し票を取っておいたのです。その払い出しは夫がやったものでした。私は貯金通帳を取り上げられていたので、私は出せません。払い出し票に書かれた私の名前を書いた文字は夫のものでした。うまくいったとばかりに箪笥の上にぽいと置かれたその紙を私は手に取りました。

「いつかこれが私を救ってくれる」。何の保証もなく、クローゼットの中のバッグに密かに隠した数枚の紙。

それから十数年。その時は来ました。調停委員の前に並べた払い出し票。その日付は住宅金融公庫の申し込みの前日でした(詳しくはカテゴリーモラハラ未分類