オリンピックボランティアのつぶやき

こちらの続きです。

ボランティアが観戦していたというニュースがあり、「ボラばっかりずるい」という声がありますが、誰もいない閑散とした会場よりも、ボラ入れて賑やかにした方がいいじゃないかと私は思います。開会式、閉会式はボラ入れろって思ってましたもの。

試合や式そのものでは感染はしないというデータが出ていたと思います。危ないのはその後飲食に行ったりという密になる流れになるから今回は無観客にしたはずです。でも、ボラだったら一般よりはしっかりと統率が取れていますので、その心配はない。でもそれをやったら「不公平だ」というブーイングが来るだろうから実現しなかったろうなぁ。

試合観戦については場所によって仕事以外の時間は見ていいよというところもあったようです。私の当初の持ち場は会場でしたから、そのままだと試合も見られました。「ずるい」と言うならばボラに応募すればよかったのではないでしょうか。

ボランティアは募集8万人に対して20万人の応募者があり、ボラになるのもかなり大変でした。やりがい詐欺とか「あんな暑い所でタダ働きなんてよくやるよね」と半ば呆れている人もいました。暑さを理由に申し込まなかった人も多いはず。

今相当気温が上がっていますよね。今日は35度を超える見込み。ボラはセレモニーとか要人アテンドとかメディア対応などの職種は希望が出せますが、どこに配置されるかはわかりません。35度の気温でカンカン照りの場所への配置も当然覚悟の上です。もはや必勝ハチマキを巻いた特攻隊の気分。

実際私が配属されたのはそういう場所でした。どの日焼け止めが一番いいか、YouTubeを見て研究したし、5月頃から日向に出るようにして体を慣らしました。今日のようなカンカン照りのところに立ちっぱの覚悟があっての応募です。

ボラが観戦できたのは7月中旬、無観客の決定があったからです。それまでは当然観客がいますので、観戦できるような状態ではありませんでした。試合を観戦できたのは本当に偶然。たまたまです。

ボラはあんな暑い所でタダ働きしてがんばってるんです。だったら、試合くらい見たっていいじゃないですか。交通費なんか完全赤字でやってるんです。ボラは日本中から集まっていますから、交通費、ホテル代を自腹を切ってボラをしている人も多いのです。無観客になって客席ガラガラだから、仕事のないときに選手に応援してあげましょうというくらいいいじゃないですか。「暑いのにがんばってくれてありがとう」の気持はないのでしょうか。

無観客になったんだから、ボラの数を減らせばいいという意見には唖然としました。イベントでボラを募集したけど雨で中止になるなんてザラにある、だから今回もそうすればいいという意見でしたが、そもそもそこいらの市民マラソンとオリンピックはまったくの別物です。市民マラソンのボラを3年前から募集して、審査や面接やグループワークなんかやりますか?何度も自腹きらせて研修会場に出向かせ研修を受けさせたりしますか?ものすごい時間のかかるE-Learnigを受講させたりしますか?

普通のスポーツボラとオリンピックボラは全くの別物なのですよ。

そして無観客になり、最後まで完全放置になったままの数多くのボランティアたち。せめて「パラで優先的に活動していただけますか?」のメールくらい出したらどうなんでしょうって、結構憤っている管理人です。