行きつく先

私はいくつかの世界を持っています。ここは私の「モラハラの世界」。普段は仕事の世界もあるし、いくつかのコミュニティにも所属ています。各コミュニティは繋がっておらず、それぞれの世界で完結します。仕事の友人関係はそこで完結。そこからどこかへは繋がりません。

まるでサテライトのように私が中心になり、それぞれの衛星を持っていると言ったらわかりやすいかもしれません。私はこの「衛星」を沢山持つのが好きで、いろいろな活動をして広げていきます。

さて、これはその「衛星」のひとつのお話しです。家庭を持つ友人がふたりで話をしてました。

「昨日夫が飲み会だって言うから、あー、今日はのびのびできるとめっちゃ喜んでいたら、7時半にはもう帰ってきたのよ。ありえなーい」

ここのお宅の夫は家にいるのが好きで、趣味は家で読書をすることだそうです。この夫は家事はできるので、「特に面倒があるっていうわけではないんだけど、夫が家にいるだけでうざったいのよね」

「わかる!うちはずっとテレビを見てるのよ。家事でもしてくれればまだマシなんだけど、何にもしないでテレビ見てるのよ」

おふたりとも本人が夜遅く帰っても(午前様になっても)、ひとりで旅行に行っても(海外旅行に行っても)、夫は文句も言わず、食事を作って子どもの面倒もちゃんとみるんだそう。それでも

「クマガイさんはいいわねー。いつもひとりで悠々と家にいられて」と言う。

「うーん、そかなー。だったら卒婚すれば?二人でいることを解消して、それぞれの道を歩んでみたら?いくらでもひとりでいられるよ。でもね、あなたたちの住んでいる家のローンを払っているのは主に夫でしょ。せっせと働いて家を買って、その家で静かに読書をしたりテレビを見ていて、妻に『ウザい』と言われる男って、私、かわいそうだと思う」

夫が家にいるのはウザいという。でも、夫が持ってくるカネは欲しいという。

私が離婚をしたとき、多くの人は「かわいそう」という目つきだったのに、老年期に差し掛かろうとしたら、「夫はウザい。ひとりがうらやましい」と言う。しかし離婚や卒婚をする生活力も度胸もない。

どうやらひとりで淡々と歩んできた私が行きついたのは、人が羨む楽園だったようです。