「風に吹かれて」で一番読まれている記事

googleが月に一度、この「風に吹かれて」の中で一番読まれている記事というのを知らせてくれますが、その順位はほとんど変わりません。

実は一番読まれているのはモラハラと関係ない「マシュウとふくらんだ袖」です。

たぶん「マシュウとふくらんだ袖」で検索すると、テレビのアニメ関係が1番2番と出て、私のこの記事が4番目くらいに出るので、それが一番読まれる理由になったのでしょう。

この「マシュウとふくらんだ袖」で検索をする方がそれなりにいるのは、うれしい限りです。この記事は15歳の私に洋服を買ってくれなかった母の話ですが、母はどうもずれていて、洋服というものは「作るもの」と思っていたようなのです。

ここで器用な人ならば「着るものはいつも母の手作りだった」ということになるのですが、母や器用な割に縫物はあまりしなかったので、洋服は近くの方に作ってもらったことが2回ありました。

1度目は6年生の卒業式の時です。私としてはアンと同じようにふくらんだ袖やリボンやひらひらのレースがついた服が着たいのですが、ここもマリラと同じで大人が着るような飾り気のない、かっちりとしたデザインの服を注文していました。ただ、作る方が「ここにリボンをつけたらいい」と襟の真ん中に細いリボンをつけてくれたおかげで、なんとなくかわいらしくはなりました。

今考えても既製服を買った方が安上がりだったと思うのですが、たぶん洋服=作ってもらうとしっかり彼女の頭の中に入って動かなかったのだと思います。

あの父から怒鳴られた後、3枚の夏服をこれまたオーダーメイドしてくれました(既製服でいいっちゅーに)。その時は私の意見も取り入れられ、流行のミディ丈で裾にフリルをいれてもらい、おしゃれな服になりました。

母はセンスが良く、その辺のおばちゃんのようなグレー一色の服は着ません。ヴィヴィッドカラーの安い服を上手に組み合わせて着こなします。今も一緒に外食する時は商店街の洋品店に入り、「いつも同じ服を着ていたらみっともないだろう」と言って必ず何点か服を買います。

15歳の女の子が、いつも同じ服を着ていたことは、きっと覚えていないでしょう。

一生懸命難しい言葉を使って話をする人

特に男性が多いのですが、一生懸命難しそうな言葉を使って話をする人がいます。ただ、その難しい言葉とはそれほど難しいわけではなく、そういう言葉を日常使っている人にとっては普通の言葉なのですが、一生懸命使っている人はどうやらがんばって使い慣れない言葉を必死に繰り出しているらしく、どうも身についていない。

これを会話のそこにその言葉をはさむか?という単語を挟んでくる。たぶん普段は使っていないんだろうなぁと思われる英単語だったり熟語だったり。

私はこれを長〇〇茂的な人と自分の中で呼んでいます。朝のワイドショーのコメントを聞いても、どうもこなれていない単語を一生懸命探り出して話している様子はとても違和感があります。

とある男性と話をしていて、「これは男女平等でジェンダーでダイバーシティーだ!」と叫んだ方がいました。どうやら男女の区別なく公平にお金を出し合いましょうと言いたかったらしいのですが、そこにジェンダーとダイバーシティーを持ってくるあたりがなんとも情けない。

この方も前述の〇島的なお話をされる方でした。とにかく繰り出される言葉が身についていない。

昔、何かの本で「五木寛之は簡単なことを難しい言葉で話す。○○は(忘れた)難しいことを簡単な言葉で話す」と読んだことがあります。本当にわかっていればとても簡単な言葉でシンプルに話すもの。中途半端にわかっていると、回りくどく難しい言葉を使って話します。結局よくわかっていないから、何とかやりすごそうとする。

人は普通話している相手がどれくらい経験値があって、どれくらいの言葉なら理解してくれるかを考えながら話すものです。小学生に難しいことを言ってもわかりませんから、子どもがわかるような言葉で、例をあげて話してあげます。

大人も数分話せば相手がどれくらいわかってくれそうかをまず探って、そこから話すことは普通の人ならみんなしています。

使い慣れない、自分が難しいと思っている言葉を無理して使っている人を見ると、無理しなくていいのにと思います。

電子レンジ調理器がブーム

最近仲間グループラインでのブームは電子レンジ調理器です。こういうものがあるというのは以前から知っていましたが、12,000円もするので手は出せずにいたところ、友人がこれ便利とグループラインに乗せてきました。

【Modéré】【ヒロ・コーポレーション】 電子 レンジ 調理器 HDL-5444 食洗機対応 コンパクト 蓋付き

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3,000円台ですが形が丸いので仕舞うときに幅を取るのと、もう一声お安いのを探してみたら、ありました。

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調理器具に2,300円なら払えるし形も四角い、ということで早速購入。

炊飯器で煮物を作ったりケーキを作ったりする人はいるようですが、何しろ一人暮らしなので調理は今まで小さな鍋でちゃちゃっと作っていました。煮物はシャトルシェフを使うし。

油が飛ばないというのはいいなぁ、焼き魚が焼けるというのもいいなぁ。

炒め物は油が飛び散るので結局コンロ周りを掃除しなければいけないし、焼き魚のグリルは網に魚の皮が張り付くし、下の皿も洗わなければということで、一切れ焼くのも大仕事。よって焼き魚をあまりしなくなってきました。

材料と調味料を全部一緒にぶっこんで、後はボタンを押すだけという手軽さということで、一番先に作ったのは肉じゃがでした。ところがついてきたレシピ通りの時間にしても鍋で作ったようにジャガイモがほっこりとはなりません。電子レンジ調理器の限界かしらと思いつつ、もしかしたらとググってみたら

「電子レンジの寿命は10年~12年です」

我が家は東京転居の前に買ったもの。ということはゆうに15年以上過ぎている。つまり、電子レンジが寿命であることを発見しました。

以前より温めに時間がかかるなぁと思っていましたが、この電子レンジ調理器で気が付かされてしまいました。電子レンジ買い替えです。。

電気製品は動いている限りなかなか買い替えに腰があがらないもの。でももう寿命とわかったので家電売り場でお値打ち品を探すことにします。2,300円で喜んでいたら、値の張るものを購入することになってしまいました。

未来の仕事と人間関係

先日友人と会ったらなにか元気がありません。60歳で定年退職し、それからどうしようかと思っていたら、はからずも「うちに来ない?」と誘ってくれた方がいたそうで、喜び勇んで再就職しました。

収入はアップで会社も問題ない、誰が聞いても「よかったね」と言ってくれる職場でした。「問題は人間関係かもね」とお茶をしながら話をしたのですが、1年経って話を聞いたらその人間関係が問題でした。

仕事はほぼリモートで週1回行けばいいだけ。与えられた仕事を個室で行い、ちょちょっと話をして修正して帰るだけ。その話をする人もとてもいい方で、何の文句も言わないでねぎらってくれるそう。

「1年間務めたけど、1度も文句がないんだよ。1度もない」

「それってあなたが優秀だからでしょう?いいんじゃない?」

「1年間に1度もないって変だろう?そもそも他の人との生の交流がない。会議は全部ZOOM。会社に行ってもみんなリモートだから人がいない。1年間誰とも生で話したことがない」

コロナになってリモートが推奨され、自宅で仕事ができるようになり、「通勤地獄が無くなった」と喜んでいた人は大勢いました。誰にもじゃまをされず仕事ができてプライベートな時間を過ごせるはずでした。

ところが同僚とまったくZOOM会議以外で顔を合わせることもなく、通勤もしない。子どもがいなくなった家で妻とふたりだけ。家を出る必要がない。お連れ合いの方もあまり外に出たがらない方だそうで、夫婦で家にこもりっきり。

「ジムにでも行ったら?」

「とにかく何の気力もない。意欲がわかない。旅行にも行きたくない。コンサートにも映画も見たくない。飲み会もなければ歓迎会すらなかった。こんなんでいいのか」

まるでうつ病患者のように生気がありませんでした。仕事場に行くというだけで運動になるし、同僚との会話は嫌なことも多いけど、それなりに刺激的だったのだと思います。その「他から得る刺激」が無くなるとこうも覇気がなくなるものなのか。

大昔、未来の世界を描いた漫画や映画がありましたが、宇宙服は着ていないけれど、テレビ電話は普通になり、チンと音がして料理が出てくる家電はどこの家にもあるようになりました。でも人と人が生でまったくふれあわなくなると、こういうことになるのかと思いました。

人間関係は面倒くさいし、嫌なことも多いけど、たぶん脳に新鮮な刺激を与え続け、それによって生きがいとか新しいことを考える力になるのかもしれません。山奥にポツンとひとりで生活している人はいますが、あれはあれで自然との共存。都会の孤独とは違う。

誰とも話をしなくなり、家の中で仕事をして人との関わりが無くなった世界は、とても辛そうでした。

東京に雪が降る

昨日、外出先から窓の外を見ると、大きなぼた雪が降っていました。今年初めての雪です。

日本海側では例年にない大雪で、20年ぶりだそうです。そういえば私がまだ東京に転居する前、大雪が降ったことがありました。大雪すぎて新聞配達も来ず、家の前の雪かきに追われていました。

私が住んでいた場所は雪は降るものの、今テレビで流れている「屋根にもっこり」というような降り方はしないのに、その年はどこの家も屋根にもっこりと雪が積もっていました。

「除雪費用くらいばかばかしいものはない」と言います。春になればどうせ溶けるものを、大金を使って雪を寄せたり捨てたりしなければならないからです。と言って屋根に雪を乗せたままだと最悪家が雪の重みで倒壊してしまいます。

トタン屋根の場合、屋根に積もった雪は家の暖気でいったん溶けて氷になり、屋根に張り付きます。それが何センチにも何十センチにもなると氷+雪の重みで倒壊するのです。だからそうなる前に屋根から雪を降ろさなければなりません。

ところがそんな大雪が降る地域ではないので、屋根に上るしかけなんぞはありませんから、どうやって雪を下ろそうかと屋根を見上げていたら、ふと、私の家の屋根に積もった雪は他の家の屋根のそれよりも断然少ないことに気づきました。

他の家は「もっこり」なのに、私の家だけ「さらっと」なのです。特に屋根の傾斜が急こう配なわけではありません。でも、確実なのは「天は我を見放さなかった」ということです。「なんだかわからないけれど、神様ありがとう」と屋根を見上げました。

後でよくよく考えてみたら、そういえば前年の秋、屋根のトタンにペンキを塗り替えてもらっていたのです。たぶん塗ったばかりのペンキで雪が滑ったのではないかと思いあたりました。

#今調べてみたら、やはりそうでした。「ペンキを塗った後、雪が滑らないように雪止めを設置しましょう」と書いてあります

「20年ぶりの大雪」とのことですので、あの大雪から20年経っての東京の雪です。東京も7~8年前くらいには子どもたちが雪だるまを作れるくらい積ることはあったのですが、2020年あたりから1~2回、気持ちばかり降るだけになってしまいました。

異常気象で東京に雪が降っても、もう積ることはないのかもしれません。テレビでは電車の遅ればかり繰り返し流しています。通勤が大変になるから雪はない方がいいのでしょうが、私は1年に1回でいいから、「もっこり」積もった雪景色を見てみたいなぁと思っています。

子は親の扶養義務があるか

いつの「避難応援プロジェクト」の時だったかは忘れたのですが、「子どもは親の扶養義務はあるか」という話になりました。つまりモラ夫と別れても、何十年後かに夫が年老いて介護が必要になった時に、法的に子どもはモラ父の介護をしなければならないのかと心配されての質問でした。

民法では「3親等以内の親族ならば、余力がある場合に発生する」ことになっていますので、義務ではないけれど、「できるならやって」ということになります。つまり「できないならばやらなくてもいい」です。

実際日本ではかいがいしく親の世話をしている人がどれくらいいるでしょうか。虐待した親が自分がよれよれになってから「お前は私の子なんだから、面倒を見る義務がある」と言って近寄ってくる場合があります。

義務ではなく、「余力があったら」「その気があったら」助ければいいだけの話で、自分たちの生活で精いっぱいなのに、さらに虐待した親の面倒なんかみられないと言っても、法的には何のお咎めもないのです。

そもそも面倒を見て欲しければ、子どもが小さな頃にそれなりのことをすれば無下に突き放したりはしないものです。虐待をしておいて自分がよれよれになってから近寄ってくるなんて図々しい。

プロジェクトでは「親の面倒をみなければならないという法律はありません」とお答えしたところ、とてもほっとされました。

プロジェクトではこのような小さな疑問にお答えしていきます。今年の日程はまだ決まっていませんが、「参加してみたいなー」と思われる方には登録していただき、日程が決まり次第優先でご案内いたしますので、登録をお願いいたします。

登録はこちらからどうぞ

https://morahara.cocoon.jp/form.php

共同親権と一緒に始まる養育費の取り決めについて

選択制共同親権が来年から始まりますが、同時に養育費を取り立てる法律が追加されることになっています。

”①養育費等の請求権の実効性向上(先取特権の付与)―養育費等の取決めの実効性を向上させるために、養育費等の債権者が債務者の総財産に対して一般先取特権を持つことで、相当な額の範囲内で他の債権者に先立って優先弁済権を有することにしました(同306条3号、308条の2)。また、公正証書や審判等の債務名義を取得しなくても、「一般先取特権の存在を証する文書」を執行機関に提出することで、差押えや財産開示手続・情報取得手続をできることになりました(新民執206条 )。”

相手が他に借金があった場合も、それよりもこちらを優先して支払ってもらえる権利を得ることになりました。。が。

#借金がなかったら、今と同じってことよね

光熱水費が払えなくて止められているとか、カードでキャッシングをしている人とか、住宅ローンが払えなくなっている人とか、借金を抱えている人ならば該当するかもしれませんが、この文中の優先弁済権だの一般先取特権だのと言われても、ズブの素人がどうやれば優先弁済権なるものを利用できるのだろうか。

結局どうしてもお金を出して弁護士に依頼するしかないのではないか?

”公正証書や審判等の債務名義を取得しなくても、「一般先取特権の存在を証する文書」を執行機関に提出することで、”

ふむふむ。公正証書や家裁の審判書がなくても「一般先取特権の存在を証する文書」を出せば財産開示手続きができるということですね。

で、その「一般先取特権の存在を証する文書」とは具体的に何?離婚の時に「月に〇万円払います」と覚書を書いたものとかかな。するとそういう覚書が無ければやっぱりこの条文は絵にかいた餅になるんだろうか。

そもそもこの文を読んで理解できる人がどれくらいいるんだろうか。もう少し平たく説明してくれないと、その立場にいる人が理解できません。

ここに書きましたが、めんどくさいことをめんどくさがらずにやる人たちは、国や自治体にめんどくさい書類を出してちゃんとお金を受け取ります。たとえ不正受給でも。

めんどくさいからと放っておくと何ももらえません。だからといって、将来の日本を支える子どもたちを育てている家庭に「ちゃんと読んでわからないところは勉強して申請して」というのは酷ではないかと思うのです。

やはり養育費は当事者を債権者にするのではなく、国が債権者となって債務者から取り立てて欲しいと思います。どこの国でもそうやっているんだから。

なぜかこれだけは面倒くさがらずにやる

私は「一度座ってしまうとなかなか腰を上げられない人」で、ちょっと立って2、3歩歩くのも億劫で腰があがりません。

こんなぐーたらな私ですが、これだけは面倒くさがらずにやることがあります。

「旅行から帰ったら、その日のうちに旅行鞄をからっぽにする」です。

帰るのが深夜でも、ぐたぐたに疲れていても、これだけはやります。

中に入れたものを全部出し、汚れた服を洗濯機に入れ、中の物を定位置にもどし、旅行鞄を押し入れに入れて終了。たぶん多くの方は「明日やろう」と疲れた体を休めると思うのですが、私はなぜかこれだけは当日のうちに終わらせないと落ち着かないのです。

たぶんそれは翌日起きた時にこの作業をするのが億劫だからだと思います。朝起きたら普段と同じように朝のルーティンを行い、朝ごはんを食べたい。これに「鞄をからっぽにする作業」を入れたくないのです。

もちろんお土産はまとめておくだけで、他のものもきれいにそろえるわけではないのですが、とりあえず「鞄はからっぽにして定位置に戻したい」のです。

そんな時に思うのは、子どもの頃に見たNHKの「ブーフーウー」のお姉さんが、「さあ、帰りましょう」と言って「ブーフーウー」の人形を鞄の中に入れる情景です。

↑そうとう古い((;^_^A

私の場合、旅の終わりは旅行鞄を空っぽにして、元あったところに戻すことで全部終了なのです。

婚姻費用はとにかく早めに

知人の弁護士から婚費に関する裁判所の考え方を聞きました。

「たとえばずっと前から生活費をもらっていなかったとしても、裁判所は考慮にいれません。『申し立てないのが悪い、またはそれほど困窮していなかったから申し立てなかったんだろう』という風に考えます。どんなに我慢して生活していても、その状態を裁判所が汲んでくれるわけではないのです」

非情に聞こえますが、そういえば裁判所は国の機関。お役所。役所は取り上げるものは有無を言わさずガンガン取り立てますが、くれるものは申請主義。自分で手続きしなければ何も手に入りません。もらえなかったと言えば、「申請しないのが悪いんだろう」と言われます。

不正受給をする人たちは面倒くさがらずにこの手続きをするからお金が手に入る。やり方がわからない、面倒だと腰を上げないと損をする。

実際私も結婚してから生活費をもらっていませんでしたが、調停で婚費の額を増やそうとして「私は今まで生活費をもらってこなかったから」と言っても「関係ありません」という一言で片づけられました。夫が結婚している間中、生活費を入れなかったことに呆れていた人たちでもそうでした。

ともかく裁判所が「申し立てないのが悪い」と考えていることがわかったので、生活に困ったいる方は悩まず即申し立てましょう。婚姻費用は申し立てた月からもらえますので、結論がは半年後だったとしてもその半年分は未払い分としてまとめてもらえることになっています。

困っていなかったから裁判所に来なかったんでしょうなんて、雲の上から言われるくらいなら、とっととやったほうがすっきりします。

声帯も年を取る

先日久しく行っていなかったカラオケに1年ぶりに誘われました。「久しぶりだな~、何を歌おうかな~」とカラオケアプリの「ポケカラ」を起動。ポケカラは後から自分の歌ったものを聞くことができるし、キーを上げたり下げたりもできる無料のアプリ。

お久しぶりで使ってみたら、歌えない。キーが高すぎて声が出ないのです。フラットをひとつだけでなくふたつも入れて、やっと歌えるかなという状態。

むむむ、こんなんじゃ聞き苦しくて、みんなとカラオケに行けないじゃん。

発声練習でもしたらいいのかと思いながらジムに行くと、丁度いいところにY代さんがいました。Y代さんは東京芸大声楽家卒のお方。以前は音楽教室で教えていましたが、高齢になったので引退されたとご本人から伺ったことがありました。

ジムに行くと、たいていその時間は居るY代さん。「どうすれば歌が上手になるか聞いてみよう」と思いながら声をかけました。

「なんだか高い声が出なくなったの。発声練習とかしたら出るようになるかなぁ」と軽い気持ちで言ってみたところ、Y代さんの顔が曇る。

「あのね、さっちー。声帯って持って生まれたもので、筋肉なの。声帯が細い人、太い人、平べったい人、いろんな声帯があるんだけどね、人は年を取ると筋肉が衰えて走れなくなるでしょ。声帯も筋肉だから声が出なくなるのよ」

「でも、練習したり、鍛えたりしたらいいんじゃないの?」

#高橋真梨子だって75歳で紅白出たし

「どんなに鍛えても、若い人と一緒には走れないでしょ。筋肉は年を取ると衰えるの。どんなに練習しても若い筋肉には戻れないのよ」

なるほど、わかりやすい。確かに若人の多くは高い声で、年を取るにしたがって低くなります。「筋肉が衰えたから声が低くなったんだ」とわかりました。

確かにおばあさんは声がしゃがれて、もはや声が高い低いというレベルではなくなります。おばあさんがおばあさんの声になるのは、筋肉が衰えたからなのですね。

そういえば懐メロ番組で、聞くも無残な歌声を披露する往年のスターが大勢います。高橋真梨子は奇跡の声帯だったのね。

もうカラオケはキーをひとつふたつ下げるのが当然として、加齢に逆らわず、70年代ポップスを歌ってくることにします。