男女参画センターの役割

男女参画センターの名称は、各地で様々です。

「男女共同参画センター」「男女平等参画センター」その他、愛称をつけているところもあり、その名前を聞いただけでは参画センターがどうかはわからない場合もあります。ですので総称して「女性センター」と呼ぶこともあります。

被害者の場合はまず、地元の女性センターに行って相談を受けるのが早道です。ただ、相談員の質がバラバラで、その身分もこれまたバラバラです。正規の役所の職員だったり、非常勤だったり、どこかの民間に委託されていたりと様々です。

女性センターはまず都道府県にひとつ、その下に各自治体のセンターがあります。また、配偶者暴力センターという名称のものはDVに特化した施設で、婦人相談所という名前の場合もあります。

夫から暴力を受けている場合は、まず、このどこかのセンターを訪ねて相談を受けてください。もし県のセンターがピンと来なければ、お住いの区市町村のセンターに行ってみてください。それでもだめなら配偶者暴力センターです。本来は、身近なお住いの市町村にあるセンターが一番いいのです。なぜならDVはいろいろと手続きをしなければならないことがあり、それを行えるのは居住地の役所だからです。

たとえば住所については戸籍がある係だし、子どものことは学校を通さなければならないし、病気や障害があれば保健担当だしと、サポートがいくつかの課に分かれていて、県のセンターでは話は聞けても、この手続きはできないのです。

また、県庁所在地に住んでいる方は県の施設でも市の施設でもどちらでもいいでしょうが、そうでない場所に住んでいる方は、県の施設にわざわざ出向いていかなければなりません。ですので、相談は地域ごとの女性センターが良いのです。

DVで悩まれている方は、全国共通の電話番号(#8008)から相談機関を案内するDV相談ナビサービスをご利用ください。発信地等の情報から最寄りの相談機関の窓口に電話が自動転送され、直接ご相談いただくことができます。

自分の居住地のセンターに相談したけれど、イマイチだったという場合は隣の市でも相談を受けてくれるかどうかはその市によります。受けてくれる場合もくれない場合もあります。ただ、受けてくれたとしても、手続きが必要な場合は結局自分の市しか対応できないので、隣の自治体の相談員さんがとてもいい方でも、手続きはできません。

とても面倒見のいい、責任感にあふれる相談員さんだった場合は、該当地区のセンターに「こういう人がいらしてまして」と連絡をしてくれるかもしれませんが、結局その後は最初から話をしなければならないといったことになります。

「幸せなカサンドラ」講演会の感想

以前告知したSORAさんご夫婦の講演会が10月2日、行われました。私はWebで拝見したのですが、本当に興味深い講演会でした。

かけあい漫才のようなご夫婦の会談とSORAさんだけ、夫さんだけの単独になり、会場参加者からの質問に応じるという設定もありました。

この講演会のタイトル通り、SORAさん宅は今とてもよい関係になっていますが、そうなったのはある出来事があったからだと夫さんは語りました。

そのある出来事とは何年か前SORAさんから別れを告げられ、実際いなくなってしまったことがあったそうです。その時初めて夫さんはSORAさんが自分の前から消えてしまったこと、その原因は自分がSORAさんにとても迷惑をかけていたからだということに気づいたからだそうです。

この迷惑をかけていることについてはSORAさんはたぶんずーーーっと伝え続けてきたと思うのですが、おそらく聞いていないか、聞いていても理解できなかったのではないかと思います。

夫さんからはよく「自分には今しかない、過去のことは忘れているし、未来のことは想像できない」と話していました。過去に失敗をしてもそれが経験となることがないのだそうです。将来のことも想像できないので、「もしこうなったらこうなる」という作業ができないのだそうです。

だから妻が「私は出ていきます」と言っても、妻が出ていく=いなくなる=どうなる?がわからない。想像できないから自分の行為をやめない、やめる必要がない、わからない。

実際に妻が家から出て行ってから、妻が家にいないということを実体験して大慌てになったそうです。

ただ、これはASDだけでなく、普通の人でも同じなのではないかなーと思います。

妻に傍若無人な行いをする→何度やめてと言ってもやめない→怒って出ていく→慌てて謝りにいく

こんなことはモラハラでなくても普通にあります。ただ、普通は1度妻が家を出たら、もうコリゴリなので、反省して大人しくなるものですが、モラ夫の場合は妻が戻るとまた元通りのモラハラを始めます。3日で元通りになる場合も1か月で戻る場合も期間は様々です。

だからSORAさんの夫さんが妻から去られてしまい、反省して、自分はどうすればいいのかをずっと考えている夫さんはモラ夫じゃないな~と思ったのです。

ショコラさんと離れた子育て

〔写真はイメージです〕

人気シニアブロガーのショコラさんの本を読みました。そういえば以前ブログをちょっと拝見したら面白そうな本を推薦されていて、その本を図書館から借りて読んだような気がします。

結構前の話なので、そこから先は知らなかったのですが、ショコラさんは今や人気シニアブロガーとなり、出版もされています。支払いが終わった小さなマンションの一室は大好きなものだけを置き、あとは清々しい心地よさそうな空間の中で、60代のショコラさんはパート勤めをしながらとっぷりとお好きな読書やネットサーフィンを楽しまれています。

ため息が出そうなこの素敵な空間で暮らしているショコラさんですが、40代で離婚され、息子さんふたりは元の家に住んだまま、ご自分だけ別の家に住み、息子さんたちの食事や洗濯のために毎日通われるといった、「離れた子育て」をされていました。

ショコラさんがなぜ家を出られたのかはわかりませんが、実はモラハラ被害者の方でこういう形態の生活をされる方が時々います。多くは「子どもと一緒に家を出ようと思ったけれど、子どもが付いてきてくれなかった」というものです。

子どもがいる方の別居でこれが一番の難所です。一生懸命長い間避難の準備をして、さて決行と思ったら子どもが家に残ると言い出す場合があります。

子どもの首に縄をつけて引っ張ってくるわけにもいかず、でも夫との生活は限界となると、近くに住んで、子どもの世話をしに家に戻るということになります。

特に食事は「ちゃんとしたものを食べているか」ととても気になりますから、こういった半別居のような生活になってしまっても仕方がないかもしれません。

ショコラさんのお宅は子どもが高校生になると、今度は子どもがショコラさんの家に来るようになり(でも本拠地は夫の家ということか)、面会交流調停のようなことはまったくしていなかったようです。

ショコラさんとお子さんとの間でどういう協議が行われたのかはわかりませんが、母と子の絆は切れることなく、現在30代後半になった息子さんたちは、ショコラさんの部屋に月2回やってきては親子で自転車の小さな旅に出たり、ちょっとリッチな食事に行ったりと、足りなかった親子の生活を補うように暮らしています。

ショコラさんが子どもを置いて自分だけ出た経緯はわかりませんが、もし子どもを連れて家を出たい場合は、子どもが小学校中学年くらいまでに決行しないと、子どもが「自分は行きたくない」と言い出す可能性が出てきます。

まだ低学年の場合は泣く泣くにはなるかもしれませんが、母と一緒に行動してくれますが、自分の世界を持ち始める年代になると、それが難しくなります。

離婚、別居に関しては、こういった形態もあるだろうし、岩崎宏美さんのように長く離れていても成長した子どもたちと仲睦まじく交流することもある。

親子が一緒に過ごしていても、子が家を出てぷっつり音信不通になることもあるし、親子でいがみ合うこともある。一緒に暮らしているから良いというものでもないのかもしれません。

ショコラさんは同じ60代の女性たちのあこがれの人となり、身の丈にあった暮らしを楽しんでいらっしゃるようです。

みんなの願い

いろいろと相談をお受けしていて、一番多いご希望は「今の家に自分と子どもが住んで、夫には出て行って欲しい。生活費は今まで通り受け取りたい」というものです。

えっとですね、まず、夫が出て行かなければならない理由がないのです。例えば夫が大乱闘をして妻子がけがをして、夫が逮捕された場合は警察から「家から出ていくように」と命令されることはあります。

警察は「このままでは刃傷沙汰になって危ないと判断」した場合も、夫に一旦どこかに行くように命じることはあるかもしれません。

いずれにしても警察の関与が必要です。

警察以外で夫に家から出ていくように言える人はいるでしょうか?ご親族はどうでしょうか?と伺うと、ほぼ全員「いません」と言います。

では裁判所の調停ではどうでしょうか。その前に、離婚調停を起こすときはとにかく別居することが第一です。同居したまま調停をして、裁判所で火の粉を散らして、ふたりとも同じ家に帰ってくるって、怖くないですか?

そもそも離婚調停を起こすためには「もうこの夫とは一緒に暮らしていけない」という証拠が必要です。その証拠とは夫と離れること、夫が出て行かないならあなたが家を出ることです。家は夫も住む権利がありますので、家から出なければならない理由がないのです。

警察以外、誰も夫に「家から出ろ」とは言ってはくれないのです。

夫に家から出て行ってもらい、小さなアパートに住んでもらって不自由な暮らしをしてもらい、生活費は今まで通りの金額が欲しいというみんなの願いはまず難しいというより不可能です。弁護士に頼んでも無理でしょう。

もしこれを「わかりました」と言ってくれるような相手なら、そもそも離婚なんかする必要はないのです。

これからのことを考えるときは、この希望はまず捨てて、どうやって家を出て自活するかを考えた方が早道です。

そう思うと、事の成り行きとはいえ私の場合、怒り狂った夫が家を飛び出し、戻ってこようとするのを私が阻止し、その合間に離婚調停が成立し、私が子どもと一緒に家に住み続けることができたのは一生分の運をここにつぎ込んだようなものだったのかもしれません。

共同親権ー自民党保守ががんばったそうで

こちらの記事で「一番大きいのは『旧統一教会問題でそれどころじゃないのでは』『旧統一教会の理念と共同親権派の理念が一致しているので、ここで共同親権に賛成したら旧統一教会と関係があるのではと思われてしまい、尻込みしているのでは』とか、様々なご意見があります。」と書きましたが、あちこち調べてみたら、法制審議会の様子を書いたものを見つけました。

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2022090400585
信濃新聞社説

”これに沿って8月末に中間試案を公表し、意見の公募を経て、議論を詰めていく段取りだった。法制審の事務局を担う法務省が、取りまとめに先立って自民党の法務部会に説明した際、共同親権の導入を強硬に主張する議員らから異論が噴出した。

 法制審はこんなことしか決められないのか。意見が反映されないなら法務部会は何のためにあるのか―。議員の怒号は会議室の扉越しに廊下まで響いた。法務省側が取りまとめを延期する方向を示してその場を収めたという。”

旧統一教会問題でびびったということではなく、ちゃんと異論を噴出させていたそうです。”議員の怒号は会議室の扉越しに廊下まで響いた”とのこと。

しかしながら
”法相の諮問機関として、民法や刑法をはじめ法務の基本的な事項を議論する法制審は、政府の主要な審議会の一つだ。法律学者や実務家らの知見を取り入れ、行政の公正さを確保する目的がある。独立、自律した形で議論がなされることが欠かせない。議員が、思い通りにならないからと横やりを入れていいはずがない。専門家らの議論を尊重しないなら、審議会は存在意義を失う”

ということでこの怒号に対していかがなものかと批判をしています。国会の中では怒号は普通の行為かもしれませんが、この場で怒号を繰り出す、TPOをまったくわきまえない自民党議員がいたようです。

どうもこの共同親権のことになると「怒号がとびかい」ます。

共同親権にしたい方たちは、共同親権にさえすれば、児童虐待は無くなり、養育費は滞りなく支払われ、親が離婚しても子どもたちはすくすくと健全に育ち、別れた妻と一緒に明るく養育できる(笑)という夢を見ているようですが、共同親権になっても子どもと面会できない人はそのままできませんし、児童虐待は両親が揃っている家でもあります。

ひとり親が児童虐待の温床とかいう、なんだかわけのわからないことをずーーっと言うよりも、まずは養育費をちゃんと払ってくださいね。

共同親権の中間試案先送り

https://news.yahoo.co.jp/articles/00ff3f546ed931abde4e9103c91b7919881191ad
yahooニュース:

8月26日に共同親権の中間試案の正式決定を先送りすることが決まりました。それに併せてみなさまに事前告知していたパブコメ(パブリックコメント)も一緒に先送りになりました。

せっかく準備をしてくださっていたみなさま、もう少し手ぐすね引いてお待ちください。

この中間報告が見送りになった原因は、自民党法務部会でさらなる議論が必要と判断され、了承が得られなかったためだとか。

私の界隈では「ホントかいな」の声が多数。一番大きいのは「旧統一教会問題でそれどころじゃないのでは」「旧統一教会の理念と共同親権派の理念が一致しているので、ここで共同親権に賛成したら旧統一教会と関係があるのではと思われてしまい、尻込みしているのでは」とか、様々なご意見があります。

実はモラハラも離婚も何もご存じない方々の声を拾うと、「夫婦仲が悪くなって離婚をしても、子どものことは別でしょ。そこは両方とも親だもの、子どものためを思って離婚後も子育てをするのは当たり前と思う」というのが大多数なのです。

およそこれでもめている夫婦は高葛藤状態にあり、そのまま離婚した夫婦のことなぞ知りゃしない。

そういう方々に、「別れても子育ては一緒にしたい」「いつでも子どもに会える状態にしておきたい」というのはとても共感するらしいのであります。

私もまともな夫ならばそれでもいいと思います。子どものことで相談することもあるでしょう。でも、そもそもそんなに物わかりのよい夫とは離婚しません。

子どもの教育方針や進路のことが原因で離婚する夫婦も多いなか、その状態を引きずったまま離婚後も別れた夫と連絡を取り合わなければならない状態というのは、考えただけでぞっとします。ましてやモラハラ夫。

モラ夫とは会話が成立しないので、離婚の時は弁護士を依頼しないと離婚すらできないのに、話題が子どもになったからモラハラツールは出てこないは絶対にありません。必ず毎回の嫌がらせがあります。

その状態を知らずして「別れても子どものことは別でしょ」という、頭の中がお花畑になっている人たちを取り込むやり方はどうかと思います。

共同親権に反対のTwitterを毎日あげて下さっている小魚さかなこさんですが、1年前のTwitterに「え?」というものを発見しました。

共同親権に反対する弁護士や支援者を徹底的に一人ずつ叩き潰そうとするこの異常性に、国も裁判所もとうに気がついています。共同親権に賛成している人の中には善良な親も混じっているのでしょうが、残念なことにやること言うことが過激すぎて、普通の人も引いてしまいますよ。

昔、まだモラハラが世の中に知れ渡っていない頃、一般の方々に説明する時に「暴力団と一緒に住んでいると思ってください」と言っていたことがありました。

このツイートにも「まるでヤ〇ザのようだ」とありますが、家の中にいたヤ〇ザが外に出てきたようです。

これは反対する人たちにとてもラッキーです。家の中のモラハラが外に出てきているのですから、彼らの異常性がとても理解してもらえるチャンスです。

これを異常と思わないことが、俺様偉いの脳構造なのでしょうね。

杏さんのフランス移住

女優の杏さんが3人の子どもを連れてフランスに移住されるとのこと。フランスには元々パリコレの仕事で住んでいたこともあり、思い出が多いことやよその土地に住んでみたいと思っていたことも要因だとか。

時々日本に戻って仕事をして収入を得るそうだから、たぶん子どもたちの面倒をみてくれる方の手配も済んでいるのだろうと思います。

いいな。私もどこか外国で暮らしてみたかったから、率直にいいな、と思います。ただ、これが共同親権を大いに推進する人たちの口撃材料とされてしまっていて、お気の毒です。杏さんもよもやこれがそっちに飛ぶか、というお気持ちでしょう。

杏さんとすれば、子どもが小学校へ入学する年になり、とうに終わったはずの離婚のことや、止まることを知らない元夫の下ネタ事件が子どもたちの心を傷つけるのではないかと思うのは当然です。できることならこういう記事、噂から子どもたちを守りたいというのも至極当然です。

片親疎外だとか夫の許可云々を言う前にまともな養育費を支払い、下ネタばかりの私生活をなんとかせいと言ってあげてほしい>共同親権を推進する方々。

この移住はまともな人が見れば「ああ、そうだろうな」と思うでしょう。どうしようもない父親からは離したいだろうし、世間の噂話からも遠ざけたいのは当然。それのどこが悪いのだろうか。

なんだか小さなことを見つけては、がーがーと大騒ぎすることが、むしろ「この人たち大丈夫?」という印象を与えてしまうのですが、それに気づかないのかな。

本来ならば他国と同様にするという極めてまっとうな考えの共同親権が、「こりゃアブナイ」と前進を鈍らせたのは、こういう人たちの言動なのでありますが。

第三者機関の面会交流

調停で面会交流をすることが決まった場合、そこに第三者機関という団体が介在することがあります。地方にはまだそういった団体がないところが多いですが、これは口をきくのも嫌な母と父の間を取り持つ団体です。

以前はFPIC(家庭問題情報センター)しかありませんでしたが、今は様々な団体があります。

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00286.html
法務省:面会交流団体について リンクに団体一覧があります。

面会交流の支援内容としては面会交流をしている間中担当者が付き添う「付添い型」、受け渡しだけをする「受け渡し型」、連絡調整だけをする「連絡調整型」があり、それぞれ金額が違います。

FPICの場合は付添い型が2時間までが15,000 ~ 20,000円(税金を含む)、3時間まで 20,000 ~ 25,000円(税)とのことです。かなり高いですね。

これを誰が支払うかですが、会いたい人(多くは父親)が全額払ったり、母と父で半額ずつだったり、さらに細かく割合で決めたりと様々なようです。

そもそもこの第三者機関は、

1 相手と口をきくのもいや
2 時間と場所を決めようとしても、頻繁に時間や場所を変えたり、威圧的になったりするのでそもそも話し合いにならない。月に1回のこの行事が親子ともにストレス
3 面会交流中に子どもを連れ去られる恐れがある

という場合に使われます。

そしてこの第三者機関の利用でなければ面会をさせられないというのは、離婚協議の中で非常にもめた場合に起こります。特に2、3は当事者になった場合、もう第三者機関が付き添う以外は考えられないということになるかもしれません。

それにしても料金設定が高い。これはFPICだけでなく、他の団体も似たり寄ったりです。確かに一人、または二人が2時間付き添うのですから、それなりの費用がかかるのは仕方がないとは思いますが、まず、料金を見ただけで尻込みしてしまうのではないでしょうか。

できればこういった民間団体でなく、行政がこの面会交流支援をしてくれないものかと思いますが、行政では兵庫県明石市が行っています。

https://www.city.akashi.lg.jp/seisaku/soudan_shitsu/kodomo-kyoiku/youikushien/menkaikouryu_support.html

これですと無料なのはいいのですが、この「交流当日、お父さん・お母さんには別々に待機していただき、お互いに顔を合わせることなくスタッフがこどもを引き合わせます」というところが気になります。

これ、どこで会わせるのでしょうか。役所の部屋の一室だったら子どもは面白くもなんともないですよね。前述の第三者機関は子どもの喜びそうなところを選び、季節や天候に合わせて場所を変えるそうですから、さすがにお高いだけあってきめ細やかです。

何とか国の事業としてストレスのない面会交流ができるようにならないものかと思います。

お盆の山越え、お疲れさまでした

モラハラ家庭の3大緊張期、盆、正月、GWの3大行事のひとつが終了しました。モラ夫と一緒に暮らしている方は本当にお疲れさまでした。

リモートでの仕事をする方が増え、1年中緊張期という方も多くなっていると思います。常に山の状態が続いていて、気が抜けないと、

このように脳が立ち止まってしまうと、「取りあえず今はこのままにしておこう」という選択をするようになります。

何もしなければとりあえずこのままで、良くはならないかもしれないけど、これ以上悪くもならない。悪くなるのは嫌だから、だからとりあえずこのままで。

これは「学習性無力感」というもので、何度もモラ夫と話し合おうとしたけれど、いつも逆襲に遭って、そのたびに「無理なんだ」と挫折感を味わって月日が経ってしまったのがモラハラの被害者です。

でも、さらに10年後「子どもにお金がかかるので、今離れるのは無理」、そしてさらに10年後「職歴もパート程度だし、50歳を過ぎてデスクワークの求人がない」、さらにまた10年後、「少ない年金で、自立は無理」「夫が定年で24時間家にいて、常にダメ出し、怒鳴り声、嫌味なので、できるだけ家にいないようにしている」

こういう方たちを山ほど見てきました。

ため息とともに相談室のドアを閉める後姿に、せめてこの方のご先祖様がモラ夫を早くよびよせてくれるようにしてくれたらいいのになと毎度思っていました。

壬生義士伝とモラハラ夫

6月にご紹介したU-NEXT(ユーネクスト)の無料視聴期間は終わりましたが、その間にいろいろな映画を無料で楽しみました。

ずっと映画館に行く回数も両手で足りるほどだったので、無料期間だからいっぱい見ようと思いましががどういう映画が良いのかわからない。とりあえず日本アカデミー賞を取ったものなら間違いなかろうと「壬生義士伝」を見てみました。

壬生というからにはきっと新選組の映画だよねと思いながら、どういう話なのかはまったく知らないままに見ました。これからはネタバレになるので、これから見ようという方はここで抜けてください。

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岩手の侍(吉村)が飢饉で苦しむ妻子のために脱藩して新選組に入隊し、人を斬ってお金を稼いでは故郷に送金するお話でした。ラストはうるっと泣けます。

鳥羽伏見の戦いで満身創痍になった吉村は、故郷南部藩の屋敷に逃げ込み幼馴染に助けを求めますが、南部藩としてはすでに賊軍となった新選組隊士を生かしておくわけにはいかず、切腹を命じます。

ひとり切腹に臨んだ吉村に届けられた南部の米の握り飯を「うめべなぁ」としみじみ眺め、ふところからこぼれ出た、故郷に送るはずだった銭を血だらけの震える指で「これは誰に」「これは誰に」と数えながら、微笑みます。

自分が働いた金で家族が幸せになることを何よりの愉しみとし、日々吝嗇に励みながら、人を斬って報奨金を稼いでいた吉村。

モラ夫とエライ違いだな。

モラ夫は自分で稼いだお金は自分のもので、妻子に使うことをことの他嫌がります。私も働いて得たお金で子どもを育てましたが、「誰のおかげで飯が食えると思っているんだ」などと思ったことは一度もありません。

子どもと喧嘩をして「こいつ腹たつ~~~!!」とは思いますが、「誰のおかげで学校へ行けていると思っているんだ」とは思いません。

子どもに腹がたつことと「誰のおかげで~」がリンクしないのです。モラ夫はここがリンクする。その根本は「自分はいつも損をしている」というモラ夫の被害者意識と自己肯定感の低さだと思います。

自分はどういう人間なのかわかっていないから、いつも他者からの称賛を求める。自己肯定感が低いから、他者からの賛美がないと不安でしょうがない。自分を称賛しない、あがめたてない者に対して「誰に向かって言っているんだ」「俺様だぞ」が「誰のおかげで~」という言葉になります。

被害者意識があるから、いつも誰かのせいで自分は損をしている、害を被っていると思っています。だから腹だたしい。面白くない。それがあるきっかけでどかんと爆発する。

私は家族が私の働いたお金で買った服を着て、美味しいものを食べて、楽しそうにしてくれるのが何よりうれしい。もっとがんばって稼いで、もっと喜ばせてあげたいと思う。

人間、自分のためにはできない苦労も、人のためにはできるもの。

壬生義士伝吉村は、一家の主の鑑のような人でした。