ロマンチックが止まらない

モラ夫に別れを告げると、なぜかロマンチックな(げろっ)ポエムのメールがやってくることがあります。これはロミオメールというらしいのですが、別れた後にこのメールを寄こす人が一定数います。

その内容は懺悔だったり、後悔だったり、ともかく内容が現実的でなくポエミーなのが特徴です。

「君と行ったあの海を行き、君を思いながら死んでいこう」的な文章です。散々モラハラをしておいて、今更なんだよと思いますが、本人はその気になっていて(死ぬ気ではなくロマンチック気)これをナルシストのロミオメールと名付けておきます。

離れていくとは想像できなかった相手がいなくなると、自分がかわいそうになって、このようなメールを寄こすのでしょう。どうしても被害者になってしまう体質なのですね。

これは多くのロミオメールを読んだ方から伺った話ですが、

「すごくロマンチック気分で書いているんだけどね、残念なことに必ず誤字があるのよ

とのことです。

残念だ。

本当に残念だ。

うっとりとその気で書いたお手紙に誤字があるんだって。

ジュリエットに出す前に読み直そうね、ロミオ。

ありがたいご報告ー脱出しました

サイトや掲示板やご覧になって避難された方から時々ご連絡をいただくことがあります。このところ相次いでのご連絡がありました。また避難応援プロジェクトに参加された方からもいただいています。

みなさん決行のその日まで息を詰めるように過ごしています。ひとつひとつ小さなことに心配し、取り越し苦労も多かったかもしれません。でも、それくらい些細なことにまで注意深く慎重に事を進めると、実行は結構あっというまに終わってしまうものです。

イベント(脱出もイベント)事に考えておかなければならないのは、A案がダメならB案、C案ともしものための予備案を作っておくことです。イベントが最初から最後まで何も起こらずにスムーズにいくことはあまりありません。何か起こって普通くらいの気持ちで次の一手を打ちましょう。

避難を考えている方のご相談を受けていると「〇〇したら夫は怒ると思う」というフレーズを何度も聞きます。「これを持って行ったら夫は怒るのでは」「これをしたら夫は何をするかわからない」とおびえる方には、「もう家を出る時点で夫は怒っています。あなたが何をしてもしなくても夫は怒ります。これを持って行ったら20個について怒っていることがひとつ増えて21個怒るだけです」と言います。

常に夫に起こられないようにすることだけを考えて生活していたため、夫が怒る、夫が不機嫌になる状況が身に染みてわかっているから、夫の反応が怖くて何もできないとあきらめ、日々を過ごしています。

でも、実際に夫から離れて時間が経った方たちは「なぜあんなしょぼくた男が怖かったんだろう」と口をそろえて言います。遠く離れて平穏な場所にいればそういった考えにみなさん行きつきます。一緒に暮らしていてもそれができる方もいるかもしれませんが、経済的DVや性的DVがある場合は完全にこれはこれあれはあれといった境地になることはとても難しいです。

今回盟友プラザに投稿いただいたざくろ石さんの脱出ドラマは「できないことは目もくれず、できることを実践した避難」でした。できないからとあきらめず別の方法でやってのけました。諦めるのはいつでも諦められる。その日は必ず来ますから、準備だけはしておきましょう。

ざくろ石さんの体験談はこちら

https://morahara.cocoon.jp/zakuroishi.html

遅すぎる後悔

共同親権を強く推進する多くは父親たちです。妻が子どもを連れて出て行ってしまったことで、子どもに会えなくなったり、会えても短時間だったりと、本人たちにとって不満な境遇になってしまっています。

出て行ってもどうせすぐに帰ってくる、謝ったフリでもすれば帰ってくる、どやしつけてやれば帰ってくるとタカをくくっていたのに帰ってくるどころか婚姻費用や離婚調停を起こされて、本気だということがわかると、がっくりと力を落とす人もいます。

O・ヘンリーの短編の中にとても示唆に富んだお話があります。

都会に住んでいる結婚2年目のある夫婦のお話。男は毎日仕事に通い、いつも同じ時間に家に帰ってきます。彼は「また昨日と同じことの繰り返しだ」と飽き飽きしています。妻が作った夕食を食べ、ふたりで団らんすることもなく、「玉突きに行ってくる」と不満そうな妻を置いて家をでます。

何も起こらないこれからの時間が楽しいわけでもなく、今日も昨日と同じ時間に家につきました。ところがその日は様子が違いました。妻が実家の母の容体が悪くなったと実家に帰ってしまっていたのです。

いつもと同じ儀式が繰り返され、いつもと同じ時間を過ごすつもりだったのに、急に誰もいなくなった部屋の中で、彼はひとり涙を流しながらなぜ妻に対してもっと優しくしなかったのか、かまってやらなかったのかと後悔します。

彼女が帰ってきたらならば、こうもしてあげようああもしてあげようと心に誓っていると、急にドアが勢いよく開けられ、妻が飛び込んできました。母親の容体がそれほど悪くなかったので帰ってきたわと嬉しそうに語る妻。

そんな妻を横目で見ると、彼はいつものとおり外套を手に取り「玉突きに行ってくる」と不満そうな妻を残して外に出ます。

タイトルは「振り子」というような題でした。平凡な日々がどれだけ幸せなことであるか、何もないことが幸せであり、そばにいる人とそれを分かち合うことの大切さに気づかず、後悔も反省もしたのに妻が戻るとまた前と同じことの繰り返しという。

モラ夫は妻子が家を出るまでわからなかった。妻子が家を出るなんて考えてもみなかった。そんな大それたことをしでかすなんて思いもよらなかった。

ま、甘く見てたわけですね。想像力の欠如ともいう。

妻子が居なくなって初めて自分の立場や、これから起こるかもしれないことに思いを馳せると、それはさめざめと泣きたくなるだろうよと思います。すべては彼の傲慢さ、共感力のなさ、自己中心的な考え方によるものだったのですが、さらに離婚の作業に入ると今までの反省はどこへ行ったやら。いかに自分が損をせずに離婚できるかへスイッチします。

この「振り子」の夫は、ある日また振り子が止まった時にしか、苦も無く時間を知ることのありがたさを感じることができないのでしょうね。

今年度避難応援プロジェクト終了しました

10月29日(土)に今年度最後の避難応援プロジェクトがありました。コロナになってから冬が流行期になるので、2回開催とさせていただいています。

今回のプロジェクトは質問が盛りだくさんで、しかも一般的なことではなく、個人毎の事情がたくさんあるものが多かったです。

この頃目立つのは夫がASDのケースです。モラ夫の場合は人間的に(抒情的に)アウトですが、ASDの中には完全自滅型の方がいます。

ASDの中には過去と未来がわからない。今しかないという方もいます。過去のことは忘れていて(だから経験が積み重ならない。思い出が消えている)、未来のことは想像できない。考えられるのは今だけという方です。

過去が消えているから、一緒に過ごした思い出を語りあうこともできない、失敗を覚えていないから、何度も同じ失敗をする。未来のことを想像できないから、財布の中にあるお金を全部使ってしまう。勤め先をぷいっと辞めてきてしまう。

こういった方と生活を共にし、家族として生きていくにはすごい覚悟と並大抵ではない忍耐力が必要だろうなと思います。今生活ができないほどに困難になっている大元に惹かれて結婚したという方もいます。そこが魅力だったけれど、生活をしていくにはそこが大きな足かせになるという展開。

こういう方と一緒に暮らしている方に伺うと「モラ夫は大切なものを隠して相手が必死で探しているのを見てイヒヒと笑ったりします」と言うと、「あ、うちはそういうところはないです」と仰います。モラ夫とASDの大きな違いですね。

避難応援プロジェクトは何度やっても毎回参加者の傾向が違っていて、一言にモラハラの家と言っても様々なものだと感じ入ります。

来年は5月と9月を予定しています。もし参加を希望される場合は前もっての予約が可能ですのでこちらまでご連絡ください。

https://morahara.cocoon.jp/form.php

あさイチ感想の続き

こちらの続きです

モラハラのことを「言葉や態度によって精神的苦痛を与えること」と説明していましたが、私が考えているのとは少し違います。相手に精神的に苦痛を与え、苦痛を回避するために相手に迎合するようになること。相手から見たら苦痛を与えることで支配すること、です。

だから、通りがかりの人に嫌がらせをされたところで、それはただのハラスメントでしかありません。通りすがりの人は知らない相手に支配するためにいたずらや嫌がらせはしないでしょう。そういうのは一時の気まぐれや変な性格ですることで、モラハラとは言いません。

だからモラハラをする側とされる側は一定の距離内にいなければなりません、がしかし、電話やメールでもモラハラは可能ですので、コミュニケーションのとれる関係において、ということになるでしょうか。

モラ逃げ経験者の座談会に出てきた「逃がし屋」ですが、避難応援プロジェクトでも何度も出てきています。たぶんキーワードで検索をすると一発で出てくる業者ですが、今のところ他よりも多少高め以外に悪い話は出ていません。

何より昼逃げに慣れているので、ささっとやってくれそうですね。

この3人の座談会で「セックスを断ると機嫌が悪くなる」「応じると機嫌がよくなる」と、性的DVを受けていた話が出てきています。性的DVはなかなか被害を打ち明けるまで時間がかかるので、私も沢山は伺ったことはないのですが、たぶんものすごくたくさんの妻たちが「嫌なお勤め」のために、早く終わってと嫌々演技をしているのだろうなと思います。

この性的DVをもっと突っ込んでやって欲しかったですね。

NHK「あさイチ」のモラハラ特集

本日NHKで放送された「モラハラ夫から逃れた妻たち」をご覧になられましたでしょうか。こちらでの広報が遅かったので、見逃した方はNHKプラスで10月31日までご覧になれます。

ふとNHKあさイチ モラハラで検索したところ、yahooの記事になっていました。あさイチの中でゲスト出演していたココリコの遠藤さんが「最初に夫が食事に文句を言った時に『いや、なんで?』と言う勇気で、ひとつひとつ、潰していくのが大事なのかな。OKしてしまったら、旦那さんが調子に乗ってエスカレートしていく」」というコメントに批判が殺到したそうです。

ココリコ遠藤、モラハラ特集で“反論”勧めるも「何もわかってない」「それで治らないのがモラハラ」と視聴者から大反論

ありがたいですねー。20年前と隔世の感がある。20年前だったら「そうだよね」と言われてしまったかもしれない。このコメントが「モラハラのことを何もわかっていない」と非難されたことで、世の中が進んでいると実感し、感動しました。

さて、臨床心理士の本田りえさんが出演され、的確な解説で場を引き締めて下さっていました。特に「モラハラを受けている妻の危険なサイン」では「感情の起伏が少なくなった」という項目を挙げていました。

「怖かった夫が怖くなくなったと感じるのは慣れてきたのではなく、楽しいことも嬉しいことも感じなくなる、感情の平板化が始まって危険」(外部からの刺激に対して、自然に起こるはずの喜怒哀楽の感情が起こりにくくなる)と仰っています。

自分が今悲しいのか嬉しいのか、どういう表情でいたら夫は機嫌がよくなるのか、夫に合わせることばかりを考えていると感情がバラバラになってしまいます。それはとても恐ろしいことです。

そうなる前にまずモラハラに気づくこと。私は20年前からモラハラの啓発運動をしてきましたが、いまだに知らないままで苦しんでいる方が多いことに焦りを感じています。

NHKは全国放送ですから、この放送でひとりでも多くの方が気づいてくださるよう願わずにいられません。

10/24 NHKあさイチ放送「実録 モラハラ夫から逃れた妻たち」

10月24日のNHKあさイチ(午前8時15分~)で、モラハラ家からどう避難するかの特集があります。モラハラ被害者同盟もこの番組の制作に協力いたしました。

https://www.nhk.jp/p/asaichi/ts/KV93JMQRY8/episode/te/5W4X6XJXK4/

ディレクターの方からご連絡をいただいたのが9月2日。それから1か月以上かかっての放送です。よくあるようなモラハラの構図などではなく、どう逃げるかに特化した内容のようです。

オフィスウィンド(モラハラ被害者同盟)では、毎年「モラハラからの避難応援プロジェクト」という講座を行っていますが、それのテレビ版なのかどうか、そこは私も知りません。

今までにないモラハラを扱った番組になりそうですので、ぜひご覧くださいね。

内村選手はどうなったのだろう

今年の1月、体操の内村選手が家庭内モラハラ疑惑のニュースがありました。

#この頃多いですね。有名人のモラハラニュース。

さて、内村選手のモラハラ記事の中で気になったのは「彼は妻が食事を作ったのにウーバーを頼んだ」、これはモラハラ行為であると書いてあったことです。

確か妻が一生懸命作った食事を前にしてウーバーを頼むのは妻の心を傷つける行為ではあると思います。でも、私が報道された記事だけを読んだ感想を申し上げると、

内村選手はこの家が嫌なんだろうな

内村選手は離婚したいんだろうな

このふたつです。

モラハラの嫌がらせは相手を支配するためのものです。この家の中で一番上にいるのはオレ様である。だから言うことをすべて聞け。全部自分が心地よいようにふるまえ、行動しろ、そのために相手に恐怖を与えて言いなりにするための嫌がらせがモラル・ハラスメントです。

内村選手は妻子を支配したいのでしょうか。なんとなく漂うのは、恋愛関係のカップルの片方が別れたいときに行う冷たい仕打ちです。

別れたい片方は相手に自分は別れたいのだと知らせるために冷たい仕打ちをします。わざと嫌なことをいう、待ち合わせをすっぽかす、連絡をしなくなる、全部相手が「ああ、彼は私のことが嫌いになったのね」と気づかせて自分から離れるようにするための古典的な行為です。

モラ夫の場合は離婚はしたくないので、妻が「では離婚しましょう」と言えばあわてて「そんな気はなかった」「今までのことは悪かった」と平謝りしてきますが、さて内村選手はどっちだったのでしょう。

離婚したというニュースはないので、平謝りしたのか、それともやっぱり離婚したのかはわかりません。でも、ちょっとしたモラハラツールをすべてモラハラにしてしまうことが、私には危うく感じます。

ただ、もし離婚になったとしたら、結婚し、子どもが誕生した以上、それ相当の償いはしてほしいですね。

男女参画センターの役割

男女参画センターの名称は、各地で様々です。

「男女共同参画センター」「男女平等参画センター」その他、愛称をつけているところもあり、その名前を聞いただけでは参画センターがどうかはわからない場合もあります。ですので総称して「女性センター」と呼ぶこともあります。

被害者の場合はまず、地元の女性センターに行って相談を受けるのが早道です。ただ、相談員の質がバラバラで、その身分もこれまたバラバラです。正規の役所の職員だったり、非常勤だったり、どこかの民間に委託されていたりと様々です。

女性センターはまず都道府県にひとつ、その下に各自治体のセンターがあります。また、配偶者暴力センターという名称のものはDVに特化した施設で、婦人相談所という名前の場合もあります。

夫から暴力を受けている場合は、まず、このどこかのセンターを訪ねて相談を受けてください。もし県のセンターがピンと来なければ、お住いの区市町村のセンターに行ってみてください。それでもだめなら配偶者暴力センターです。本来は、身近なお住いの市町村にあるセンターが一番いいのです。なぜならDVはいろいろと手続きをしなければならないことがあり、それを行えるのは居住地の役所だからです。

たとえば住所については戸籍がある係だし、子どものことは学校を通さなければならないし、病気や障害があれば保健担当だしと、サポートがいくつかの課に分かれていて、県のセンターでは話は聞けても、この手続きはできないのです。

また、県庁所在地に住んでいる方は県の施設でも市の施設でもどちらでもいいでしょうが、そうでない場所に住んでいる方は、県の施設にわざわざ出向いていかなければなりません。ですので、相談は地域ごとの女性センターが良いのです。

DVで悩まれている方は、全国共通の電話番号(#8008)から相談機関を案内するDV相談ナビサービスをご利用ください。発信地等の情報から最寄りの相談機関の窓口に電話が自動転送され、直接ご相談いただくことができます。

自分の居住地のセンターに相談したけれど、イマイチだったという場合は隣の市でも相談を受けてくれるかどうかはその市によります。受けてくれる場合もくれない場合もあります。ただ、受けてくれたとしても、手続きが必要な場合は結局自分の市しか対応できないので、隣の自治体の相談員さんがとてもいい方でも、手続きはできません。

とても面倒見のいい、責任感にあふれる相談員さんだった場合は、該当地区のセンターに「こういう人がいらしてまして」と連絡をしてくれるかもしれませんが、結局その後は最初から話をしなければならないといったことになります。

「幸せなカサンドラ」講演会の感想

以前告知したSORAさんご夫婦の講演会が10月2日、行われました。私はWebで拝見したのですが、本当に興味深い講演会でした。

かけあい漫才のようなご夫婦の会談とSORAさんだけ、夫さんだけの単独になり、会場参加者からの質問に応じるという設定もありました。

この講演会のタイトル通り、SORAさん宅は今とてもよい関係になっていますが、そうなったのはある出来事があったからだと夫さんは語りました。

そのある出来事とは何年か前SORAさんから別れを告げられ、実際いなくなってしまったことがあったそうです。その時初めて夫さんはSORAさんが自分の前から消えてしまったこと、その原因は自分がSORAさんにとても迷惑をかけていたからだということに気づいたからだそうです。

この迷惑をかけていることについてはSORAさんはたぶんずーーーっと伝え続けてきたと思うのですが、おそらく聞いていないか、聞いていても理解できなかったのではないかと思います。

夫さんからはよく「自分には今しかない、過去のことは忘れているし、未来のことは想像できない」と話していました。過去に失敗をしてもそれが経験となることがないのだそうです。将来のことも想像できないので、「もしこうなったらこうなる」という作業ができないのだそうです。

だから妻が「私は出ていきます」と言っても、妻が出ていく=いなくなる=どうなる?がわからない。想像できないから自分の行為をやめない、やめる必要がない、わからない。

実際に妻が家から出て行ってから、妻が家にいないということを実体験して大慌てになったそうです。

ただ、これはASDだけでなく、普通の人でも同じなのではないかなーと思います。

妻に傍若無人な行いをする→何度やめてと言ってもやめない→怒って出ていく→慌てて謝りにいく

こんなことはモラハラでなくても普通にあります。ただ、普通は1度妻が家を出たら、もうコリゴリなので、反省して大人しくなるものですが、モラ夫の場合は妻が戻るとまた元通りのモラハラを始めます。3日で元通りになる場合も1か月で戻る場合も期間は様々です。

だからSORAさんの夫さんが妻から去られてしまい、反省して、自分はどうすればいいのかをずっと考えている夫さんはモラ夫じゃないな~と思ったのです。