調停でモラハラを理解してもらうには

よくどのように言えば調停委員はモラハラを理解してくれるかという相談を受けますが、調停の場でモラハラ被害を受けたと話をしても、要求する婚姻費用や養育費には反映されることはないと聞いています。

被害を具体化させるためのものは離婚調停で行う慰謝料請求です。婚姻費用請求の調停で慰謝料は要求できません。慰謝料を認めてもらうのは離婚裁判です。

調停は話し合いの場なので、相手が「払う」とさえ言えば調停で慰謝料が認められますが、モラ夫が「はい、自分はモラハラをしていました」と言うわけがなく、そして調停委員が「どうやらモラハラがあったようなので慰謝料を払いなさい」と言うこともありません。

調停委員にモラハラを認定してもらったところで、相手が認めなければ慰謝料に結び付きません。どうしても慰謝料が欲しい場合は、裁判するしかありません。

謝ってほしいとか謝罪文が欲しいという方はいますが、モラ夫は口が裂けても謝罪はしません。どんなことをしてでもと仰る方も中にはいますが、大抵は「こんな所に労力とお金と時間をかけても無駄」と、こんなこととはおさらばして次のステップに向かわれます。

長く調停や裁判をすると精神的ダメージが大きく、それが体のあちこちを蝕みます。些少な慰謝料をもらったところで、一度傷んでしまった体は元にはもどらない場合もあります。

中には20年、30年と月日を重ねた方もいて、50歳を過ぎてから人生をやり直すと言っても限度はありますが、残りの30年をのびのびと暮らすために必要な体や時間を大事にした方がいい場合が多いなぁといつも思っています。