モラハラ家庭で暮らしていると、それはもう筆舌に尽くし難い様々な夫からの嫌がらせがあります。そのひとつひとつは些細なことで、家庭生活をしていればどこにでもあるようなことかもしれませんが、夫が自分を嫌っている、妻のしたことをあげつらってはお前はダメだ、死んでしまえ、出て行けと言い続けられると、どうしてこんな不幸な目に遭うのかと床に座り込んでは茫然としてしまいます。
少し元気のある人ならば、友人に愚痴として話すことで、わずかではありますが気持ちの荷物を下ろすことができますが、友人がいなかったり、親きょうだいともうまくいっていない場合は誰にも話すことができません。
そうしているうちに、夫から吐き出された毒は体中に回り、やがて死んでしまいます。どこかで毒は吐き出さなければなりません。
「毒を吐く」とは夫から受けたものを外に出すこと、誰かに話すことです。言葉を変えれば「愚痴を言う」ということになるかもしれません。ですが、「愚痴を言う」ことと「吐き出しをする」ことは別です。吐き出しは文字通り受けた毒を吐き出すことですので、同じ行為でもポジティブです。これは絶対にしなければならないことです。
気を付けなければならないのは、毒を吐き出す相手はひとりではいけないということです。あまりみっとも良いことではないし、できれば隠しておきたいとなると「言う人を限定して」と思われるかもしれませんが、毎度同じ吐き出しを聞かされる方は気が重くなります。あなたにとっては「吐き出し」でも、吐き出しを受ける方はそれを飲み込むわけですから、決して易しいことではありません。だからカウンセリングは料金が高いのです。
一度や二度なら「うんうん」と優しく聞いてくれても、同じような話を毎度聞かされるとだんだん重くなって嫌になります。嫌になるとあなたから離れていこうとします。聞かされるのが「たまに」なら身を入れて聞きますが、「しょっちゅう」なら「えーまた旦那の愚痴?さっさと離婚すればいいのに」となります。
吐き出す相手を複数名にすると、その恐れは数段少なくなりますから、ローテーションでも組んでいろんな人に聞いてもらいましょう。そんな友だちはいないというなら、区役所や無料で話を聞いてくれるようなところを探しましょう。
私が相談員をしていた時に「初めてです」と言って何度も電話をかけてくる人がいました。人の声や話し方は結構特徴があって、「この人、前にもかけてきたな」と気づくものです。どうやらあちこちの無料相談電話にかけているので、自分がどこにかけたのか覚えていないらしい。
そんな感じに無料で吐き出しができる場はありますので、探して利用してみてはいかがでしょうか。