遠くイタリアを思う

コロナウィルスが中国から世界中に散らばりましたが、特に大きな被害を受けたのはイタリアで、今日現在で2万人以上の方が亡くなっています。なぜイタリアで多くの被害が出たかは、親しい間柄で頻繁に行うハグをする習慣、多くの医療予算を削った、高齢者が多い、三世代同居(高齢者との同居率が高い)だったりという理由があるようですが、私はふと思ったことがありました。

ちょうどコロナウィルスが世に出る直前、かなり前に録画した番組を見ました。NHK「関口知宏のヨーロッパ鉄道の旅イタリア編」です。長靴の形をしたイタリアを一か月かけてぐるりと鉄道で周遊する企画でした。

その中で「プラート」という、フィレンツェに近い街を訪ねてのルポが大変興味深いものでした。プラートは 古くから毛織物の産地で、沢山のメーカーがあります。詳しくはこちらを参照。
http://www.iti.or.jp/column026.htm

2000年以降、プラートの繊維産業に中国人が企業を起こし、大量の労働者を中国から呼び寄せ、街は大量の中国人が居住者として住み着いています。

関口さんのルポでも「歩いている人はアジア人ばかりですね」とコメントしていて、よく観光番組で見る「陽気なイタリア人と歴史の国」というイメージからはほど遠いものがありました。

地元で作った生地を高級ブランドで売ろうとしているイタリアと廉価で粗雑な中国製品、しかしそれはmade in Italyとなる。イタリア国内で、イタリアと中国のコミュニティの融合が求められると、参照したサイトでは語られています。 プラートの商工会議所に登録している中国人企業は5000社(2012年) もあるそうです。

プラートと最初にコロナウィルスが蔓延したロンバルディア州は電車で2時間半ほど離れていますので、直接的な関りはないのかもしれませんが、イタリアの中に大きな中国人産業地域があり(それはチャイナタウンという規模ではなく)、おそらく中国人が頻繁に中国とイタリアを往復していると考えると、まったく全然ないのかなぁという気もします。ロンバルディア州の大都市は、大きな空港があるファッションの街ミラノ。中国からの直行便もある。

なんてことをGooglemapを見ながら考えていました。関口知宏さんの番組を見ていて、少し気になる回だったのはコロナの前触れだったのかも。

私、こういうことが多いんですよね。