起業という副業

朝のテレビ番組で、最近副業詐欺が多いという話題に触れていました。特に傾向として ネットを使ったものが増えているとのことでした。このことについて、私も思うところ があるので、取り上げてみようと思います。

ネット上にはスマホで簡単に7日間で20万円稼げるなどのキャッチフレーズであちこちの サイトなどがありますが、そんなに簡単に1週間に20万円が手に入るなら自分でやって人には教えませんよね。ともあれ、昔のマルチ商法などの代わりに、ネットを利用したものが増えてきているとのことです。

私が気になっているのが、詐欺ではありませんが、〇〇カウンセリング、××コーチングと いったものがネットに沢山出てきているなと思われることです。どんなことをするのかしらと思ってブログやサイトを見てみると、どれも似たようなものばかり。

写真館で撮ったと思われる、片方の肩をぐいと前に出して、にっと歯を見せて笑っている写真がプロフィールに載っている。

うつ病から脱した経験を生かして、同じ病にある人を救いたいと思い、(これがACだったり、モラハラだったりいろいろ)、××認定コーチングを3カ月受講し、ついにネットで起業。限定10名様を無料でコーチングとか。有料のものは結構なお値段設定で、1時間2万円とか。私が知っている有名臨床心理士のカウンセリングは2万円ですから、それと同等の金額をとるカウンセリングやコーチングって、どんだけすごいんだろう。

しかもそれは面談ではなく、スカイプや電話。つまり相手の顔は見えない。見えない相手との会話は情報量が限られますから限界があります。表情、顔色、服装、匂い、目の動き、髪型等々、見た目の情報がないままのカウンセリングやらコーチングはとんでもなく難しいと思います。それを「3カ月××認定のテキストを勉強した」方々はどうされているのかしら。

料金については、金額が高いほど受けた人の満足度が高くなる傾向があるというのが、 この業界で言われているとのことです。ひとり単価を高くしないと、労力の割にもうからないし、高く設定した方がカウンセラーの価値が高く見えるからだそうです。これは「ネ ットで起業するコツ」を書いたサイトで読みました(笑)

「最初は安くして、固定客がついたら値上げをする」というのも常道ながらありました。そのサイトでは「ネット起業した人はさほど儲からないが、『こうすればネット起業で儲かる』というセミナーをしている人は儲かっている」とも書いてありました。うん、そうなんだろう。

そしてそういうカウンセリングだかコーチングのブログを見てみたら、「いいね!」が100 件以上もついている。「え?このカウンセリングだかコーチングだかでまだ1年しか経験のない人がそんなに人気なの?」と思って「いいね!」を付けた人を見てみると、

「ほとんど全員同業者」

ほとんど全員ネットでコーチングやら、カウンセリングやら、ヒーリングやら、占いやら、ビジネス指南やらネットで商売をしている方たちでした。個人の方もどうやら「私のブログに来てね」系。つまり「いいね!」が無料宣伝リンク場となっていました。ということはこのカウンセリングだかコーチングだかしている人も、毎日の日課としてこの100件以上のブログを読みもしないのに(たぶんそんな暇ないだろう)「いいね」をつけて回っているということか。うん、それも大切な【営業】なのだろう。

昔の「最初に勤めたところに定年までいる」というビジネスモデルはもう崩壊しつつあります。大企業のトヨタでさえ「終身雇用は無理」と言い、「生活の面倒は見られないから 自助努力を」と大手の会社も副業を解禁してきています。

一か所がダメになっても、 副業があれば気持ちも家の経済も楽です。その矛先がネット起業になり、カウンセリングやらコーチングやら、始めるのにさほど資金と時間がかからないものに向いているような気がします。ただ、その料金に見合ったカウンセリングやコーチングなのか。

「そんなに儲からなくてもいいの。ちょっとした家計の足しに」というつもりでネット起業している人も多いでしょう。その昔、「アムウェイは買う人より売る人の方が多い」と言われたものですが、ネットでのコーチングやカウンセリングもその道かなぁと思っています。でも、コーチングやカウンセリングは傾聴とは違います。ただ聞いていればいいというものではありません。そこは大丈夫なのか。

副業 在宅 カウンセリング というキーワードで検索すると、すぐにでもカウンセラーになれそうなことを書いているサイトがヒットします。カウンセラーになるのはいいですが、私はそういう人のカウンセリングは受けたいとは思わないけどなぁ。お金がもったいない。