ひとりは闘病後、遺児を残して亡くなりました。あとの二人は自死でした。これは私だけなのか、みなさんもそうなのかはわかりませんが、私の周りには自死した方が結構多く居て、数を挙げれば両手でも足りないくらいです。大体親戚筋もいるし、直接の友人もいるしで、自死は私にとってそれほど遠くない出来事なのです。
みんなそれぞれに事情を抱えていて、その事情を聞けば「そこまで落ち詰められていたんだ」とか「え!そんなことになってたの?」とか思いはいろいろありますが、何にせよ、まだ20代の自死というのは痛ましいものがあります。
突然ある日、ママ友の子が亡くなったということを子どもから聞きました。「え!」と驚いて別のママ友Aに連絡を取ると詳しい事情を教えてくれました。自死している子どもを発見したのはママ友本人でした。その時の光景を想像すると、これはママ友の心が壊れてしまうと思いましたので、あらゆるつてをたどってグリーフケアをしてくれる団体を探し、ママ友Aに伝えました。その時私は団体の責任者の方と電話で話をしましたが、子どもを自死で亡くした方のケアは非常に難しく、長い月日が必要となること、現在も同団体で子どもを自死で亡くされた方のグリーフケアを続けている方がいるとのことでした。
主がいなくなって更新されることがなくなったその子のfacebookを読むと、亡くなる前に何度も「故郷(地元名)に帰りたい、帰りたい」と書いてありました。私の子も「帰りたい」と言いますので、彼らにとって故郷は本当に蜜のような甘くて心地よい場所なのだと思います。
でも私の子どもが「帰りたい、でも帰れない」というように、故郷にはもう、若い世代を受け入れる体力がありません。働く場所もない、子どもが産まれても、その子を消滅可能都市で育てるのが果たして正しいのだろうか、今のうちに大都会へ移った方がよいのではと、子どもは相談を受けるそうです。
エリートになりたいとか、ガンガンお金を稼ぎたいとか、彼らはそんなことは望んでいません。工場のラインに並んだり、スーパーの品出しをしたり、保育士さんになったり、そして家庭を築き自分が学んだ小学校へ子どもを入れる、たったそれだけのことが今は難しくなっています。
もうひとりの子、カスミちゃんについては、細かく書けば短編小説ができるほどの思い出があります。その当時はわからなかったけど、カスミちゃんのお母さんは多分DV被害者だったのだろうと思います。