夢見る時

「幸せ!ボンビーガール」のページで紹介されているゆうさんもそうでしたが、上京ガールたちの夢は「シンガーソングライターになりたい」「芸能マネージャーになりたい」「コスメショップの店員になりたい」など、キラキラの夢を持っています。この番組の始めでは、ボンビーだったけど今は成功している芸能人が紹介されます。それは「今にきっとあなたも夢が叶うよ」とメッセージを送りたいのだろうけれど、たぶん多くのガールたちは夢破れるのだろうなと、テレビを見ている人のほとんどは思うでしょう。

旧windに書きましたが、私の子がまだ高校生の頃、見果てぬ夢ばかりみているのにイラついて、心理学の研究者の方へ愚痴をこぼしに行ったことがあります。先生は「子どもだから夢を見るんです。それが無理だと気がついたら、また別の夢を見る。そうやって子どもたちは、現実とすり合わせることを覚えていくんです」

そうだな。上京ガールたちもきっと夢から実現までは遠いことに、いつか気づく時がくるだろう。そうしたらまた別の夢をみたらいい。でもその時に、自分がコテンコテンになるほどの傷を負わなければいいなと思います。若い人の無防備な一筋さは、怖いほど危うい。立ち上がれない程の傷を負わないよう、この道しかないという鋼の意思のそばに、ふわっとした逃げ場も用意しておいてほしい。

いや、もしかしたらそんなおばちゃんの心配なんか吹っ飛ぶほど、今のガールたちは結構したたかかもしれない。そうであってほしい。

いつだったか、上京ガールたちのその後を追った回がありました。その中のひとりは、やはり夢破れて東京を離れていました。でも「東京を甘く見ていました。でも、もう一度リベンジします」というガール。次は用意周到にね。

3月のせいか、大型キャリーを引いて歩く人が多く見られます。私は11年めの東京生活になります。