今更ながらに「ジュリアン」-お勧め映画

「ジュリアン」というDVを扱ったフランス映画がとても業界で高評価だったので、見てみたいと思いながらズルズルと来てしまいました。

この度一念発起をしてU-NEXT(ユーネクスト)で見てみました。

U-NEXT(ユーネクスト)ではただいま31日間無料お試しキャンペーンを行っています。

DV家庭から逃げ出した母とジュリアンとその姉でしたが、裁判所で無理やり面会交流が決まってしまいました。辛い面交中、父は裁判所での優しい顔からがらっと変わってジュリアンを脅します。

そしてそして。。。ホラーサスペンスよりもよっぽど怖いラストの展開になります。ドキドキで最初から最後まで気が抜けるところはありませんでした。

これはフランス映画。フランスもなかなか大変そうです。

せっかくU-NEXT(ユーネクスト)で1か月無料なのだから、他のものも見てみましょう。

「サンドラの小さな家」
アイルランドで同じくDV家庭の面会交流のお話です。母は毎週子どもを相手の家まで送って行かなければなりません。遠いのでガソリン代がかかり、貧しい家計を圧迫します。

森の中に小さな家を建てようとする彼女を応援してくれる人たちも現れ、明るい兆しが見えたのですが。。。

あれだけはっきりしたDVの証拠があるのに、それでも無理やり面会交流させられるのですね。「DVは考慮する」は信じちゃいけませんな。

「はじまりの街」
イタリア映画。息子とふたりでDVから逃れて新しい生活を始めますが、息子が傷ついた心をカウンセリングをするのに、父親のサインが必要でした。。。

海外は進んでいると思っていましたが、そうでもないようです。

それぞれの映画にショッキングなシーンがありますので、まだ回復されていない方は無理しないでくださいね。

調停で書く陳述書ー避難応援プロジェクトから

避難応援プロジェクトの残席が残りわずかになりました。参加を予定されているかたはお早目のお申し込みをお願いします。

さて、避難応援プロジェクトではネットや本では得られない情報がありますが、そのひとつ。調停で裁判所に申請する陳述書についてです。

申請書には小さな枠に「なぜ離婚調停を申し込んだのか」について書く欄があります。ただ、本当に小さな欄なのでこれでは収まりきらないことがあります。

#収まりきらないですよね!!

そこで別用紙に「陳述書」というものを書いて裁判所に提出するのですが、この陳述書は長いと裁判官や調停委員が読んでくれないことがあります。

というよりも、読んでくれない可能性の方が高いかもしれません。

モラハラ禍に遭う方たちはみなそれぞれ大変な苦難を抱えて生きてきましたが、それをエピソードが並んだ文章にするととても長くなるのです。そして人によっては「ただの愚痴を書いているだけ」と思う人もいます。

そこでお勧めなのは1枚にまとめることです。「1枚じゃとても収まりきらない」と、1枚にびっしり書くのも逆効果です。この頃インターネットの文字が大きく、間隔も広くなっているのにお気づきだと思いますが、見ている人が読みやすいような体裁をとるようにこちら側も進化しているのです。それでなくとも調停委員は年配者が多く、小さな文字でぎっしりと書いたものは見ただけで読む気が失せます。

さて、A4の紙に書くのは箇条書きで多くても10項目程度。夫との生活を並べましょう。

<例>

1 夫はいつも私を見下し、高圧的な態度で接します。
2 そんな夫に対して、恐怖で夫が帰る頃に震えがきます
3 夫はきょうだいに差をつけ、いつも弟ばかりかわいがり、姉につらくあたります
4 夫は些細なことで機嫌を悪くし、無視を長期間続けます
5 私は結婚前は健康でしたが、結婚後すぐに抑うつ状態になり、心療内科に通っています

こんな感じのものを作りましょう。これで相手はどのような状態なのかが一目でわかります。実際にどのような生活なのかは調停の中でお話すればいいのです。

DVを知らない人の考えること

先日ある場で男性とDVの話になりました。彼はDV被害を訴える女性とその夫との間に入っているとのこと。幸い離婚に向けての話し合いになっているとのことですが、彼がひとこと。

「夫にはちゃんと自分のしていることをわからせた方がいいと思うんだ。彼のしていることはDVだとしっかりと認識させようと思うんだ」

「えーー、それは無理と思う」(私)

「誰かが言わなきゃいけないでしょ。このままにしちゃいけないでしょ」

「彼が本当にDVの加害者なら、自分を省みることはできないですよ。もしそれをしようとするならDV更生プログラムを行っている専門家へ案内するのが一番いいですよ」

「いや、ちゃんと心を込めてきちんと話をすれば人間だもの、わかるはずだよ」

心を込めて第三者が話せばDVが止むなら苦労はしない。世界中の専門家が加害者更生の研究をしているのに、素人が「あなたはDVをしている。やめなさい」と言ったらはっと気づいて以後真人間になったら、これはもう降臨ものだと思う。

彼から「やらない前に『無理だ』と言うのはいかがなものか」と非難の眼差しを向けられてしまいまして。

世の人たちのDV理解ってこの程度なのねと、今更ながらに道のりは遠いと思い知ったのでありました。

自分のことしか考えない人

パブにいつもお助けのラッパ水仙さんの素敵な書き込みがありましたので転記します。

もし、彼が本当にモラハラ夫ならば、彼が愛して大切にしているのは自分だけです。
同時に、彼らの行動のすべてが【わざと】【嫌がらせで】やっているとは限らず、
単に【自分のことしか考えていない】結果であることも多いです。

そうなのです。うちのモラ夫は相手にダメージを与えるため、自分の機嫌をそこねたらこうなるんだぞという見せしめ、罰、威嚇のためにモラハラのツールを繰り出すことが多かったのですが、母の場合はまさにこれ。

自分のことしか考えていない

本人はよく「私は人のために尽くす。人に愛されている」と公言していますが、他人のためにはするけれど、なぜか家族のためにはそれができない。これはおそらく甘えと「そうあるべき」という思い込みがあるからでしょう。

子は母に尽くすもの、母を敬愛するもの、感謝するもの、金銭援助するもの、すぐに助けるもの、愚痴をきくものと思い込んでいるから思ったとおりにことが運ばないと爆発が起こる。

#思い込みって怖い

自分のことしか考えない(考えられない)人は他人のことを考える能力がありません。能力のない人にないものねだりをしても無駄。

モラハラという嫌がらせとしての行為なのか、ただ単に人のことを考えるという能力がない人なのかは割と重要な視点だと思います。当然前者の方が一緒に暮らすのは辛くておぞましい。

後者の方は「無理なのね」と悟ってしまえば期待もしないしあきらめもつきます。母は後者でした。家族関係のこういった行為は家族に対する甘え、当然そうであろうという思い込み(期待)から来るものがほとんどです。

人は変えられないけど自分は変えられる。自分は思い込みをしていないか、振り返ることも必要だと思います。

初めてもらった生活費が養育費

将来の不安があって別居や離婚ができないという方が多いと思います。もちろん私もそうでした。フルタイムの仕事はありましたが、仕事があまり明るい未来がない職種だったものだったせいもあり、やはり不安でなかなか決心がつきませんでした。

ところが離婚後、私に初めての経験がありました。

「働いているわけでもないのになぜか毎月お金が来る」というものです。何しろ結婚してから生活費というものをもらったことがないので、離婚後、養育費が毎月口座に入るのが不思議で仕方がありませんでした。気味が悪いという感じでしょうか。

もちろん数か月で慣れましたが、これは働かなくてもお金が入ってくるというとっても美味しい初めての体験でした。なので養育費が無くなった時はとても寂しかったものです。

ところで私の場合調停で「子どもが18歳になるまで」という取り決めをしたのですが、同じように18歳までとした方はいらしゃいますでしょうか?今は20歳が普通で、双方が合意すれば18歳となっています。私は2003年に離婚していますが、調停委員から「養育費は18歳までと決まっている」と言われました。もし20歳までもらえるなら当然そうしたでしょう。調停委員から「18に決まっているんだ!」と言われ、調停調書にもそう書かれました。本当に18歳に決まっていたのか、調停委員が勝手に合意したとしたのか、今でも謎です。

養育費と婚姻費用

相談員をしていた時によく聞かれたのが「養育費はいくらもらえるでしょうか」でした。これは夫の収入と妻の収入によって導かれる「算定表」が裁判所では用いられます。

ただ、日本の約9割の離婚は協議離婚ですので、話し合いによって離婚した夫婦がどうやって養育費を決めているのかはわかりません。実際に養育費をもらい続けられている人は2割程度と、ずっと前からこの数字は変わっていません。

昔から変わったことと言えば、養育費をもらい続けられるようにと、離婚調停を申し立てるからが多くなったことでしょうか。でも、養育費と同じくらい大切なのは婚姻費用です。

婚姻費用は裁判所に申し立てた月から発生しますので、もし申し立てたのが5月で、調停が始まったのが7月だったとしても5月からの分がもらえます。もし婚姻費用が10 万円ならば5,6,7月の3か月×10万円=30万円になります。

モラ夫は「婚姻費用が高すぎる!」などと言ってなかなか払おうとしない場合がありますが、心配はいりません。ごねた期間の分が積み重なって「未払い婚費」として支払うよう裁判所から言われます。1年間も婚費で争っている場合は12か月×10万円=120万円を支払うように言われます。

もし「お金がない」と言って支払わない場合は分割で支払うように言われます。たとえば未払い分を月々2万円ずつ払うとすると、毎月の婚費10万円+未払い分2万円=12万円が、離婚が決まり、清算が終わるまで続きます。離婚が決まった場合は養育費+2万円が未払いが終わるまで続きます。

つまり妻から離婚を言われた時はゴネゴネしていないでさっさと離婚して、支払うものは溜めずにとっとと支払ってしまった方がいいのです。

愛情とお金

モラ夫の場合、自分の好きなことにはお金を惜しまないけれど、妻子のためのお金は極力使いたくないというのがほとんどです。ですので、妻が化粧品や着るものなどにお金を使うなどはもっての他。服は何か言われないように、決まった服しか着ないという方がいました。

でも、自分が納得するものには大盤振る舞いします。我が家は親戚大好きの人だったので、親戚が来た時は「なんでも注文していいから」と札びらを切ったものです。

それはプーチンスカヤ(母)も同じ。とにかくお金を出したくない。ただ、彼女の場合は年齢(91歳)のせいか、お金がたっぷりないと安心できない症候群になっていて、「お土産」と言って渡されるお菓子は全部100均。

持ってくるだけいいじゃないと言われそうですが、彼女はこれで返礼を求めるので、いわばエビで鯛を釣ろうとしているだけです。だからウクライナの平和を祈りはするけれど、寄付なんかは絶対にしない。「こっちだって大変なんだから」と言っているのが見えるようです。

「モラ夫って本当にケチだよね」と友だちと話をしていたら、彼女がひとこと

”他人の為にお金を使えない人は、他人のために愛情も使えない人なんだよね~”

愛情があるならお金は使えるはずだと。使えない(使わない)のは愛情がない証拠だと。

モラ夫は親戚には愛情があったけど、妻子にはなかったってことですね。

夫がケチモラな方はこれを読んで「悲しい」なとどは思わずに、「そーだったんだ!」と目を覚ましましょう。

2022年避難応援プロジェクト日程発表

今年度の避難応援プロジェクトの日程が決まりました。

7月2日(土)、10月29日(土)時間はいずれも午後2時~4時、場所は東京都内。3回開催にしたかったのですが、2021年度はコロナウィルスのため日程を変更しなければならなくなってしまい、会場手配や参加できなくなってしまう方がいらっしゃったりと、いろいろとバタバタしてしまいましたので、今年はとりあえず2回を予定しました。

内容の詳細につきましてはこちらから

毎回モラハラ家から脱出し離婚も終わっているメンターから体験談を伺う時間を設けていますが、何しろ本当にあったことを本人がお話されるので、大変臨場感あふれるエピソードが伺えます。参加されている方が涙されたり、アドバイザーからも「感動した」の声がしきりです。

一口に避難と言っても様々な形態があります。毎回違う方からのお話なのですが、シェルターを利用された方はあまりおらず、独自で家を探して避難してという方がほとんどです。

その家探しも「ラーメン屋さんが『ここで働いてくれたら部屋を貸してあげる』と言ってくれた」など、なんだか小説になりそうな話題もたくさんありました。その方たちも全員今は穏やかに暮らしています。

前を行く人を参考にして、追いかけてくださればいいなと思っています。そしていつの日か、このメンターの側になって、このプロジェクトに参加していただければいいなと思います。

子どもを使って見返してやる

子どもを連れて離婚した場合、注意をしなければならないのは、子どもを使って評価を上げようとすることです。夫や周囲の人に「だから離婚した女は」と言われないように、子どもにプレッシャーをかける。

子どもを連れて離婚すると、やはり世間の目は厳しくなります。何か事件があると「〇〇は母子家庭で」「親が離婚して」と、ことさらこのことを強調するような報道の仕方をします。だから「離婚すると子どもがグレる」と、なかなか離婚へ踏み出せない方がいまだに大勢います。

母子家庭の子=複雑な家庭の子=性格が歪んでいると見る人たちはいまだにいます。

#両親がいても歪んでいる子は山ほどいるけど。仮面夫婦の家庭内別居の家から「歪んでいる」なんて言われたら、目くそから笑われた鼻くその気分(-_-メ;)

人からなんと言われようと気にしない、我が家には我が家の幸せがあると心の根本から思わないと、人の言葉に引きずられ、結局は誰も幸せにならないということになります。人の家のことをあれこれ言って優越感に浸っている人は、必ずどこかに劣等感を抱いています。劣等感を持たなければ優越感もない。

たおやかに生きていくには人と比べないこと。自分が気持ちよく生きられる生き方はどこにあるか。割と近くにそれは転がっている気がします。

久々に夫に腹をたてる

よく講座での質問で「元夫は今、何をしていますか?」と聞かれることがありますが、答えはいつも「知りません」です。元夫とは物理的距離も心理的距離も1億キロメートルほど離れていますので、彼が何をしているかの興味もない。いつも書きますが、初恋の人の面影の方がよっぽど私の中で生きています。

離婚して夫と関わらなくなってもよくなりましたが、唯一関わらずを得ないのが子どもの結婚です。結婚式の時はどうしよーと思いましたが、幸いコロナ禍で結婚式は今はやらず、両家が東京に集まり、祝いの席を設けることになりました。

私はその前にLINEビデオでご挨拶していますので、最初のご挨拶は済んでいます。

コロナ禍になり、この方式のご挨拶が増えているそうです。私がこの方式を採用したのも、知り合いの男性が「相手の親御さんとはZOOMで挨拶しただけ」という話を聞いたからです。手を抜いているわけではなく、相手が東京に来るのも、東京からふたりが行くのも、ご両親にもご両親が住む地域の方の不安もありますから、これがいらぬ心配の元を作らない一番の方法だと私も思います。

私は聞かされていなかったのですが、私がご両親とお会いし、酒宴の席でご挨拶した翌日、夫が遠方からやってきて、同じように祝いの席が設けられたとのことでした。私に気を使ってくれたふたりと、二回に分けなければならないというややこしい家の事情を汲んでくださった相手のご両親には大変感謝しています。

パートナーのご両親は遠方から来られますから、交通費の出費が大きいし、ふたりはそれほど裕福な新婚生活を送っているわけでもありませんので、この席は私が負担することにして、子どもにお金を渡しました。

当然夫も同様にすると思っていました。元夫はケチですが、こと冠婚葬祭などの決め事にはきちんとする人なので、それなりのものを包むと思っていました。

「お父さんからいくらかもらったよね」

「まんじゅう、ひと箱」

「だけ?」

「だけ」

はぁ~?!まんじゅうひと箱でタダ飯食ってったぁ~~~?

思わず声に出ました。

「結婚式の時にやるからなって」

だ~か~ら~、結婚式はコロナでいつできるかわからないってばっ

式ができなくても結婚届を出して、ちゃんと二人で記念写真撮って、こうやって両家を呼んでの会食の場をセッティングしたんだってばっ

こういうことをするのはお金がかかるんだってばっ

なんで結婚式にこだわるんだろう。わけわからん。

よかったよ。やっぱり。わけのわからん生き物と離れられて本当によかった。

久々の意味不明なモラハラルールとの再会でした。