「モラハラからの避難応援プロジェクト」第1回終了しました

以前よりこちらで広報していた「 モラハラからの避難応援プロジェクト~効率よく安全に別居・離婚するための戦略会議」の第1回目が終了しました。

この方式はオープンダイヤログ方式を取り入れたもので、多方面の専門家が集まり、複数の被害者へ避難についてのアドバイスを差し上げるというものです。 個人相談ではないので、一緒に聞いている同じ立場の方からもご自分が知っている情報が披露され、自助グループの集まりの役目もできます。

さらにモラハラ被害者同盟を利用して離婚された方が今回3人駆けつけて来られ、ご自分の体験や持っている貴重な情報をお話ししました。被害経験を語り、今苦しんでいる方に共感することでその人自身も「誰かの役にたてた」という充足感を得られます。

アドバイザーはモラハラに詳しい弁護士や元女性相談センターの主任相談員、東京都相談員研修講師とかなりクオリティの高い方々が協力して下さいました。引き受けてくださったアドバイザーのみなさまに、ただ感謝です。

濃厚で濃密なノンストップの2時間で、息つく暇もなく言葉が飛び交っていました。たぶん参加料5万円のDV離婚セミナーよりも充実した内容だったと思います。再度の参加を申し込まれて行った方もおられました。びっちり詰まったその時間は、まさに「戦略会議」でした。

「避難応援プロジェクト」満席御礼

「モラハラ被害者同盟」が初めて行うイベント、「モラハラからの避難応援プロジェクト」に、沢山の方からご質問やご応募をいただき、10月26日分が満席となりました。当日は私がファシリテーターで、今からドキドキ。

私はNPO法人「レジリエンス」のファシリテーター講座を修了しておりますので、一応お勉強はしているのですが、本番、ちゃんと作戦会議を進められるかしらん。当日応援に来てくださるスタッフの方のお力を借りて、何とか乗り切ろう。

ところで私はツイッターやフェイスブックにアカウントは持っているものの、ほとんどつぶやいたりしてきませんでした。一言多いタイプなので、ツイッターのように簡単につぶやけるものに書き込むと、いらないことまで言ってしまいそうだし、自分の意見は140文字ではなく、きちんと書こうと思っていたので、あまり手を伸ばすことがありませんでした。

先々週日曜、何となくぼそっとツイッターにつぶやいてみたら、たくさん「いいね」やリツイートをいただきまして、ちょっとびっくり、そしてうれしい。

そのツイートです。
https://twitter.com/moraharafix/status/1180656702602932225

本当に何気なくぼそっと言ってみただけなんですが、同じように思っていた方が多かったということなんでしょうか。

私はモラハラを扱っているせいもあり、DVの記事に目が行きがちなのですが、ここのところ、DVの記事が多いような気がします。多いだけでなく、クローズアップされている。それはたぶん、子どもの虐待死事件とDVがセットであることに気づいたからでしょう。

DVサポートをしている人たちはとうの昔から知っていたことですが、こうやって子どもが悲惨な亡くなり方をしたことで、DV(配偶者間の暴力)は子どもも犠牲者になるのだと言うことに、やっと目が行くようになったということになります。配偶者だけなら「その相手を選んだ自己責任」と言う人がいても、子どもが亡くなるとなると、ちゃんと向き合ってくれるということでしょうか。

ちょっと不満ではありますが、そこからまた見えてくるものがあるでしょうから、今のところは良しとします。

それならDV調停、裁判も均一にして

目黒で5歳の結愛ちゃんを虐待して殺した父親の判決が15日、ありました。台風のニュースに多くの時間が割かれる中、私もネットニュースしか見ていません。求刑18年に対して13年の判決は、ある弁護士に言わせると「2割3割引き当たり前」であり、売り買いの駆け引きの時に、最初に大きい数字を言い、値引きで落とすやりかたと同じですね。

主犯が13年で、積極的に助けなかった母親が8年。精神的DVは一応考慮されたようですが、実際にやったことに対してそれしか差がないのかと思います。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191015-00000594-san-soci

この記事の中に量刑傾向というものがありました。このくらいの事件ではこの程度の量刑というものが大体決まっていて、それ以上の量刑を科すには、それなりの理由づけが必要なのだそうです。感情で数字を出してはダメ、というのは理解できるし、裁判員も「もっと多くの量刑をとは思った」けれど、妥当な線で決めたようです。

同じような犯罪なのに、あっちとこっちで量刑が著しくばらつくのはそれは不公平というものです。ですが、DV調停や裁判のお話をたくさん伺い、裁判所という、本来公平であるべき場所で、かなりのバラツキがみられることに慣れきってしまい、もはや「裁判所とはそういうもの」「調停委員、裁判官で大きく差があり、すべて運」と諦めの境地にいる者にとっては、「そこは公平なんだ」と首をかしげてしまいます。

ただ事件後、沢山の資料を読みましたが、母親には力強い支援者がたくさん寄り添い、今後も継続して支援が受けられるであろうことが予想でき、それはこの悲惨な事件の中で唯一明るい光を感じました。

被害者には支援者が必要です。被害者はひとりでは立ち上がれません。方向がわかりません。多くの支援が望まれます。

台風バタバタ

数十年に1回の大型台風が着々と接近中です。昨日夕方コンビニに行ったら、パンの棚がからっぽ。たぶん他の人が一生懸命買っているのをみて、釣られて買った人とかいるんじゃないでしょうか。「買っとかなきゃいけない!」とか焦って。

うちは普段の非常備蓄があるので、特に買いだめとかはしてません。お風呂に水を張って、飲み水用にポットや水筒に水を入れておいた程度でしょうか。必要ないものは置かないと決めて、捨てようかと思っていた、昔子どもが部活で使っていた1リットルは入るポットが役に立ちました。これ、こういう時に役立つから、捨てないでおこう。

カセットコンロはもはや非常用必須アイテムになりましたね。私は2000年騒動の時に(覚えてますかー?)買って、それ以来特にお鍋の時期に重宝しています。もちろん予備カセットもがっつり。今はキャンプ用に小さくなるカセットコンロとかあるみたいですね。
https://amzn.to/2MaypeE
こんなのとか。

モバイルバッテリーは普段でも使っているので問題なし。チャージはバッテリー開発をしている友人が「電気は生ものだから、使っていないと腐るんだ。非常時は蓄電より発電だ」と仰るので、手回し発電&ラジオ&懐中電灯を買ってあるので、これからせっせと回して蓄電します。これ、結構疲れるけど、仕方がない。
https://amzn.to/2pdCCp1
これを買ってみました。

あ、初めて窓にバッテンの養生テープを貼りました(笑。
家屋は鉄筋コンクリートでできている建物なので大きな被害はないと思うのですが、前回の台風で知人のマンションの窓に飛来物が激突して割れたというのを聞き、それはありうることだと思ったのでやってみました。お向かいの家はただのバッテンではなく、ユニオンジャック型の頑丈なガード。

集合住宅なので、トイレの水が流れないと困ると、非常用トイレ(100均で購入)も備蓄してあるのですが、猫トイレが人間でも使えるとのことで、これで代用します。

台風は地震と違って準備ができるので、パニックということはないのですが、それは大都会東京にいるからだと思います。地方の戸建てに住まわれている方、自然と共存して住んでいる方の恐怖感は計り知れません。今晩がヤマ。どうぞみなさま、お気をつけて。

「避難応援プロジェクト」に弁護士が参加!

今年度3回開催する避難応援プロジェクトに、弁護士がアドバイザーとして参加することが決定しました!避難に法的アドバイスは欠かせないですから。しかもモラハラ事案にバリバリ精通している弁護士ですから百人力!

絶対これは落とせない準備!とか、モラ夫からの攻撃をかわすワザなど、座席が近い距離からなので、和気藹々でお話しできます。来年開催分の予約も受け付けていますので、お気軽にどうぞ!

The Great Escape

以前よりお知らせしていた 「モラハラからの避難応援プロジェクト~効率よく安全に別居・離婚するための戦略会議」 が 「令和元年度 東京ウィメンズプラザ配偶者暴力防止等民間活動助成事業」 に無事に認定されましたので、講座を3回行うことになりました。モラハラ被害者同盟が初めて行う単独のイベントです。

詳しくはこちらをどうぞ
https://morahara.cocoon.jp/project.html

これは電話相談を受けているとき、「被害者の方にはこういうのが必要だなぁ」とずっと思っていたことです。「避難したいけど、何から手をつけたらいいかがわからない」と仰る方が大勢いて、具体的な道筋を示すことをして差し上げられたらいいなぁと歯がゆい思いをしてきました。

プロジェクトではモラハラに精通している弁護士、実際に行政で支援をしている支援員、すでに避難を終わった元被害者の先輩方がご自分たちの経験をお話しします。このメンバーをそろえられるのは16年活動しているモラハラ被害者同盟ならではと自負しています。

チラシに「The great escape」とつけたのは、私の思い入れがあります。たぶん知っている方は「あ」と思われたと思いますが、 「The great escape」 とは1963年に公開されたアメリカ映画「大脱走」のタイトルです。 スティーブ・マックイーン や チャールズ・ブロンソンなど、オールスター映画として大ヒットしました。

第二次世界大戦中、ドイツ軍の捕虜収容所から大量の捕虜が脱走します。その脱走のために練られたのは綿密な脱走作戦でした。何しろ捕虜の中には仕立て屋、帽子屋、建設屋、証明書偽造屋といったプロが大勢いましたので、彼らは建設屋が作った製図を元にトンネルを掘り、脱出した後一般市民の中に紛れられるよう一人ずつ帽子屋や洋服を作り、証明書を偽造し、掘ったトンネルを這って鉄条網の向こう側に出て逃げ延びたのです。その数76人。

それは痛快な映画でした。よもや逃げられるとは思っていないかったドイツ兵の鼻を明かし、大量の捕虜が脱出するわけですから。モラハラ家庭からの避難も同じです。よもや自分から逃げるとは思っていなかった夫から、周到に計画をたてて脱走する。夫が家に帰ってきたら、家はもぬけの殻。

映画と違うところは、脱走した後、鼻を明かされたドイツ軍が執拗に追いかけ、捕まえられたり銃殺されたりしますが、ここは現代社会。そのようなことはありません。人は法律で守られ、母子家庭への支援もあります。

このプロジェクトに参加したら、あなたはひとりではないことが実感できると思います。ひとりで悩んでいるよりも、みんなで一緒に考えていきましょう。あなたの新しい人生の第一歩を、専門家や経験者の力を借りて、共に作っていきましょう。

なんだか腹立たしい

東京目黒で起きた虐待事件の判決が9月17日にありました。
https://www.sankei.com/affairs/news/190917/afr1909170021-n1.html

昨日の目黒虐待事件では、心理操作が判決の大きな争点となり、 一部ではありますが、それが認められたのは大きかったとは思います。 ただ、私の中ではどうもしっくりきません。

裁判官の「相手の意に反して食べ物を与えたこと、離婚してほしいという意思を伝えられたことは心理操作されていたとは言い難い」という言葉は、この間の性犯罪被害者に「女性が抵抗不能な状態とまではいえない」のと同質のものを感じます。

ほぼロボット状態になっているが、「ほんの少し子どもに食べ物を与えた、よって完全に相手の 言うことを聞いてないから心理操作されてはいない」とは、ずいぶんな物言いではないでしょうか。

100%完全に支配されていたら、子どもに食べ物を与えず、もしかしたら夫の暴力に加担していたかもしれず、その場合は野田市の事件のように完全なる共犯者となる。共犯者にならなければ心理操作されていたと認められないのか。子どもを殺したら心理操作と認められるのか。

完全に支配されて共犯者になった場合と、今回のように少し意思があった場合と、どちらが罪が重くなるのだろうか?

目黒女児虐待死について

子どもの虐待事件は痛ましく、新聞記事も大きな見出しで「子どもが虐待で死亡した」と書いてあれば、私はもうその記事はもう読めません。これは以前にも書きました。ということであまり事件のことは知りませんでしたが、私はこの事件は報道されたときに「早朝から勉強を強いられていた」ことや、「べんきょうをがんばる」という手紙があったことで、「教育虐待の末に子どもが亡くなった」と思っていました。

しかも昨年6月、たまたま行った映画と講演のつどいでパネラーだった高名な方が「このような家庭はどこにでもある」と述べられていたので、親の身勝手な願望で教育虐待を受けていた子が死亡したとしっかり思っていました。

https://dual.nikkei.com/atcl/column/17/101200003/061800120/?P=1

ですので母親が逮捕されたことも知らず、公判が始まって初めて「DV」、それも母親は夫からの精神的DVによって支配されていたという構図であることを初めて知りました。

些細なことを持ち出しては説教する夫に「あなたの貴重な時間を使って怒ってくれてありがとうございました」 と反省文を書いているのを見れば、その支配は相当強いものだったと思います。これについては武蔵大学の千田有紀先生が詳しく書かれています。

https://news.yahoo.co.jp/byline/sendayuki/20190911-00142144/

野田市の事件とまったく同じ構図の子どもの虐待死で、母親の責任が追及されています。裁判所にマインドコントロールを受け支配された場合、人はどのような思考になっていくのか、これは家庭内のことに限らず、どんな事件でも応用できる理論だと思うのですが、どうも裁判所は理解することに消極的なようです。

野田市の時は「母親なら身を挺しても」という一般社会の常識で、母親に求刑を上回る判決がでました。父親がいなかった時は穏やかに暮らせていた母子なのに、父親と同居したとたん、母は常に夫の顔色を窺って何もできなくなったのはなぜなのか。

母親の供述の中に何度も「機嫌が悪くなるので」という言葉が出てきて、その状況がわかるだけに、じれったい思いがあります。判決は連休明けの17日です。

まだ夫と一緒に暮らしている方たちは気の重い2週続きの連休と思います。モラハラ家庭は死に至らなくても、同様の出来事があるはずです。今一度、子どもへの影響を考えてみることも必要かと思います。

す、すみませ~ん

新規事業について、まだ東京都から連絡がありません。ということで、まだ何もお伝えできることがないことをお伝えしなければなりません。

代わりまして、私の電話相談9月以降のスケジュールを出しましたので、ご希望の方はお申込みください。私も仕事をしながらなので、平日に電話相談をすることができず、ご不自由をおかけしております。すみません。。この後は、12月頃かなと思っています。リピーターの方もおられますので、お茶のみ気分でお気兼ねなくどうぞ。

新規事業、もうちょっとお待ちくださいませ

8月末に新規事業の有無のお知らせをしますと告知しましたが、今のところ決定の通知はありません。ただ、東京都から「順調に進んでいます」のお知らせがありました。ということで、新規事業が行えるかどうかはまだ発表できません。「順調に進んでいる」ということは期待してよろしいのではないでしょうか、ね?

この事業は 「モラハラからの避難応援プロジェクト~効率よく安全に別居・離婚するための戦略会議」 という長~い名前がついています。このタイトルにするために紆余曲折がありました。

モラハラ被害者同盟では家庭内のモラハラしか扱いませんが、モラハラはどこのコミュニティでもあります。特に多いのは職場です。私は時々講座に呼んでいただきますが、そこに参加された方にアンケートをとると「職場のモラハラについて知りたかった」というご意見をいただきます。チラシ等には「家庭内のモラハラ」と書いてあるのですが、お読みにならなかったのか、ただ「モラハラ講座がある」とだけ聞いて来られたのか、それははっきりしないのですが、とにかくがっかりされて帰られます。

これをまず避けねばなりません。そこで「離婚の」と入れました。いくらなんでもこれで職場とは思わないでしょう。ただ、「離婚はまだ考えられないが、でも離れたい、別居したい」と仰る方が多くいらっしゃいます。そこで「別居・離婚」となりました。

また、本当は「DVからの応援プロジェクト」としたかったのですが、電話相談を受けていると「母からのDV」「姉からのDV」と仰る方が時々います。日本では言葉で区分けしていて、DVは配偶者や恋人間(DV防止法のからは外れる)などを指しますので、「母からのDV」という言葉自体存在しないのです。では母からのモラハラは何というかと聞かれたら「母からの精神的虐待」でしょうね。これが18歳未満の子どもだったら「児童虐待」になりますが、大人だったらただの「虐待」でしょうか。

よってこのような誤解されそうなDVという言葉は避けてモラハラにしました。「モラハラ」「離婚」です。あまり精神的ケアという部分はサポートできないかと思います。精神的ケアが必要な方はしかるべき所をお訪ねください。ただ、方向性が見えれば精神的に不安は相当無くなると思いますよ。

アドバイザーは行政や民間で実際に被害者支援にあたっている担当者が、離婚後の生活の不安なことなどについてのご相談に応じます。そしてなんといっても今回の目玉は実際に被害に遭われ、離婚調停、裁判を経て避難離婚された方たちがアドバイスすることです。これは被害者が集うモラハラ被害者同盟ならではの布陣だと自負しています。

この事業を電話相談の方にお話ししたところ「これはまさに戦略が必要です」と仰いました。行き当たりばったりではどこかでつっかえます。その不安をこの相談会を利用して取り除いてくださいね。

って、まだ開催決まってないんだけど(笑