調停で書く陳述書ー避難応援プロジェクトから

避難応援プロジェクトの残席が残りわずかになりました。参加を予定されているかたはお早目のお申し込みをお願いします。

さて、避難応援プロジェクトではネットや本では得られない情報がありますが、そのひとつ。調停で裁判所に申請する陳述書についてです。

申請書には小さな枠に「なぜ離婚調停を申し込んだのか」について書く欄があります。ただ、本当に小さな欄なのでこれでは収まりきらないことがあります。

#収まりきらないですよね!!

そこで別用紙に「陳述書」というものを書いて裁判所に提出するのですが、この陳述書は長いと裁判官や調停委員が読んでくれないことがあります。

というよりも、読んでくれない可能性の方が高いかもしれません。

モラハラ禍に遭う方たちはみなそれぞれ大変な苦難を抱えて生きてきましたが、それをエピソードが並んだ文章にするととても長くなるのです。そして人によっては「ただの愚痴を書いているだけ」と思う人もいます。

そこでお勧めなのは1枚にまとめることです。「1枚じゃとても収まりきらない」と、1枚にびっしり書くのも逆効果です。この頃インターネットの文字が大きく、間隔も広くなっているのにお気づきだと思いますが、見ている人が読みやすいような体裁をとるようにこちら側も進化しているのです。それでなくとも調停委員は年配者が多く、小さな文字でぎっしりと書いたものは見ただけで読む気が失せます。

さて、A4の紙に書くのは箇条書きで多くても10項目程度。夫との生活を並べましょう。

<例>

1 夫はいつも私を見下し、高圧的な態度で接します。
2 そんな夫に対して、恐怖で夫が帰る頃に震えがきます
3 夫はきょうだいに差をつけ、いつも弟ばかりかわいがり、姉につらくあたります
4 夫は些細なことで機嫌を悪くし、無視を長期間続けます
5 私は結婚前は健康でしたが、結婚後すぐに抑うつ状態になり、心療内科に通っています

こんな感じのものを作りましょう。これで相手はどのような状態なのかが一目でわかります。実際にどのような生活なのかは調停の中でお話すればいいのです。

小さな頃の養育の大切さー映画「Lion」から

こちらの続きです。
この映画はいろいろと考えさせられる問題が随所にあります。そのひとつに5歳の頃に迷子になってしまったサルーと、その後同じようにインドから引き取られた子ども(推定8~9歳)と一緒に、オーストラリアの家で育てられます。

ただ、サルーは貧しくても愛情たっぷりの母やきょうだいがいたのに対して、後から引き取られた子どもはそうではなかったようです。

何かあると火がついたように興奮し泣き叫び、自傷します。それはこの家に来て安心と愛情にあふれる生活になっても変わりませんでした。この子がこうなるまでにどれくらいのできごとがあったのか、どんな生活をしていたのか。

インド系独特の射るような眼差しが恐怖と怒りに変わり、自分を殴打し続ける。自傷するだけでなく、自分の人生も破壊し続け、養父母を悲しませます。映画の最後になってもそれは変わりませんでした。

幼いころの養育によってふたつに分かれた子どもの人生。それほど幼育期の環境が子どもに及ぼす影響が大きいということです。

インドは子どもが多いから、ひとりくらい居なくなってもそれほど大騒ぎにならないという話もあります。実際にこの映画の最後に「インドでは毎年8,000人の子どもが行方不明になる」というクレジットが流れます。

でも、サルーの母はいつ行方不明になったサルーが帰ってきてもいいようにと、決して住んでいた場所から離れませんでした。サルーは貧しくとも愛情にあふれた家庭に育ち、子どものいない家の養子として手厚い養護が受けられた、八千分の1の幸運な子どもでした。

映画の最後にインドに住むサルーの実母にオーストラリアの養母が会いにいく実写フィルムが流れます。

サルーは現在インドで孤児院を営み、インドの孤児をオーストラリアに養子縁組する活動をしているそうです。

映画「LION/ライオン 〜25年目のただいま〜」とGooglemap

先日BSNHKの「LION/ライオン 〜25年目のただいま〜」を何気なく録画をしました。そういえばこのタイトル、旅行した時に飛行機の中のエンタメであったのですが、「ライオンと人間との交流の映画かしらん」という無知も甚だしい思い込みで見ることはありませんでした。

もし飛行機の中で見ていたらウルウル号泣したかも。

また見たことのない方にお知らせしますが、この映画にライオンは出てきません。動物の映画ではありません。確かに最後に「そうだったんだ!」とわかるタイトルではありますが、興行的にはあまりこのタイトル、よくなかったじゃないかしらん。知らない人が聞いたら絶対に動物物だと勘違いする。

5歳の時に迷子になって親と離れてしまったインドの少年が、オーストラリアに養子として引き取られ、そこで手厚く育てられたけれど、自分はいったいどこに住んでいたんだろうというアイデンティクライシスになってしまい。あの時迷子になって、母や兄はきっと自分を探していると思いつめ、Googlemapを使って母を探すという、今様「母を訪ねて三千里」のお話でした。

そして今回はこのGooglemapのお話です。

私はもうGooglemapは手放せません。どこに行くにもmapを起動させてそこで示す場所をめがけてうろうろします。

でもどうしてああ「現在地を示す赤い点」がふわ~~っとあっちに行ったかと思うとまたふわ~~~とこっちに来たり、落ち着かないんでしょうね。

そして困るのは「北東に進みます」という音声。

私は鳥ではない。

磁石は持っていない。

北東ってどっち?

なので進路を誘導する画面ではなく、行く方向へポイントが動く画面で目的地を探します。たぶんそれほど街が大きくない地方ならばこれでよいと思いますが、何しろ東京は建物が多い。目的地の前に立っていても気がつかないことがあります。

#看板は上を見ないとわからなかったりするんだもの

海外に行く時は必ず前もって目的地にピンを打っておきます。特に私が泊まるところは大きなホテルではなくゲストハウスや民家だったりして看板がないか、あっても小さくて目立たなかったりするので、これは必須の作業。

そしてストリートビューに切り替え、画面であたりをうろうろして駅からの道順やスーパーを探したりします。実際に行くと写真で工事中だったところがまだ工事をしていたりして、「何年工事をしてるんだろう」と呆れたり、このお店に行ってみようと旅の前の楽しみをふくらませます。

一番しんみりするのは、以前住んでいた場所をストリートビューで見ること。自分の住んでいた家の周辺をぐるっと散歩したりします。

2、3年前までは私が住んでいた時の写真だったのですが、今は新しい住人の方の風景に替わってしまいました。もう私が子どもを育てていた家ではなく、植木も変わってしまっています。家を手放すとはこういうことなんだなとしみじみ寂しく思います。

こうやって自分が行かなくてもその場所に行けるGooglemap。

5歳だったインドの貧しい少年が25年後、Googlemapで自分の記憶を呼び戻しながら母ときょうだいの元に帰るという、21世紀の奇跡の実話が「Lion」だったのです。

DVを知らない人の考えること

先日ある場で男性とDVの話になりました。彼はDV被害を訴える女性とその夫との間に入っているとのこと。幸い離婚に向けての話し合いになっているとのことですが、彼がひとこと。

「夫にはちゃんと自分のしていることをわからせた方がいいと思うんだ。彼のしていることはDVだとしっかりと認識させようと思うんだ」

「えーー、それは無理と思う」(私)

「誰かが言わなきゃいけないでしょ。このままにしちゃいけないでしょ」

「彼が本当にDVの加害者なら、自分を省みることはできないですよ。もしそれをしようとするならDV更生プログラムを行っている専門家へ案内するのが一番いいですよ」

「いや、ちゃんと心を込めてきちんと話をすれば人間だもの、わかるはずだよ」

心を込めて第三者が話せばDVが止むなら苦労はしない。世界中の専門家が加害者更生の研究をしているのに、素人が「あなたはDVをしている。やめなさい」と言ったらはっと気づいて以後真人間になったら、これはもう降臨ものだと思う。

彼から「やらない前に『無理だ』と言うのはいかがなものか」と非難の眼差しを向けられてしまいまして。

世の人たちのDV理解ってこの程度なのねと、今更ながらに道のりは遠いと思い知ったのでありました。

夫が投資で失敗しました

岸田総理が「貯蓄ではなく投資をしましょー」発言がまたまた波紋を呼んでいます。以前「老後は2千万円必要発言」で大騒ぎになった時も、「2千万円必要だから投資しましょう」だったはず。どうしてもお国は投資にお金を回したいようです。

それは、日本人の貯蓄率が他国に比べて圧倒的に高いから。

https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf
資金循環の日米欧比較 2021年8月20日 日本銀行調査統計局

とはいえ、今更急に「投資しましょう」と言われてもお勉強をしていない人たちがにわかにやってもかなり危険であることは確実です。

定年退職をした方は退職金という金脈を持っていますので、ここに証券会社や銀行が灯りに群がる蛾のように集ってきます。そして「2千万円ないと大変ですよ」「安全に増やせますよ」と不安を煽りながら勧誘します。

退職金を持っている方は証券会社と銀行に近づいたらいけません(きっぱり!)

私が相談員をしていた頃、「夫が投資で失敗をした」という方に「毎月分配型」の投資信託で失敗した方のお話を伺うことが結構ありました。

相談員をしていると、いろいろなお話を伺います。そのことについてわからないことは調べて知識を増やします。なのでこの「毎月分配型」についても調べてみました。

詳しくこれについて知りたい方はネットをググってみてくださいね。

ざっと私が調べてわかったのは毎月分配型(「元本払戻金」タイプ)とは

1 一旦大きなお金(とりあえずわかりやすいように10万円とする)を証券会社などに預ける

2 証券会社はそのお金を使って投資する。毎月一定額をあなたに戻すが、そこに投資で得た利益をのせてくる。1万円戻したお金に2千円(利益分)をのせてくるので、2千円儲かったと思う。

3 勘違いしやすいのは、1万円は自分が最初に出したお金から来るということ。まるっと1万2千円儲かったわけではない。

4 これを繰り返すとどうなるか。10万円ー1万円=9万円←これが投資金になる。タコが自分の足を食べているのと同じ。

お金がA金庫からB金庫に移っただけです。全部移し終わった時にA金庫にあったお金よりもB金庫に移ったお金が多かったら(10万円+〇千円)この〇千円分が儲けです。

ただし、投資は必ずしも儲かるとは限りません。1万円で買ったものが5千円になることもあります。このときの損金5千円はあなたが被るのです。

10万円A金庫に預けたお金がB金庫で受け取り終わった時に8万円だったら、2万円損をしたことになるのです。

人間、100万円を1回もらうよりも1万円ずつ100回もらった方が嬉しいという人が多いでしょう。特に年金の他に収入のない方はとってもうれしいと思います。最初に預けた大きなお金は自分のものなのに、毎月そこから振り込まれるお金が嬉しいという人間心理を利用したものです。

もちろんちゃんと会社が投資に成功して儲かれば、10万円+α分の利益をあげることはあるでしょう。あるかもしれないしないかもしれない。これがリスクです。不思議ですね。一回大きく損をすると「騙された」と思えるのに、毎月少しずつだとなんとなくそうでもない気持ちになる。

最終的にB金庫で受け取った総額と最初に納めた金額をちゃんと照合する人がどれくらいいるでしょうか。「毎月2千円くらい足されてくるんだよ♪」と思っている人がいるのかもしれません。

会社は「毎月1万円は必ず振込ます」と契約していますから、その額は下回りません。それだけで満足してしまう。本来ならば10回受け取れるはずのお金が8回しかうけとれなかったら、2回分の2万円は損なのです。

こういうことは利益をあげようとする証券会社や銀行の人から聞くよりも、実際に自分でやられている方から聞いた方が絶対に安全です。

記念日反応

私は犯罪被害者支援にも携わっていていろいろと勉強もしたのですが、その中で聞いた言葉が「記念日反応」です。

犯罪被害者の多くはその被害に遭うまで普通の生活をしています。1秒前までは普通の平和な生活だったのに、一瞬で事件に巻き込まれて亡くなったり傷を負ったりします。被害は当人だけでなく、遺族や被害に遭った方たちの関係者にも及びます。

事件現場にたまたま居合わせて目撃した場合も被害者になります。大切な人を亡くしたり、傷つけられたり、その場面を見てしまいとてもショックを受けた場合、この記念日反応が出ることがあります。

記念日反応(アニバーサリー反応)とは、事件のあった日が近づくと体調を崩したり、精神的に不安定になったりすることです。例えば今の季節なら紫陽花が咲いた、梅の実が店頭に並ぶ、ぐずぐずと曇り空が続く、テレビの天気予報で「梅雨入りです」と言った、木々の葉が雨で濡れている、カレンダーが6月になった、このような「あの時と同じ状況」になると、体が不調になります。

私が携わった、夫を事件で亡くした方は毎年入院されていました。

被害に遭って早期に立ち直った方に共通しているのは、よりよい支援が早急に行われた場合だそうです。それは専門機関だけではありません。周囲の人たちの思いやりのある態度や(励ましの言葉は時には逆効果になります)、適切な生活支援などは心の回復に大変役立つそうです。

被害に遭われた方や身近に被害者がいる方などで困った場合は相談先があります。

https://www.nnvs.org/supports_top/  犯罪被害者等電話相談

0570-783-554 

全国共通ダイヤルです。0570だから料金がかかっちゃうんですけどね。。。

自分のことしか考えない人

パブにいつもお助けのラッパ水仙さんの素敵な書き込みがありましたので転記します。

もし、彼が本当にモラハラ夫ならば、彼が愛して大切にしているのは自分だけです。
同時に、彼らの行動のすべてが【わざと】【嫌がらせで】やっているとは限らず、
単に【自分のことしか考えていない】結果であることも多いです。

そうなのです。うちのモラ夫は相手にダメージを与えるため、自分の機嫌をそこねたらこうなるんだぞという見せしめ、罰、威嚇のためにモラハラのツールを繰り出すことが多かったのですが、母の場合はまさにこれ。

自分のことしか考えていない

本人はよく「私は人のために尽くす。人に愛されている」と公言していますが、他人のためにはするけれど、なぜか家族のためにはそれができない。これはおそらく甘えと「そうあるべき」という思い込みがあるからでしょう。

子は母に尽くすもの、母を敬愛するもの、感謝するもの、金銭援助するもの、すぐに助けるもの、愚痴をきくものと思い込んでいるから思ったとおりにことが運ばないと爆発が起こる。

#思い込みって怖い

自分のことしか考えない(考えられない)人は他人のことを考える能力がありません。能力のない人にないものねだりをしても無駄。

モラハラという嫌がらせとしての行為なのか、ただ単に人のことを考えるという能力がない人なのかは割と重要な視点だと思います。当然前者の方が一緒に暮らすのは辛くておぞましい。

後者の方は「無理なのね」と悟ってしまえば期待もしないしあきらめもつきます。母は後者でした。家族関係のこういった行為は家族に対する甘え、当然そうであろうという思い込み(期待)から来るものがほとんどです。

人は変えられないけど自分は変えられる。自分は思い込みをしていないか、振り返ることも必要だと思います。

半期に一度の楽天セール開催中!

ボーナス時期(全然関係ない時期)に行われる楽天セールがただいま開催中です。本当にお安くなるので欲しいものがあったらこの時期を待って買うのですが、特に必要なものが今はない。常備しているナッツでも買おうかな、と。本当に物欲が無くなりました。

↓から入っていただくとモラハラ被害者同盟への寄付になります。

年を取るとともに物欲が減っていくとは同世代の友だちが口々に言うので、きっとそうなのでしょう。ですが「実家に帰ると、親が買ったものが包装紙も開けずにそのまま積み重なっている」という話も時々聞きます。痴呆の始まりかもしれません。

と言いながらセールを見ていたら、JAの桃とさくらんぼの予約販売がありました。


あ、ポチってしまった。。物欲はないけど、食欲はある。。

初めてもらった生活費が養育費

将来の不安があって別居や離婚ができないという方が多いと思います。もちろん私もそうでした。フルタイムの仕事はありましたが、仕事があまり明るい未来がない職種だったものだったせいもあり、やはり不安でなかなか決心がつきませんでした。

ところが離婚後、私に初めての経験がありました。

「働いているわけでもないのになぜか毎月お金が来る」というものです。何しろ結婚してから生活費というものをもらったことがないので、離婚後、養育費が毎月口座に入るのが不思議で仕方がありませんでした。気味が悪いという感じでしょうか。

もちろん数か月で慣れましたが、これは働かなくてもお金が入ってくるというとっても美味しい初めての体験でした。なので養育費が無くなった時はとても寂しかったものです。

ところで私の場合調停で「子どもが18歳になるまで」という取り決めをしたのですが、同じように18歳までとした方はいらしゃいますでしょうか?今は20歳が普通で、双方が合意すれば18歳となっています。私は2003年に離婚していますが、調停委員から「養育費は18歳までと決まっている」と言われました。もし20歳までもらえるなら当然そうしたでしょう。調停委員から「18に決まっているんだ!」と言われ、調停調書にもそう書かれました。本当に18歳に決まっていたのか、調停委員が勝手に合意したとしたのか、今でも謎です。

天寿をまっとうする

私と同年代の友人知人から親の訃報を聞かされる機会が多くなりました。大抵の親は80歳を超えています。中には90歳代もいます。

私の父は86歳で亡くなりました。父が亡くなったと言うと、みんな声を落として「お気の毒に」と言ってくれますが、だいたいこの年代で亡くなると、葬式はそう悲しいものではありません。実際父が亡くなって泣いたのは孫だけでした。

ずっと施設で寝たきりだったので母はほっとし、母からの愚痴を聞かされ続けていた私と弟もほっとしと、一番身近な家族ですらこの状態ですから、親戚も友人も誰も悲しむ人はいませんでした。

友人と言えば3人ほど同年代と思われる方が葬式に来られましたが、後は近所の方と親族だけでした。年齢が高くなると同年代の人はすでに亡くなっているか、葬式にも来られないほど弱っているかのいずれかです。

80歳よりも前に亡くなると、「もう少し生きていてほしかった」の声も聞かれますが、80歳を超えると「天寿をまっとうした」となり、寿命だからねと納得するものなのかもしれません。

昨日も今日も友人宅の訃報の話になり、彼女たちは「最初は悲しかったけど、いろんな人が来て、ごちそうもたくさんあって、最後はまるでお祭りのようだった」と笑顔での報告になりました。

願わくば「やっと死んだか」と言われないよう、83歳程度で天寿をまっとうしたいと思っているモラハラ被害者同盟管理人です。