原田ひ香に今はまっていて、いろいろ読んでいるのですが、今日読み終わったのは「一橋桐子(76)の犯罪日記」です。
76歳の桐子は清掃の仕事をしていますが、同居していた親友のトモが亡くなり、心に穴があくと共に、これから自分はどうやって生活していくのかを真剣に考えます。
親きょうだい親戚なし、収入わずか、貯金無しの76歳。
ふと耳にした「刑務所は3食ついているし、病気になれば診てもらえる、死んだらそこで葬ってくれる」
こんないい話はないじゃないか。
ということで、どうやったら刑務所に入ることができるのかを模索し始めます。万引きや偽札づくりや誘拐や、いろいろやるのですが、なかなか刑務所には入れません。
そんな時に亡くなった親友のトモの遺族から「形見分けをしたい」という話があり、ぜひ親友の形見が欲しかった桐子は遺族の家に行きます。
話をしてくれたのは息子の妊娠中の配偶者。その中で、「とてもいいにくいことなのですが、義母は「私は夫を殺したのよ」と彼女に話したといいます。その話の内容を読んだときに、私の遠い記憶がよみがえりました。
学生時代、栄養科にいた友人が、オリエンテーションの席で学科部長が「君たちは殺人の完全犯罪ができます。絶対につかまりません。これからそれを教えます」と言ったそうなのです。
塩分、脂分の多いおかずをつくり、濃い味に慣らしていく。揚げ物は特に良い。野菜は極力減らし、白米をたらふく食べさせる。パンにはバターをたっぷりと塗り、コーヒーをがぶ飲みさせる。デニッシュなど油分を多く含んだパンはさらに良い。本人が欲しがるだけ酒を与え、タバコは切らさない。甘いものは常に目のつくところに置いておく。
「これで殺人は完成します。どこにも証拠はありません。そもそも本人が好きで食べていたのですから、何も罪はありません」
私のよみがえった記憶と、親友トモがしたことは同じでした。そう、完全犯罪は確かに人の寿命を縮めるのです。
そしてある時夫が早く死んでほしいという友人にこの話をしたことがあります。
「だからさ、完全犯罪で証拠も残らす人を〇せるのよ、いいんじゃない?」という話をしたら速攻で
「ダメダメ!今日びのテレビは健康番組が多いでしょ?健康によい食事、生活習慣。ダンナはそんな番組ばかり見てるから健康オタク。トンカツなんか出したら『オレを〇す気か!?』なんて怒鳴られるわよ」
そうか。完全犯罪もなかなか難しいもんだな。原田ひ香の周辺にはこういう人はいなかったのかな。

