年金が支給される年齢になり、やはり年金については神経を尖らせるようになりました。みなさん「他の人はいくらもらっているのか」が気になるようで、YouTubeには「私の年金公開」がずらっと並んでいます。
人は裕福に暮らしている人には興味がなく、貧しい暮らしの人の動画をみて「私はまだマシ」と胸をなでおろしているとみえて、「年金がこんなに少ない」という動画の再生回数がとても多いようです。
面白いなぁと思うのは、旅行tuberが普段行けないような所に行ったり、泊まれないようなホテルを探訪したりするものを見るのに、生活となると貧困生活の人の動画を見る。
#これも人間の性よのう(友蔵心の俳句)
さて年金額は男性は15~16万が平均値なのに対し、女性は9万~10万が平均値だそうです。ただ、夫婦の場合は加給年金があったり、大企業に勤めていたかたは企業年金があるので、一概に家庭ごとの比較はできません。
ただ、独り暮らしの場合、女性の受給額9万~10万ではとてもやっていけないのは一目でわかります。持ち家があればギリギリなんとか工夫したらやっていけるかもしれませんが、ない場合は生活保護の申請をしなければならないでしょう。
年金自体は昭和16年からあったそうですが、今の形になったのは昭和34年からです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/nenkin_shikumi_04.html
思うにこの頃は3世代同居が普通の時代でしたので、年金とは息子夫婦に世帯を譲った老人が小遣いとして手に入れるお金という立ち位置だったのではないかと私は思っています。(違ったらごめんなさい)
息子夫婦に生活費としていくらか入れ、あとは自分のお小遣い。昭和30年代の平均寿命は60歳代ですから、国もそう長く年金支給をしなくても済みました。
20代で出産、30代で子育て、40代で子どもたちは成人しますので、残りは20年弱。前述したとおり子どもや孫と生活しますので、生活の心配はなかったのです。
ところが核家族化が進み、老人単独世帯がどっと増えたこと、さらに分裂して老人一人世帯が増えたことでこの年金の立ち位置が変わってしまいました。
国も「お小遣い程度のお金」ではなく「生活のためのお金」に変化することを見通せなかった。甘い。
女性は離婚時に年金分割をすれば、夫の受け取る予定の厚生年金部分の1/2をもらえますが、なにしろ男性の平均が15~16万円で、基礎年金の65,000円を引いた残りの二人が生活していた年月分のものとすると、そう大きなものではありません(でも年を取ってからの1万円って大きい)
貯金がまったくない場合は、生活保護でもらえる金額の差額を申請してもらうことはできますので、これをするしかない。
ちなみに女性で男性の平均額の15万~16万をもらえる人は全女性の中で1割程度だそうですので、9割はこれ以下。
老人みな貧困生活時代に突入です。