もう70歳近い再任用のおじいさんと一緒に働いていますが(私からおじいさんと言われるのはあちらにとっても心外だとは思いますが)、この過去に栄光を持つおじいさんは本当に劣等感が強い。
劣等感が強い人は人を見下し、バカにして、些細なことに難癖をつけ、どうでもいいことを知っていると鼻高々で能書きをたれる。
こういう人は近寄らないように、鼻高々の能書きに「そうですか~」と知っていても相槌を打っておく。これが世の中をうまく渡る術であることは、40数年の勤労生活で身についています。
今年、とあるプロジェクトがあり、このおじいさんと私もプロジェクトの一員となりました。おじさんは劣等感も強いけど、かなりずれた常識の持ち主で、わけのわからない非現実的な方針を次々に打ち出してグループ全員を困惑させました。
そのプロジェクトを現実化させるためにはこの非現実的な提案は乗せられないので、「どうしましょうかねー」というリーダーの困った声に、つい口を出してしまったお人よしの私。
大体言い出しっぺがその後を全部引っかぶらなければならないのがこういう時の決まり。だから口を出さないように静かにしていたのですが、だーれも声をあげないのでつい出してしまいました。
そして結構大変なプロジェクトは予想通りほぼ私が仕切ることになり、PCは誰もできないので、PC部門も全部私がやりと、多忙を極めました。
ただ、がんばったかいがあって、プロジェクトは大成功を収め、なんだか私の評価がものすごく高くなってしまいました。
#PCできるなんて言ってなかったからね。言ったらまた仕事を押し付けられちゃうし
そしてこのプロジェクトの収支決算をZOOMで行ったのですが、会計担当はおじいさん。前もって資料が送られてきたのですが、これがWord文書。
#どこに決算報告をWordで作る人がいるんだろうか。
リーダーから「報告書はExcelを使ってください」と言われ、おじいさんは必死になって作ったか、当日ZOOMの画面ではExcelでの報告がありました。
#ナニ、1ページの簡単な報告書ですから
ところが決算数字がおかしい。前に送られてきたWord文書の数字とも突合させる数字とも合わない。
出席した全員が「数字が合っていませんね」とさわぎ出すと、「あ、わりいわりい、今直すから」と画面に映った数字を直し始めました。
Excelを使ったことのある人はご存じでしょうが、縦横に並んだ数字をざーとドラッグしてSUMを押せば合計が出る。
ところがこのおじいさん、間違った数字を一個一個直し始めたのです。
ほけーー
その昔、Excelを使えない方たちは、電卓をたたいて計算し、Excelに打ち込んだものです。今考えるとバカバカしい話ですが、そういう人が結構いたのです。
どうやらこのおじいさんもそのクチらしく、ひとつずつ数字を直している。
ZOOMの個人メッセで「ちょっと、〇〇さん、Excelできないんじゃないの?」「どうもそうみたいだね」というのが送られてくる。
できなかったらで会計はできないと言えばいいものを、できないと言えないおじいさんの性。
なんとか笑ってごまかしてその場は終わりましたが、周りから高評価をいただいている私がおもしろくないのか、ただいまおじいさんから嫌がらせを受けております(笑)まぁ、それほど長い時間接していないからいいや。
この高年齢のおじいさんたちの自己評価と実際の落差の大きさに、ある意味「すごいなー」と思っている私です。ともかくその劣等感を死ぬまでにどうにかしよう!