だいぶ前に「おじさまと猫」というコミックにはまりました。ペットショップで売れ残った猫が、イケメンスタイリッシュなおじさまにお買い上げされ、幸せな日々を送るようになったという物語で、ドラマ化もされ、(お高い)グッズも沢山売られました。
最初の頃の「どうせ売れ残りのわたしにゃんか」という、幸せから見放された者がよくするような、言葉にすれば「いじけた」売れ残り猫が、ふくまるという名前をつけてもらい、おじさまから溺愛されるという幸せストーリーに、当時は寝る前の儀式のようにふくまるを読んでから寝る日々でありました。
ところがストーリーが継続すると当然話もふくらんできて、最初の頃の愛しさ、切なさが無くなり、早い話飽きてしまい、今はユーチューブの動物動画がその代わりになっています。
その中で見つけた「引き取り屋」から引き取られたトイプードルの最後の1年の動画は涙無くしては見られません。
最後の1年と言っても、生まれてから10年間、このトイプードルは繁殖のために狭い檻の中で飼われ、吠えられないように声帯も切られ、食事もカツカツしか与えられていなかったので、引き取り屋から動画主に引き取られた後、たくさん食事をあげても肉がつくことはありませんでした。
動画主さんに引き取ってもらい、やっと檻の中から出してもらって、食事も運動も沢山させてもらい、よい里親さんにもらってもらえたのですが、1年たたないうちに亡くなりました。
動画の主が声をあげるのは、なぜ「引き取り屋」なる商売があるのか、それは動物がペットショップで高額で売られていること。子どもを産ませ、全国のペットショップで販売され、よい飼い主に買われることもあれば、捨てられる者もいる。この動画のトイプードルのように年を取ったり病気になって繁殖できなくなれば、引き取り屋に持っていかれて、檻の中で死ぬことになります。
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiimasumi/20211124-00269131
フランスでは2024年からペットショップで犬と猫を売るのを禁止する法案が可決されました。かわいいからと買ってみたものの、吠える、しつけが大変、旅行に行けない、思ったより大きくなった、転居先が動物飼育禁止など、飼う前からわかるだろうということがわからず、結局捨てたり、役所の引き取りセンターに持ち込むことになってしまいます。
私は旅行が好きなので家を空けることが多いこと、ペットロスが絶対に無理なので動物は飼いません。動物を飼っている友人を旅行に誘っても「犬がいるから」と断られます。動物を飼うと、まず2泊以上の旅行はできません。
ある友人宅の犬は自分の家以外のところではトイレができず、一度連れ出してみたら膀胱炎になってしまったという根性のすわった犬のため、旅行の際は誰かひとりが犬を見守る留守番が必要で、家族旅行ができないとのことでした。
動物好きの人たちは口をそろえて「日本もペットショップでの犬猫の販売をやめるべきだ」と言います。私も同感です。欲しければ里親を探している譲渡会(ネットにもある)に行ったり、直接ブリーダーのところに行って飼い方から教わりながら、子どもを養子に迎えるように、動物も自分が飼えるかどうか真剣に考えに考えてから飼うべきだと思います。
なお、避妊・去勢が済んでいる地域ネコはさくら猫といって耳の先さくらの花びらのように切ってあります。かわいそうですが、避妊・去勢済に気づかず何度もお腹を開けることのないように、手術済の印として切ります(「TNR活動」)
猫が発情せず落ち着いて暮らせるので、夜鳴きやケンカがなくなる
地域で餌の管理ができるから、むやみにゴミが荒らされない
人の目が届くから、動物へのいじめや虐待も予防できるなどのメリットがあります。
動物を飼うことは日常の暮らしを豊かにしてくれますが、生き物を飼うわけですから責任があります。また、飼うための食事やトイレやその他必要なものを買いそろえたり、病気になれば病院に何度も連れて行ったり(人間よりも高額)と、お金がものすごくかかります。
それができない場合は猫カフェに行って、たまに癒されるというのが一番いいような気がします。