遠足の敷物

こちらの続きです。

私は小学2年生の途中で父の仕事の関係で県をまたいで引っ越し、転校しました。県によって風土や文化が変わるもので、引っ越す前の件は質素倹約がモットーの県でしたが、引っ越し先は見栄っ張りの派手な県でした。

「遠足に行くから座る時に敷く敷物がいる」と母に言うと、「ほらっ」と言って渡されたのは父のスーツをクリーニングに出して、戻った時に包んでいる透明なビニール袋でした。

そのビニール袋を持って遠足に行き、お尻の下に敷くと、セツコちゃんから「さっちゃんちも生活保護もらったら?」と言われました。

#母が「かわいそうな貧乏な家の子」と言っていたセツコちゃんからそう言われたと知ったら、どう思うんだろう。いまだに言っていないけど。

確かに私はうっかりが多く、きちんとしているとは言い難いのですが、それでもなにぶん女の子なので、傷つくことは多かったです。

筆箱を壊してしまった時は、「お前は物を大事にしない」と言われ、父が数十年前に使っていたセルロイドの筆箱を渡されました。肌色に変な模様が入り、あちこち割れて中が見える筆箱でした。

それをずっと長い間使っていましたが、今度は手動鉛筆削りを壊してしまいました。再び「何でも買ってもらえると思うな」と言われ、小刀を渡され、それで鉛筆を削るようにと言われました。

弟はいつも最新式の文房具を買ってもらえているので、電動の鉛筆削りを持っているのですが、それは借りてはならないと言い渡されているので、不器用な手で鉛筆を削っていました。初めて小刀で鉛筆を削ったので、本当に不格好な鉛筆でした。

母は学校でみんながどんな物を使っているか、どんな生活様式なのかまったくリサーチしていないので、私の身の回りは「戦後の混乱期」がベースとなっていました。もっともわかっていても「よそはよそ!うちはうち!」と言ったでしょうが。

「よそはよそ!うちはうち!」↓

#でも、弟が最新式だったのはなぜなんでしょう。

#跡取り息子だから?

#老後に面倒をみてもらうから?

私は相談員として様々なご相談を受けてきましたが、相続争いは男女(兄妹、姉弟)で起こることが多かったのは、こんな事情があると思っています。