実はこの「意地悪ではないが、自分勝手で思いやりに欠け、高圧的に家族に接する夫」というのが相談では一番多いかなと思います。これは多分幼いころから「女は男より劣っていて、俺様が一番エライ」というジェンダー思想があるためというのが大きいでしょう。
被害者の方のお話を伺うと、たいていこうい方は夫が育った家がそうだったという証言がザクザク出てきます。夫は育った環境で男尊女卑ががっつり入っていますから、当然自分の家庭では王様でなければならないのです。少しでも目下の者たちが自分を尊敬しないそぶりをすれば、怒鳴りもするし、壁に穴も開けます。
大体こういう人は自己肯定感がまるっきり低いし、劣等感は強いし、プラドは高いしという三重苦を背負っていますので、周囲の人たちは一緒に暮らすのはとても大変だと思います。ただ、このタイプは加害者更正プログラムをやってみてもいいかなーと思います。
何度も言いますが、このプログラムを受けても真人間になるわけではありません。とりあえず今までのような自己中親父のままだと離婚されるので、しかたなく我慢するようになるかもしれないという程度です。ただ、行くようにするのが難しいでしょうね。やっぱり、三下り半を叩きつけるしかないかも。
前に書いた「真正モラハラ夫」の場合は、このプログラムを利用して悪だくみをする可能性があるので要注意です。調停で「更正プログラムに通って一生懸命がんばっているのに、妻が認めてくれない」と、調停委員に訴えたという実例もあります。調停委員から「夫が頑張っているのにあなたは」と責められ、自分も「夫も頑張っているのだから、少々のことは大目にみなければ」と、また我慢の生活を選ぶようになる可能性があります。
とても悲しいことのひとつは、この「加害者更正プログラム」は大きな都市にはありますが、地方都市ではないことが多いです。一応アウェアさんが一覧を載せてくださっていましたので、URLを貼っておきます。
このページに「アウェアで学んだあと、アウェアとはまったく違う独自の考え方・やり方で実施している人・団体、アウェアの考えや教えに反することをしている人・団体は削除しています。」とありますね。私も、とある加害者更正プログラム実施団体の講座に行って、目が点になったことがありました。まだこれからの分野なのかもしれません。
早くDVを行った人は、加害者更正プログラムを受けることが必須になるようになればいいのですが。