ひと頃は「加害者更生プログラムは役にたたない」と言われたものですが、この頃は「少しは役にたつ」に変化してきました。最初にプログラムを実施した「アウェア」さんが、ファシリテーター講座を行い、様々な団体が更生プログラムを行うようになってきて、受講する「加害者」が多くなってきたことも原因のひとつかもしれません。
私は何度かこのアウェアさんの講座を受講し、この厚生プログラムを行う場所にも行って直接お話を伺ったこともあります。
このプログラムの目的はまず第一に被害者のためのものであり、被害者が夫から暴力を受けないようにするためのものです。暴力とは当然殴る蹴るといった、身体的なものだけでなく、精神的なものを含みます。
プログラムは1年間で52回、土曜日に行われますので、月に4回夫は毎週ここへ足を運び、他の加害者たちと一緒に自分のしたことについて語り合います。費用は1回3,000円、他に面談費などが必要で、このお金は加害者が自分で支払わなければなりません。妻が支払って無理やり行かせるシステムではありませんし、自ら「治りたい」と思って行くから効果を期待できるものです。
と言うと、「夫はきっと行かないと思います」と、これをご紹介した方ほぼ全員の方が言います。アウェアさんから伺ったのは、夫自ら進んでこのプログラムを受ける人はおらず、妻が家を出るときに「このプログラムを受けなければ離婚します」という書置きを残してくるなどの強硬手段をとることによって、プログラムを受けに来るそうです。離婚を回避するにはこれしかないと渋々来ているのでしょうね。