被害者の方から時々伺う話です。
「弁護士に相談に行ったところ、最初は前のめりになって共感して話を聞いてくれていたが、夫から取るものがないとわかったとたんやる気をなくし、『費用もかかるし、自分でやったらどうですか』と言われた」
この手の話を本当に沢山伺いました。中には「離婚はしたくないので、婚姻費用だけお願いしたい」という依頼者が、弁護士ふたりに断られたというのもありました。弁護士の方数名がいるところでこのことについて聞いてみたところ「婚姻費用だけだから断ると言うことはない」
「婚姻費用だけならば自分で調停を起こして算定表を基に金額を出して請求すればいいだけなので、弁護士を雇う費用を考えたら、自分でやればタダですよ」とのことでした。
弁護士は債権や交通事故や遺産相続や刑事弁護や様々な分野のものを行いますが、家事事件(離婚など)はあまり利益がないので、敬遠する方がいるのは事実です。
弁護士に依頼する場合、まず手付金として20万円~を支払います。これは弁護士に働いていただくお金です。よく「いくらですか」と聞かれてこの金額を言いますが、これはあくまでも手付金。依頼が離婚することでしたら、離婚が成立した時に成功報酬を支払います。養育費がとれたら、これも弁護士が働いた成功報酬ですし、婚姻費用も同様です。成功報酬は弁護士によって計算方法がマチマチですので、契約を交わすときに必ずチェックしてください。
詳しくはこちら
https://morahara.cocoon.jp/bengoshi.html
特に弁護士が気にするのは、「相手からどれだけ財産分与があるか」です。その金額の何パーセントかを「経済的利益」の成功報酬として弁護士が受け取るからです。これについても上のリンク先を参照してください。
まだ若い夫婦の場合は財産も少ないので、あまり経済的利益がありません。ところが熟年離婚の場合は不動産や貯金、生命保険、株、債券、退職金などがあるので、この財産分与による経済的利益が多くなります。上のリンク先にある実例では成功報酬が81万円です。もっともこの裁判は依頼者の希望通りの結果にならなかったものですので、もし希望通りになったら、相当額の成功報酬があったと思われます。
弁護士が気にするのはこの成功報酬です。
一般に離婚事件はお互いの言い分がかみ合わず、証拠らしきものがないことが多く、小さなことをひとつひとつ調査し、クライアントを慰め、怒りを鎮めるというカウンセラーの役割もせねばならず、とても手間のかかる仕事です。また、DV事件は相手が異常なので、更に骨の折れることになります。とても養育費や婚姻費用の成功報酬だけではやってられない、めんどくさい仕事に位置付けられても仕方がありません。
今コロナで病院の経営が大変になっているというニュースがありますが、勤務医ならば別ですが、個人で経営している場合は医療従事者であると共に、経営スキルが求められます。弁護士も同様に、数万円しか利益のない事件よりも、大きなお金が入ってくるものに魅力を覚えるのは当然でしょう。
でも、私は長い間沢山の離婚事件に関わってきて、ただ、利益ではなく、母子の幸せな暮らしのために身を削って事件に関わって下さっている弁護士を沢山見てきました。DV男は危険なので、いつも傘を持っている方もいます。家に投石された方もいます。それでもひるまず、これから安らかな生活を送れるよう、がんばってくださっている弁護士はたくさんいます。
弁護士の中にも「モラハラとはどういうものなのか」を研究している方もいます。モラハラ加害者の行動はパターンがあるので、今、離婚事件を受任するにはモラハラの知識は不可欠なのです。
被害者の方にはひとりでモラ夫と対峙するのが怖いならば、弁護士に依頼し、盾になってもらうことをお勧めしています。弁護士は頼もしい応援団であり、このチームのリーダーの役目もしていただくことになるからです。ただ、
こちらに書いたように、まったく意図しない結果になることがありますので、くれぐれも料金については、電話で問い合わせをしてから相談してくださいね。
もし費用が気になるのでしたら、法テラスにご相談を。上記のようなトラブルがあった場合は、弁護士会に相談することも、後の被害者を無くすためにやった方がいいと思います。
https://www.houterasu.or.jp/
よい弁護士に恵まれた方は、ぜひ私までご連絡ください。
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