小泉進次郎環境相が育休をとったことで期間が短すぎるとか、大事な大臣職はどうするのかとか、いろいろ波紋があるようです。もちろん私はふたりの子はふたりで育てるべきであり、心身ともに大切な産前産後をふたりで乗り越えていくことが、その後の家族形成に大切な役割であると思います。ただ、これがモラハラ夫だったらどうなるのか。
「モラ夫はイクメンの仮面を被る」はこの世界では常識です。外ではよい夫、ステキなパパを熱烈アピールし、社内旅行でへ行けば妻へのお土産を忘れない。「いつも尻にシカレチャッテサ」と幸せそうに愚痴もどきのセリフも上手に吐く。抱っこヒモで子どもを抱き、両手にはスーパーの袋。その後ろをバッグだけ持って付いていく妻は、はた目には夫を虐げている妻に見えるでしょう。もちろんそれは夫の演出。夫は家に帰ればスーパーの袋と子どもを放り出し、テレビをつけてご鑑賞タイムに入る。袋に入った食材を冷蔵庫に入れ、わらわらと食事の準備をするのは当然妻の仕事です。
こんなええカッコしいの夫が、ええカッコしたくて何週間も育児休暇を取ったらと思うと、考えただけで恐ろしい。たった1週間足らずのGW、お盆、正月休みですらイライラが始まる人たちです。それが何週間も家にいたら「家の中の片づけができていない」「お前、産休中毎日ナニやってたんだ」「なんでこんなもん取っておくんだ」「なんで使いたい時に使いたいものを切らすんだ」と、大騒ぎでひとつひとつ責め立て、子どもが泣いたと言っては「ナニやってんだ」「早く黙らせろ」「俺を寝かさない気か」「赤ん坊がいるからってメシを手抜きしていいと思ってんのか」となるのは目に見えています。
「産後うつにならないよう、夫がサポートして」と医療関係者は言いますが、モラ夫にそれは不可能です。妻だって家にいて欲しくない。でも、ええカッコしいのモラ夫がブームに乗り、実は長期休暇が目的で「妻が産後うつで」と言いながら、大いばりで休暇願を出す。家ではごろんと寝ころんでゲーム三昧。
そして妻が子どもの面倒ばかりみて、自分の世話が二の次になるのは面白くない。「ナニやってんだお前!」「早くしろ!」「使えねーやつだなー!」の連続。
すでに育休中だった千葉県庁職員の男性が子どもを虐待して逮捕されています。
公務員は積極的に育児休暇を取るようにとの通達も出ています。
何週間も家にいるモラハラ夫と、はらはらしながら出産後の大変な時期を過ごさなければならない妻。
また新しい問題が発生するように思えてなりません。