聖なる夜に

今夜はクリスマスイブ。10年前、東京へ引っ越してきたばかりで緊縮財政のだったため、「今年はケーキはやめよう」と、勤務先があった渋谷から表参道を抜けて駅に向かっていたら、歩道にテーブルを並べ、クリスマスケーキが売られていました。もう7時を過ぎ、売れ残った丸いクリスマスケーキが半額になっていて、小躍りするような気持ちで買い求めました。今も「コロンバン」は他人と思えない(店だけど)

その夜はデリカのバイトを終えた子どもが、売れ残ったクリスマス用オードブルを山ほどもらってきたので、隣近所に配り、ついでに翌日勤務先にも持って行くと、若い同僚から歓声が上がり、弾む声でお礼を言われました。

「今年はクリスマス、無理だと思ったんスよ」

リーマンショックの翌年で、世の中は絶不況。渋谷の宮下公園にはボランティアによる臨時の炊き出しが出ていました。渡されたビラには年末年始の献立表と、健康診断や相談の時間が書いてありました。

好奇心の塊のような私。その炊き出しの行列に並んでみようかと思いましたが、さすがにおじさんたちの中には入って行けませんでした。健康診断をしているのは、行政職のボランティアの保健師さんだそうです。

あるDV研修で、不況になるとDVが増えるとの統計があると聞きました。不況になり、心がすさむと家庭内で暴力が起こるのはもう、法則なのだそうです。

来年はオリンピック。その後は景気が落ち込むとの予想です。あの10年前の暗いクリスマスが来ないことを願います。