貯金通帳預かってます

私の場合、夫の収入を知らなかったとも知っていたとも言える微妙な状態でした。何しろ生活費を渡してくれないので、額も知らなければ現物を見たこともない。

後年、タンスの上などに給与明細が無造作に置いてあったりしたので、額は何となく知っていましたが、お金が私に来るわけではないので、まったく興味がありませんでした。こんなにもらっているのに、なぜ生活費を渡してくれないかという疑問すら出てこない。

そういうものだと思ってしまう北朝鮮状態。思ったら理不尽だ思うし、どうにかしたい、今の状況を変えようとしなければならない、でもそれはできないから思うことを止めると状態だったのだと思います。

多くの方からお話を伺うと、「光熱水費や通信費やローン、学費など、通帳から落ちる物は夫が払っていた」という話をとてもよく聞きました。つまりはっきりと金額がわかるものは、夫が出していて、食費や日用品など、毎日出ていくような物には出さないのです。

これは一見して夫の負担が大きいように見えますが、実際のところ光熱水費は厳しく言われているので2万円で足りるし、通信費も夫の前で少し長く電話をすると(当時はスマホはない)夫がイライラしてくるのがわかるので、本当に基本料金に近い少ない額でした。

「ローンを払っているからいいじゃないか」と言われそうですが、田舎の小さな家のローンなんて38千円/月です。子どもの学費を払っているじゃないかと言われそうですが、給食費5千円です。5千円×2人分が学費となり、チマチマとある集金は私が払い、子どもたちの衣服や学用品など、子どもに関するものはほぼ全部私です。

一番多く占める食費は全部私。夫は運転免許がないので車を使わない。よって車にかかるお金は全部私。夫は乗るだけ。ガソリン代や保険料車検など、結構かかりますがこれも私。

収入は夫の方が断然多いのですが、私の収入はほぼすべて無くなります。

これがモラハラ家庭のスタンダードなのですが、沢山相談を受けていると、例外的な方も割といることがわかりました。

「避難前に家にどれくらい財産があるか調べておいてくださいね」と言うと、大体の方が「夫が全部隠しているのでわかりません」と仰るのですが、例外的に「家計は全部私が管理しているので大丈夫です」と言う方もいらっしゃるのです。

モラ夫は他人を信用せず疑い深いので、絶対に家計は譲らないものだと思っていましたが、自分で家計を管理するのが面倒くさいモラというのもいて、その場合は家の財産を妻が管理しています。

これは避難・脱出・離婚にはとてもいい状況となります。その状況にいる方は、離婚の際お金の配分がどうなるか研究し、離婚後の生活に備えたいものです。

経済観念は変えられるか

経済観念は今までずっと生きてきた中で培われるものなので、変えるのは相当難しいと思います。モラ夫が妻子にお金を使いたくない、妻の化粧品、子どもの洋服は(もらいものがあるだろう!)自分には不要なものですから、ここにお金を使うとかなりゴネる可能性が大です。なぜなら自分が損をするから。

彼のお金は使っていないし、自分のお金で買うんだと言っても承知しない。この家に「妻のお金は存在しない」のです。自分のものは自分のもの、妻の物も自分のお金なので、俺の金を減らすのは許さん!です。

彼はそういう経済観念の持ち主なのです。これは変えられない。もしこの家で共存しようとするならば、彼の経済観念に合わせるしかありません。とにかく彼が怒りそうな出費は避ける、目に入って怒られるようなものは買わない。買おうかどうしようか迷ったら買わない。

これがモラハラ家庭で生き延びるコツです。

#私は「かわいいな~」と思って買ってきた風鈴が夫の逆鱗に触れ、長期無視の刑に処されました。

#フルタイムで働いていて、風鈴1個買えない。→だから離婚しました~~~

お金に対する考え方は変えられません。それは彼の性格の根幹にもなる事柄だからです。それは貧しい家に育った場合もあるし、お金はあるけどその使い道はきっちりはっきりしているという家もあります。

教育や教養には惜しまないけれど、食費や衣料にはまったく使わない家があります。ここまでするかというくらい、ギリギリにきりつめます。まさに「ボロは着てても心は錦」。

もしこういう家で育った人と結婚したならば、この家の色に染まらなければならない。教育や自己研鑽には惜しまないという信念は一般受けしますので、それのどこが悪いのかと言われてしまって、これは手強い。

本当に、お金に対する価値観はいろいろです。

経済観念はいろいろ

沢山の方とお話しさせていただいて、いつも思うのは「経済に関する話に普通はない」ということです。

お話の中で、ほぼ全員の方「普通はこうでしょう」と仰いますが、モラ夫が思う普通とあなたが思う普通は違うのです。これを「価値観の相違」と言います。

経済に特化して書きますが、消費するものにお金を使いたい人、物に使いたい人、子どもには惜しげもなく使いたい人、そこそこでいい人、親きょうだいに使いたい人、自分たちの生活を大事にしたい人、ひとつずつ取り上げてもお金に対する価値観は本当に人それぞれです。

実際お話しを伺っていても、私の価値観とモラ夫の価値観の方が、お話しくださる方の価値観よりも合っていることがあります。それをケチだと言われたら、私はケチだと思います。でも今までどうしようもなくお金がなかったことはなかったし、何とか暮らしてこれたのは、身の丈にあったつつましやかな生活を実践してきたからだと思います。

前にもご紹介したことのある「リベラル・アーツ大学」の両学長ですが、超がつく富裕層ですが、その暮らしぶりはそれほど豪華なわけではありません。彼は必要なことにはお金を惜しみませんが、不要なものは排除します。徹底的に排除ではない。80%程度ゆるく排除します。このあたりが私の経済観念と同じなのです。

#昨日も駅前のお菓子屋で、お饅頭3個セット買っちゃったよ~。特売だったんだもん

私は家賃など家にかかる経費を除いたら、たぶん10万円で暮らせるんじゃないかな~。そして100万円の特別収入があっても変わらない。それは貯金する。←多くの日本人はこのタイプだと思いますけど。

10万円あったら暮らせる人と、100万円あっても足りない人がいる。このふたりが結婚したら、それは毎日バトルなのは当然でしょう。

「家族のゆくえは金次第」というのは、信田さよ子さんが書かれた本ですが、相談に来られる方の多くはお金にまつわるものがほとんどと言っていいほどです。これは夫に限らず、親、きょうだい、子どももそうです。お金の問題さえ解決すれば、どうにか暮らせる夫婦は多いものです。

私の場合、お金に関する価値観は夫とぴったんこでした。価値観同じ。旅行など、残らないものにお金を使う、物にあまり執着しない。ただ、夫はモラ夫なので、私が必要なもので、自分は必要としないもの、例えば私の着るもの、使うもの、化粧品などは自分は必要ないので排除対象。

これがモラ夫はケチ夫と言われるゆえんです。

リベラル・アーツ大学でお金を貯める

「モラニゲ」や、モラハラ禍から抜け出した方の書かれたものを読むと、「経済の自立無くしては脱出はできない」とあります。もちろんギリギリまでがまんして、どうしようもなくなってから着の身着のままという場合もあり得ますが、これをしても必ず「経済の自立」は必須になります。

自由な時間が増えて、今まで音楽を聴くところだと思っていたYouTubeに、いろいろな情報や知識が落ちていることがわかりました。最近お気に入りで見ているひとつは「リベラル・アーツ大学」

発信しているのは「両学長」という30代の男性です。私は最初「両学長」だからふたりいるのだと思ってました(苦笑

ともかくお金に対する考え方が私と同じなので、まったく違和感がない。その考え方の上にお金を作る、貯める、増やすのハウツーが乗っかるので、とても興味深いです。お金の貯め方だけではなく、人生論も私と割と似た考え方なので「そうだよなー」と思います。

ただ、彼はミニマリスト。私は愛着のあるものに囲まれて暮らしたい派なので、捨てられない性分の私とは違う部分もあります。合理的にリンスを使わずリンスインシャンプーを使うというのもダメ。あれを使うと1回で髪がパサパサになる。

でも単なるケチじゃなくて、移動を快適にするため海外旅行にはファーストクラスで行く。

ともかく、「お金は使うために貯める」という考え方が一緒ですので、何の違和感もなく学長の講義を伺っています。

両学長がYouTubeに配信しているのは金もうけではなく、日本人に「お金に関する教育プログラム」を根付かせたいとの思いからだそうです。彼はもう超がつく富裕層の方で(資産5億円以上)他に従業員を抱える事業も行っていますので、YouTubeやブログやセミナーでチマチマお金を稼ぐ必要もない。

お金に余裕ができると仕事を選べる。自分のやりたいことだけできる。やりたいこととはお金儲けではない。若くして事業に成功して早期リタイアする人たち(「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」が面白そうなこととは、美女を侍らせて豪遊することではなく、社会貢献や次世代のための育成だったりする。

とまぁ、もう夢の国のような話ですが、とにかくお金に関する知識はこの両学長の運営するリベラル・アーツ大学だけでいいような気がします。

私が好きなのはオリラジ中田さんが両学長に「海外に住みたいと思いませんか」という質問を投げたのに対して、「コミュニティが大事だから日本に住みます」と答えたこと。

昨今、ブログなどのネットで情報を発信し生活費の安い海外に住み、時々セミナーや講演会のためにLCCで帰って来て(彼らは合理的なので、飛行機は移動手段。よってLCCで良い)、安いカプセルホテルやゲストハウスに泊まり(合理主義だからホテルは寝れれば良い)、ひと稼ぎしたらまた海外に戻る。海外も一か所ではなく転々と変えるといったやり方が流行っていますが、安心で和やかなコミュニティの中で暮らすことはとっても大事だと思うのです。

「今日、駅前の肉屋でコロッケ50円の特売!」「行く行く!」というような、日本語で会話ができるコミュニティは心の平穏のためには欠かせません。どんなに語学ができても、心からの悩みを母国語以外で話をするのは難しい。「コロッケ50円!」という会話ができるまでその国の言葉を会得し、文化を学び、関係性を築くって、それはそれは大変だと思うんですよね。

両学長は30代ながらいろいろな経験をしてきて、この動画で語られるのはハウツー本や自己啓発本からの知識ではなく、自分の経験から話をしています。経験から得たものは、その人の個性と混ざり合って自分なりのリテラシーになると思うのです。

このリベラル・アーツ大学、サイトや本もあって、動画が見られない方はそちらでもいいですね。このリベラル・アーツ大学にはコミュニティがあって、

  1. 経済的に豊かになり
  2. 今よりも一歩自由な生活を手に入れること

が、理念だそうです。お金を貯めるということは、自由に一歩近づくということですね。

ちなみに私は1.5か1.25倍で見ています。時間は有限です。有効に使いましょう。

給付金の行方

我が家にもやっとアベノマスクが届き、コロナ給付金の申請書も出しました。さて、給付金はいつ私の口座に振り込まれるのでしょうか。東京は都会だから早いというわけでは今回はありませんでした。小さな自治体ではもうすでに振り込まれていますし、都会は人口が多い分、発送量も処理量も多くなりますから、遅れがちになるのはいたしかたないかなと思います。

給付金を個人ではなく世帯ごとに配ることについては、多くの方が異議を唱えました。もちろん私もです。

すでに避難している被害者に対しての対応はしてくれました。でも、同居をしているDV被害者は世帯主に振り込まれてしまうから、本人の手には入らないではないかと、これまた心配して下さる方が大勢いましたが、同居しているDV被害者の場合、振込先が本人であろうと夫であろうと、本人の手には渡りませんから同じです。


もし本気で「本人に渡してあげたい」「個人別の振り込みを!」と仰っているのであれば、ちょっとDVのお勉強からし直した方がよいと思います。個人の口座に振り込まれても、モラ夫は「家計に入れるから寄こせ」と言います。言わないまでも被害者ならば「ぜひ家計費に入れてください」と自分から差し出します。それがDV家庭で普通に行われている普通の忖度です。

ここで渡さなければモラ夫は「不機嫌」「無視」「家のあらゆるところで威嚇の大きな音を立てる」「子どもに皮肉をいう」「あらゆる場面で嫌がらせを行う」といった攻撃に出ます。家中に響く「ドタン!バタン!ガシャン!」という苛立ちを伝える音、もしくは完全無視の不機嫌。

「早く出せ!」「10万円寄こせ!」「言わなきゃ出さないのか!!!」「出せ出せ寄こせ!!!!」

それがわかっているから「どうぞ」とお金を差し出します。夫は寄こせとは言いませんでした。妻が自分から差し出すのです。

これがモラハラです。もし今回給付金が「これ、君の分だから」と、夫が妻に渡したら、夫は加害者ではないか、加害者ならば何か企んでいるかのどちらかです。

私がまだ結婚している時にも似たようなお金もらったことがありました。子ども給付だったかな。その時、夫は確かに「○○を買おう」と私に言いました。私は賛成しました。夫の言うことに反対は言えません。言えないから反対という思考すらでてきません。考えるということも思いつかず、夫がそういうならばそれを買う。なんの疑問もなく、「いいわね!」と言う。

それがモラハラ被害者と言うものです。