死別と離別の違い

こちらの続きです。

まだいっぷくさんは気づいておられないようですが、籍が入ったまま夫が死亡しているので、いっぷくさんは法律が変わらない限り一生寡婦控除を受けられます。これは離別だと寡婦控除はないので、不平等だと評判の悪い制度です。

本来であれば遺族年金も手に入れられるのですが、夫さんは無年金だったそうなので、こちらは残念ながらということになります。

相談員をしていた時、この手のご相談を沢山受けてきました。熟年の方たちは「離婚した方が得か、せずに別居だけしておいた方が得か」でご相談に来られます。

夫が厚生年金の方は「夫が亡くなれば遺族年金や遺産が入りますよ」とお話しすると、ほぼ100%の方が「私が先に死ぬこともあります!」と強く仰います。だったら離婚するのかと思えばそうでもない。

別居だけの方はいっぷくさんがそうだったように、もし夫が介護が必要になった場合、知らんふりすることができるか。籍はまだあるわけだから、どんな責任をとらなければならないのかなどを考えておられます。

世の中にはいろいろな形態の家族がおり、様々な考え方があります。離別した夫でも面倒をみる元妻もいれば、籍が入っていても一切関知せずの人もいます。その考え方は人それぞれなので、誰に何を言われようと自分の考え方を通すのが一番だと思います。

この頃私の周辺では妻が先に痴ほうになったり、体が不自由になるケースが多くみられるようになりました。まだ60代です。男性の場合自分が介護されることを想定して人生設計をしていたのに、自分が介護することになるという、予想外のことに戸惑っています。

モラ夫が手厚く介護するとは思えませんし、実際妻が使えなくなったらさっさと離婚したケースもありました。本当に人はいつどうなるかわかりません。計算通りにはいかないものと考えていた方がよさそうです。

「虎に翼」に見る遺産相続の変遷

私は今、朝の連ドラを2つ見ています。ひとつは今シーズンの朝ドラ「虎に翼」、そしてもうひとつは再放送の「オードリー」です。「オードリー」は一山超えたところで、「虎に翼」に興味が移ってきました。

「虎に翼」は実在した日本で最初の女性裁判所長三淵嘉子さんがモデルのドラマですが、何週か前から裁判官として調停にも出席しています。

その中で、元法学部の同期、梅子さんの夫が亡くなったのですが「遺産はすべて妾に渡す」という遺言書を残していたため、その財産相続で調停に持ち込まれた事件を寅子が担当することになりました。

その調停の中で「妻が1/3、残りを子どもが人数で割る」というのがありました。

「そうかー、この当時は妻が1/3だったのね」と、ふむふむ。昭和20年代のことです。調べてみると昭和22年まではその家の長男が遺産の全部を受け継いだのですが、法改正で妻が1/3ということになったようです。

なぜそれまで妻に遺産が行かなかったのかというと、それまでの日本は家制度。家族は家を守るための存在で、その最たる責任者は長男の役目だったのです。長男は嫁を取り、子どもを作り、母親のめんどうは全部長男がみるのだから、妻(母)にお金はいらないだろうという考え方だったのです。

ところが戦後に法改正があり、家制度は取っ払われ、妻に財産が渡るようになりました。ですが、ドラマの中で調停委員がため息まじりに「財産は全部長男のものだという訴えがとても多いんです」と寅子に告げます。

法律が改正されたからといって、それまでの風習、慣習がはいそうですかと変わるわけではないのです。

>>>続く

収入操作はやってはいけないことなのか

児童扶養手当は所得制限があり、収入が多いともらうことができません。そのため、収入を操作してなるべく多くの手当てを受け取ろうとする人がいます。

役所では「手当を受け取れるのは子どもが18歳まで。それ以降は無くなりますよ。そのために収入を上げましょう」とアドバイスをするのですが、なかなか耳を傾けてくれない方もいるようです。

子どもが18歳以上になるということは親の年齢も上がっているということ。若い時にスキルを身につけて、手当てが無くなっても生活できるようにした方がいいというのは誰でもわかっていると思います。

ただ、働かなくてももらえるお金が減らされるのは損と思う人は、収入を下げて手当てを多くもらいにいくでしょう。これを「良くない」という人は多いと思います。ただ、私は「じゃ、収入制限して夫の扶養に入るのはいいのか」と思うのです。

税金と健康保険料は免除され、年金ももらえるという美味しい話ですから、これを利用するために収入操作している人は大勢いるでしょう。

収入操作して扶養に入るのは良くて、児童扶養手当を多くもらうのは良くないことなのか。

先に上げたように、働く時間を少なくすることによって、スキルアップができなかったという問題を除くなら、私は同じことではないかと思うのです。どちらも国民の税金で保護されているという点では一緒です。

「ひとり親だけ手当をもらってずるい」という声がありますが、これをズルいというなら、夫の扶養に入っている人も、やっぱりズルいと思うのです。

オルカンは今年の流行語になるかも

今年から新NISAが始まり、成長投資枠240万円と積み立て枠120万円が非課税となりました。今までは2割が税金として自動的に徴収されていたものが、まったくゼロになるという画期的な制度です。

もちろんこれは「投資」という分野の話で、いわゆる定期預金などというものには適応されないので、ご興味のない方にはまったくスルーするお話です。

ご興味のある方はこちら

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/index.html

現在株も預金も利子には20%課税されていますが(受取前に20%引かれる)、NISA枠で投資をするとこの20%課税が無くなり、まるまる手元に来ます。

20%とは1万円利益が出たら2,000円が引かれる、10万円利益が出たら、20,000円引かれるということです。大きくないですか?20%。

そもそも投資には大なり小なりリスクが伴うもの、うまく利益を出せれば儲かりますが、失敗したら自分のお金を失います。

精神的にも疲弊しVIX指数(恐怖指数)という言葉があるくらいです。VIX指数とはもしかしたら損をするかもしれないという投資家の心理を指数で計算されたものです。

朝起きたら自分の口座にあった100万円が90万円になっている。翌日になったら80万円になっている、このダダ下がりする相場はいつまで続くのか、自分の預金はどうなってしまうのかという恐怖に怯えながらするのが投資です。

投資をしているというと「濡れ手に粟」と楽をして設けているという印象がありますが、投資家やそれを生業としている業務の人は胃に穴を開けながら仕事をしているそうです。

これについては以前も書きました。

そして新NISAの話ですが、この心臓がドキドキしなくてもいい投資が今脚光を浴びています。通称「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。

これは全世界の株式を集めて投資したもので、手数料が非常に安いのも魅力です。全世界の株ですので、何かひとつが悪くなったら下がるものではなく、今までの実績から考えるとまず下がることがないと言われています(儲かります)

株は浮き沈みがありますので、上がったり下がったり、時にはリーマンショックやコロナショックのような大きな下げもありといったことがありますが、現在コロナショック時に下げた分を取り戻し、バブル期以来という高値をつけています。

大きな上げや下げを繰り返して世界経済は右肩上がりになっているのです。

と私が言っても説得力がないので、検索して調べてください。

特に魅力なのは毎日相場を眺めなくてもほったらかしにして良いという点です。生活にも仕事にも精神的にも支障がまったくありません。ほったらかせば結果として資産は増えます。ただし1年2年では結果は出ず(今の相場がずっと上がり続ければ出ますが)、20年30年後に増えているというものです。

つまり今の若い世代が毎月積み立てて老後資金として貯めるのにぴったりな商品なのです。逆に言うと、私のような先がよくわからない人には不向きです(持病持ちだし)

ただ、本来はかかる税金が20%がないというのはとても魅力的なので、当分の間は生きているという方で、NISAで何を買ったらよいかわからないという方にはお勧めな商品です。

と私が言っても説得力がないので検索してくださいね。

身に付いた金銭感覚は治らない

母が92歳になり、施設暮らしも4年になりました。実は「高齢者は今住んでいるところから動かしてはならない」というのが高齢者に携わる方たちの常識で、私も知っていたのですが、母が施設に行くと自分で決断したので、ご意向に沿いました。

高齢になって判断力が無くなっているし、もともと思考に偏りがあるので、本来は判断をさせてはならないとは思いますが、こちらが「こうした方がいいよ」と言って、もしそれがうまくいかなかった場合は「お前のせいで云々」と、全部こちらの責任にされて延々罵倒されるので、すべて母親に判断させています。

そもそも近所の人の悪口三昧だったので、そんなに嫌なところだったら居ない方がよかろうと思って手配したのですが、今になって「いい人たちばかりだった」「帰りたい」と申しております。

確かに高齢者は環境の変化に適応しづらいので、うつになったりあっという間に亡くなったりしますが、わが母はもろともせずにうつにもならず、元気いっぱいであります。

月に1度程度は訪ねるようにはしていますが、その時には母は「お土産」と言って100均のお菓子を2つばかり持ってきます。3本が束になった魚肉ソーセージのこともありました。

先日友人のお母さまが友人とクルーズ船で日本一周をしたという話と写真を見せてもらいました。全額お母さまの支払いだったそうです。

「すごいね~」というと、「だってお金を持ってあの世に行けないじゃない。この世にいるときに楽しい思いをしなきゃもったいない」とのこと。

そして話をすりあわせると、どうもうちの母とこのお母様の所持金はそう変わらないみたい。

クルーズ旅行にポンとお金を出して、娘と一緒にクルーズ船にのる人と、100均のお菓子をお土産に持ってくる人。

倹約が身についた人というのは、お金があっても使えないもので、私もその部類なのですが、母の場合、人に出させるのは平気なのです。私が負担するときはドンと高いものを要求します。私は使わなくてもいいお金を出すのは私自身も、相手が使うのも「もったいない」と思ってしまうクチです。

お金がないのについ欲しいものをリボ払いなどで買ってしまうという人がいますが、一旦身に付いた「欲しいものは財布の中を考えずに買ってしまう」という癖はなかなか治らないようです。

リボ払いは「借金」ですよ!

子どもに関する手当は18歳まで

離婚を考える時に最初に考えるのは、ひとり親家庭に対してどういう手当があるのかということだと思います。

児童手当、児童扶養手当(通称児扶手)、それに東京都は児童育成手当があります(お住まいの地域にも似たようなものがあるかもしれません)。この手当はすべて子どもが18歳になったら全部終了になります(正確にいうと18歳になった後の最初の3月31日)。

いつも定期的に口座に入ってきたお金が無くなるのはとてもショックです。さらに、手当だけではなく、ひとり親が受け取れる医療費無料や住宅支援なども子どもの成長と共に無くなっていきます。いわゆる18歳の壁です。

18歳と言えば子どもが大学生になる頃。「一番お金がかかる時に手当が切れるのは厳しい」と言われる方はとても多いです。

さらに、教育費にお金がかかるので、子どもが大学を卒業した後は貯金がほぼ底をついているという場合があり、次に老後の不安が募ってきます。年齢的にも収入が劇的に増える見込みは薄く、大体50代後半から細々と老後の支度をすることになります。

こう書いていくと、モラ夫から離れることをためらう方がいるかと思いますが、退職したモラ夫と一緒の生活は相当厳しいです。何しろへたをすると24時間一緒にいるのですから。

行くも地獄帰るも地獄という感じですが、そういう中でモラ夫と決別した方たちは「お金がなくてもひとりで生活できる今が一番幸せ」と言います。

子どもをちゃんと大学に入れてあげられるかをとても心配する方がいますが、今は返還がいらない給付金がとても進んでいますので、一度制度を調べてみることをお勧めします。

知り合いの子が特に有名でもない大学に進学しましたが、この給付金をもらえることになりました。知人宅はシングルマザーではない、夫婦共働いている家庭です。それでも給付金がもらえる。いい時代になりましたね。

所得の多い方は年金分割に注意

離婚するときに多くの方は夫の方が収入が多いので、年金分割の手続きをすると思います。手続きは年金事務所で行いますので、詳しくは年金事務所でお尋ねくださいと書きたいところなのですが、このところ、お役所は「HPを読んできましたか?」といきなり言われることが多く、まずは自分でお勉強をしなければいけないみたいです。

HPではわからないから年金事務所に人に聞きたいのに、何もわからないままに行くと↑のような扱いを受けるかもしれませんので、年金分割をされる方は、ひととおりの知識は持っていった方がいいでしょう。

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/kyotsu/rikon/20140421-04.html
日本年金機構のHP

さて、年金分割は年金の多い方から少ない方へ年金を分割(移動する)する制度です。分割する原資は厚生年金です。大抵は夫から妻へ分割するのですが、妻の方が高収入だったり、夫が自営で妻が厚生年金の場合、夫は厚生年金がありませんので、妻から夫へ分割されます。

分割は大抵は1/2ですが、妻がパートなどそれほど多い収入でない時は必ずしも1/2ではないようです。

このように収入によって夫に年金を分割しなければならない場合があります。婚姻期間によって夫に渡す金額が上がってしまいますので、できるだけ決心は早めにされた方がよいでしょう。老後の千円はとても貴重です。それが万円単位で相手に渡りますので、お気をつけください。

自営業の将来、老後の暮らし

私の実家はサラリーマンだったので、自営業の家の金銭感覚がわかりませんでした。私のサイト内の「OGのお仕事紹介」コーナーでシナモンティーさんがカフェ経営について書かれていますが、その中で

”融資を受けることは借金を作ることなので勇気がいりますが、 飲食経営は「借金は財産」です。滞納しなければ融資の額が増えますので、それだけ信用が付くことになります”

と書かれているのを見て、そういうものなのかーと目から鱗でした。

勤め人しかしたことのない私にとって、自営業は未知の世界です。いっとき「好きな時に本を読んだり、ネットしたりできて快適だよ」とお誘いを受けたことがあるのですが、何しろ臆病なので、お金がどんと入る時もあれば、まったくない時もあるというこの不安定さはとても怖いものがあります。

何時から何時までは体は勤務先のものだから自由にすることはできないという縛りはありますが、その報酬として決まった日に決まった額が振り込まれる安心さには代えられません。

さらに自営業の場合、満額でも65,000円の老齢基礎年金しかもらえないので、勤め人ならもらえる厚生年金の代わりを自分で何とかしなければなりません。

自営業で羽振りのいい人はそれなりにしっかりとたまっているでしょうが、個人営業的な自営の場合は老後2,000万どころの話ではないと思います。もっともっと必要です。あるいは定期的に入ってくる収入を確保する必要があるでしょう。

私も還暦を過ぎ、「友人との会話は健康と年金」というご多分にもれない状態になっています。

シングルマザーの老後は子どもたちが自立した後自分一人の生活になりますから、口うるさいモラ夫といるよりもずっと快適ですが、自分の食い扶持を、確実に自分ひとりで用意しなければならないという重荷もあります。

私は「だれかに生活の面倒をみてもらう」という発想がそもそもないので、すんなり自分の老後の生活設計をしてうまく軌道にのっていますが、生活費は誰かが稼いでくれるものと思っている方が離婚をすると、老後はかなり厳しいものになります。

個人事業主は定年がないからいつまでも働けるとは言いますが、いつまでもは働けません。60歳を過ぎると体力も気力も脳力も衰えますし、客商売ならば沈む一方ということもあります。

私は個人事業主一本よりも、勤め人をしながら副業で仕事をするというのが一番いいと思うので、ずっとその方式で仕事をしてきました。

年金を手にするようになって、それは正解だったなーと思います。

投資は心臓に悪い

よく金持ちは自分のお金を投資に回してさらに儲ける。金持ちはさらに金持ちになる、と言われますが、投資ってものすごく心臓に悪いことですよ。

儲かっているうちはいいけれど、どんな人がやっても失敗することはある。その証拠にプロの投資会社や証券会社がつぶれたりします。プロがやって失敗するのに素人が失敗しないわけがない。

要はその失敗が許容範囲内か、一生の挫折になるかという話です。

「金持ちは投資で儲ける。羨ましい」と言いますが、前述したとおり、投資というのは精神的にとても厳しい状態になります。

もしあなたが100万円持っていて、これを定期預金にしたら利子はほとんどありません。しかしながら減りもしませんので精神的には安定しています。

これを全額危険な投資の仕方をすると(レバレッジをかけるとか)、あっという間に無くなるどころか借金になります。大きくもうけるようなことをするとこうなります。

「いえいえ、そんなに大儲けをしなくてもいいの。でも今の定期預金の金利はあんまりだから、それよりはちょっと増えればいいだけなの」という方。

証券会社が一番のカモというのが↑のようなことを言う方だそうです。「ちょっとだけ増えればいい」という人は知識に乏しく、最高の美味しい客になってくれるとのこと。

証券会社は客からお金を集めて客の代わりに投資し、儲かったら一部を客に還元します。ただし、損をしたらその損も客に還元します。つまり損を押し付けます。自分は損はしないのです。

100万円預けたものが、1週間後に95万、さらに1週間後に90万と減っていく時、とてもドキドキします。証券会社の営業マンは「長い目でみましょう。大丈夫です」と言うのでさらに見守りますが、88万、83万とお金は減っていきます。

投資をしている人たちは、こんなに心臓に悪いことをしているのです。必ず増えるわけではなく、毎朝起きるたびに自分の財産が減っていくという恐怖の中で生活しているのです。

ですから投資の世界では「恐怖指数(VIX指数)」という言葉すらあるのです。

私はこんなに心臓に悪いことをしている人たちは心から尊敬します。精神の安定が何より大事。ドキドキビクビクなんていう生活はしたくありません。

「お金持ちはいいなー」ではなく、「お金持ちはすごいなー(恐怖を乗り越えている)」なのです。

夫が投資で失敗しました

岸田総理が「貯蓄ではなく投資をしましょー」発言がまたまた波紋を呼んでいます。以前「老後は2千万円必要発言」で大騒ぎになった時も、「2千万円必要だから投資しましょう」だったはず。どうしてもお国は投資にお金を回したいようです。

それは、日本人の貯蓄率が他国に比べて圧倒的に高いから。

https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf
資金循環の日米欧比較 2021年8月20日 日本銀行調査統計局

とはいえ、今更急に「投資しましょう」と言われてもお勉強をしていない人たちがにわかにやってもかなり危険であることは確実です。

定年退職をした方は退職金という金脈を持っていますので、ここに証券会社や銀行が灯りに群がる蛾のように集ってきます。そして「2千万円ないと大変ですよ」「安全に増やせますよ」と不安を煽りながら勧誘します。

退職金を持っている方は証券会社と銀行に近づいたらいけません(きっぱり!)

私が相談員をしていた頃、「夫が投資で失敗をした」という方に「毎月分配型」の投資信託で失敗した方のお話を伺うことが結構ありました。

相談員をしていると、いろいろなお話を伺います。そのことについてわからないことは調べて知識を増やします。なのでこの「毎月分配型」についても調べてみました。

詳しくこれについて知りたい方はネットをググってみてくださいね。

ざっと私が調べてわかったのは毎月分配型(「元本払戻金」タイプ)とは

1 一旦大きなお金(とりあえずわかりやすいように10万円とする)を証券会社などに預ける

2 証券会社はそのお金を使って投資する。毎月一定額をあなたに戻すが、そこに投資で得た利益をのせてくる。1万円戻したお金に2千円(利益分)をのせてくるので、2千円儲かったと思う。

3 勘違いしやすいのは、1万円は自分が最初に出したお金から来るということ。まるっと1万2千円儲かったわけではない。

4 これを繰り返すとどうなるか。10万円ー1万円=9万円←これが投資金になる。タコが自分の足を食べているのと同じ。

お金がA金庫からB金庫に移っただけです。全部移し終わった時にA金庫にあったお金よりもB金庫に移ったお金が多かったら(10万円+〇千円)この〇千円分が儲けです。

ただし、投資は必ずしも儲かるとは限りません。1万円で買ったものが5千円になることもあります。このときの損金5千円はあなたが被るのです。

10万円A金庫に預けたお金がB金庫で受け取り終わった時に8万円だったら、2万円損をしたことになるのです。

人間、100万円を1回もらうよりも1万円ずつ100回もらった方が嬉しいという人が多いでしょう。特に年金の他に収入のない方はとってもうれしいと思います。最初に預けた大きなお金は自分のものなのに、毎月そこから振り込まれるお金が嬉しいという人間心理を利用したものです。

もちろんちゃんと会社が投資に成功して儲かれば、10万円+α分の利益をあげることはあるでしょう。あるかもしれないしないかもしれない。これがリスクです。不思議ですね。一回大きく損をすると「騙された」と思えるのに、毎月少しずつだとなんとなくそうでもない気持ちになる。

最終的にB金庫で受け取った総額と最初に納めた金額をちゃんと照合する人がどれくらいいるでしょうか。「毎月2千円くらい足されてくるんだよ♪」と思っている人がいるのかもしれません。

会社は「毎月1万円は必ず振込ます」と契約していますから、その額は下回りません。それだけで満足してしまう。本来ならば10回受け取れるはずのお金が8回しかうけとれなかったら、2回分の2万円は損なのです。

こういうことは利益をあげようとする証券会社や銀行の人から聞くよりも、実際に自分でやられている方から聞いた方が絶対に安全です。