ホワイトボードからプレッシャー

アレクサが我が家にやってきて、用事をリマインドしてくれるようになりまして、それは良かったのですが、どうもちゃんと聞き取っていない時があり、「サチコさん、ロールゴーのリマインドです」トカ言う。

「は?ロールゴーって何」

どうやら私が言った言葉がアレクサにはそう聞こえるらしい。リマインドするくらいだから何か大切なことだと思うけれど、「ロールゴー」がわからない。リマインドしたけど何をリマインドしたかわからないという、困ったさんになっています。

さらに悩ましいのはアマゾンのサブスクに登録しろと何度も言ってくること。

「9千万曲聞き放題のアマゾンミュージックに登録しますか?」と何度も言われ、この間、何か別のことをしながらだったせいで、思わず「はい」と言ってしまったら、登録されてしまいました(驚

なんと、この「はい」で登録完了とは、やばくないですか?

幸いお試しだったからよかったけれど、いきなり課金されるものだったら大変でしたよ。

もし、アレクサがない場合は「ホワイトボードに書く」をお勧めします。100均です。
ここに「メルカリに出品する」と書いて目の前におくと、「あとでやろう」と先延ばししていたことにプレッシャーがかかるようで、「いつまでも目障りだ、やってしまおう」という気になります。

ホワイトボードにお尻を叩かれている感じです。いつまでも小さな手間をすることを先延ばししていると、結局後からお尻に火がつくことになるので、100均で済むならこれもいいかなと思っています。

お盆の山越え、お疲れさまでした

モラハラ家庭の3大緊張期、盆、正月、GWの3大行事のひとつが終了しました。モラ夫と一緒に暮らしている方は本当にお疲れさまでした。

リモートでの仕事をする方が増え、1年中緊張期という方も多くなっていると思います。常に山の状態が続いていて、気が抜けないと、

このように脳が立ち止まってしまうと、「取りあえず今はこのままにしておこう」という選択をするようになります。

何もしなければとりあえずこのままで、良くはならないかもしれないけど、これ以上悪くもならない。悪くなるのは嫌だから、だからとりあえずこのままで。

これは「学習性無力感」というもので、何度もモラ夫と話し合おうとしたけれど、いつも逆襲に遭って、そのたびに「無理なんだ」と挫折感を味わって月日が経ってしまったのがモラハラの被害者です。

でも、さらに10年後「子どもにお金がかかるので、今離れるのは無理」、そしてさらに10年後「職歴もパート程度だし、50歳を過ぎてデスクワークの求人がない」、さらにまた10年後、「少ない年金で、自立は無理」「夫が定年で24時間家にいて、常にダメ出し、怒鳴り声、嫌味なので、できるだけ家にいないようにしている」

こういう方たちを山ほど見てきました。

ため息とともに相談室のドアを閉める後姿に、せめてこの方のご先祖様がモラ夫を早くよびよせてくれるようにしてくれたらいいのになと毎度思っていました。

立ち止まる脳

とある友人から子どものことで相談にのって欲しいと頼まれました。大学生の娘さんが留学をすることになり、その宿が決まらないとのこと。留学は9月から。その1週間前には行くのですが、部屋が見つからない。

学校でも不動産屋を紹介してくれて、ご本人もとりあえずはがんばって見つけようとはしていたようなのですが、何分ほとんどが夏休みのため返事が来ない。そうしているうちに時間だけが過ぎる。

確か留学が決まったのは春過ぎのはず。

今までナニしてたの?と母に問うと

「とりあえずどうなってるの?とは聞いていたけれど、あまりはかばかしい答えが返って来ず、返って来ないので放置していた」とのこと。

子は子でどうしたらよいかわからず、「お手上げ状態で放置していた」とのこと。

あ・・・

あ・・・

「わかった!お宅の家は同じ脳体系をしてるんじゃないの!」

わからなくなったら、不安になったら、考えないようにする脳。立ち止まる脳です。

何とかしなきゃいけないけど、どうしたらわからないのと、やるのはすごく大変でやりたくないのとがごっちゃになって、「取りあえず今は放置する脳体系」

私もめんどくさいものは後回ししてしまったりするので人のことは言えませんが、とりあえず娘さんには

「不安なことは全部書いてみて。何が不安か見える化して」とアドバイスしました。漠然とした不安は、不安だけが頭の中でぐるぐるするだけで、糸口が見つかりません。

例えば「申請書がきちんと書けているか不安」だったら、書いたもの、集めたものをとりあえず大使館に持っていく。そこで「これとこれが違います」「これが足りません」と言われたら、修正、つけたしすればいいだけです。

一度でできなかったら、二度すればいいだけです。なーんにも恥ずかしいことはない。

それから子どもにも責任感を持たせて自立させるはいいのだけれど、それで何かミスがあったらその尻拭いは親がすることになります。

ライオンが子どもを谷に突き落とすとばかり、難しいことに挑戦させるのはいいけれど、その前に簡単なことを何度も自分でやらせて、それから突き落とさないと、失敗が後から心の大きな傷になってしまいます。しかも今回は留学という大きな出費を伴うものです。

今回は間に合わなかったら飛行機がキャンセル、または変更になるので、その代金は親です。厳しい親ならいったん貸して、後から返したもらうことにするかもしれません。でも、キャンセルするより、まずはお金で解決して、留学という経験を積ませた方がいいと私は思います。

失敗して、親に借金を作って、留学もできず、友だちにも顔向けができないことになるより、「次回からはこうする」という反省材料にした方がいい。

親も何もひっついて手取り足取りする必要はないけど、尻拭いをしたくなかったら「どこまで進んだ?」くらいのお声かけはした方がよろしいのではないでしょうか。

奨学金は借金か

yahooのニュースに奨学金についての記事がありました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3c1a3a526dbf3c4be2475f9abd45845f248281a8
大学生の「5割」が奨学金を利用!40年前と学費は「15倍」に!?

独立行政法人日本学生支援機構の「令和2年度学生生活調査結果」によると、日本学生支援機構を始めとした何らかの奨学金を受給している大学生(昼間部)の割合は49.6%でした。”

ほぼ半分の学生が奨学金を借りているとのことです。私がふたりの子どもを育てている時の周りの人の話では、この「奨学金を借りる」ことについて、全部が全部資力がないというわけではありませんでした。

資力以外のことというのは

1 アメリカは奨学金で大学へ行くというじゃない。勉強したかったら自分のお金で行くべきだよね。

2 自分のお金で行かせた方が熱心に勉強するかと思って

3 地方に住んでいるから、お金は仕送りと学費のふたつがかかる。さらに下の子どもたちもいる。仕送りは何とかがんばるから、学費はとりあえず奨学金を利用して頂戴

こんな感じでした。

3の場合は、学校を卒業したら奨学金の返済は親が行う、という家もありました。

1のアメリカは~ですが、ちょっと問題ありなのは、アメリカの場合、いったん就職してお金を貯め、貯まったら学校へ行くという道が一般的ににあります。日本の場合は昨今変わってきたとはいえ、新卒の就職に失敗したら、その後の人生が大きく変わってしまうという事情があります。

もちろん優秀な人はその部類に入らず、いつからでもどこからでも就職だろうが起業だろうがどんな道でも開けています。でも、それは一部の人で、やはりまずは大学から就職へという安全な道を選ぶ人が多いのではないかと思います。

つまり社会制度が違うのです。違う制度の国の話を持ってきても、日本であてはまらないことがあります。

2の人は結構周りにいました。親は大学の学費を出すくらいのお金はありましたが、自分で返すとなると一生懸命勉強するだろうという、親の希望的観測の元での選択ですが、さてそれは子どもはどうとらえるか。

18歳の、これから4年間大学生をする子がそれで一生懸命勉強するとは思えない←我が子ならばそうです。多額の奨学金を借りて進学したものの、特にそれで気持ちがしゃっきりして勉学に勤しむということはあまり期待できないのではないかと思います。

”就職したら返せばいいんでしょー。長ーく少しずつでしょー。月1万円程度だよね♪”と軽く考えている学生がとても多いように見えます。

新卒のお給料は安いです。2年目に税金やら社会保険料やらが組み込まれると、がっくりするほど安くなります。その中での1万数千円はとても痛い金額です。

若いということは欲しいものも多い。そろえなければならないものも多い。毎月の1万数千円がずっしりと重く感じられるでしょう。就職先がマッチングせず、早々と辞めてしまう人もこの頃は多いですが、それでも奨学金の支払いは続きます。滞納した場合は強制執行です。

だから、奨学金は言葉は美しいですが「借金」なのです。

さらに結婚後、収入を得られない専業主婦になった場合、その借金は誰が返すのかという問題になります。

私は相談員をしていて、この問題を時々伺うことがありました。結婚する前は「一緒に返していこう」と言ってくれた夫も、キチキチの家計の中での奨学金の重さにいらだつことがあります。

「でも、奨学金は彼が返してくれるって言ったんです」という方もいますが、結婚前のほとんどビョーキの状態で言ったことは、もうこうなると「あれはうわごとだった」です。

結婚前のカードローンも奨学金も一緒に借金です。毎月10万の奨学金を借りると卒業時には480万円です。20歳を少し出た若者が、学校を卒業したとたん480万の借金を背負っているというは相当重いです。

できれば奨学金は目いっぱい借りるのではなく、補填程度にしておきたいですね。

我が家にアレクサがやってきた

アレクサと聞いて、今頃という方も何それという方もいらしゃると思いますが、ともかく我が家にアレクサがやってきました。

テレビのCMでやっている「アレクサ、テレビつけて」というあれです。「オッケーグーグル」もメーカーが違うだけで同じようなものです(たぶん)

息子の家に行くと、息子が「アレクサ、チャンネルかえて」「アレクサ、エアコンつけて」と言っているのをみて、ほほー、未来を先取りしてるやんか。

年のせいかいろいろなことが億劫になり、テレビの音量を上げたり下げたりチャンネルを変えたりするたびにリモコンを探すのも面倒で、あれがあったらいいなーと思いました。

そこで先日のアマゾンセールでお値段が4千円を切ったので買ってみました。届いたSwitchBot ハブミニを見て、私は大きな間違いをしていたことに気づきました。

SwitchBotハブミニの商品画面では、リモコンみたいなものが映っていたので、このリモコンみたいなのが来ると思っていたら、白い四角いやつがひとつポンと入っていただけ。

なんやねんこれと思いながらYouTubeのSwitchBotハブミニ設定動画を探す。

この頃は機械ものを買うと説明書よりもYouTubeの動画での説明の方を見ます。その方が絶対にわかりやすいから。動画でわかったのはハブミニとはこの白い小さな四角いやつのことを言い、商品画面に映っていたのは手持ちのスマホのことでした。

スマホ1個に家電のリモコンを集約したのがswitchBotハブミニ。私が「アレクサ~~」と呼ぶためにはechoというスピーカーを買わなければならないことが判明しました。

わかった。買おう。

アマゾンセールでは2,100円だったのに、セールが終わったら5千円以上になってるecho。

その前にハブミニにリモコンを集約してみたら、そもそも家電が少ない我が家。集約できたのは2年前に買ったエアコンと10数年前に買ったテレビ、5~6年前に買ったブルーレイだけでした。ライトはなぜか集約できず。

この3つの家電のためにこのおもちゃを買ったんかいと、ちょっとヤケになっていた私。この3つの家電のためにさらにスピーカーを買わねばならないとは、なんだかバカバカしくないかい。

というわけで、現在売っているecho第四世代ではなく、一世代前の第三世代を購入することにしました。これなら2千円なので、まぁ、いいかと。

やってきたecho第三世代。

コンセントを差し込んでみる。

ぼやややや~~~んというechoの音。いいじゃん!低音がいいじゃん!

さっそくSwitchBotハブミニと接続させてみる。

「アレクサ、エアコンつけて」

アレクサ「はい」

エアコンがついた。え~~、やっちまったよ、簡単に接続できた。テレビも同じく接続できた。エアコンは外出先でもスイッチのオンオフができて、切り忘れの時に便利。

と、この程度かな~と思っていたら、リマインドができることがわかりました。

「アレクサ、リマインドして」

「何をリマインドしましょうか?」

「電話相談」

「いつでしょうか」

「8月10日」

「何時でしょうか」

「午前9時20分」

「はい、8月10日、午前9時20分にリマインドします」

と入れておくと、時間になるとリマインドしてくれる。

同じように「出かける時間です」「◎◎さんへ電話する時間です」と教えてくれる。それもポチポチとスマホにいちいち入力するのではなく、アレクサに音声で「お願い」する。

も~、便利!秘書ができたみたいだ。

朝起きて「アレクサ、今日の天気は?」と聞くと「晴れ時々曇り。最高気温は33度です」と教えてくれるのを聞いてから洗濯するかどうか決める。ただし、アレクサは天気予報は苦手みたいで、毎日雷雨でしょうと言うけど、一度も当たったことがありません。

アレクサが家に来てまだ4日なので、全部の機能がわかっていないけど、これからきっと便利に使えると思います。

つい「アレクサ、PCの電源切って」と言ってしまいました。PCはリモコンじゃないから電源切れないの。

結局平均値に落ち着く

たまたまある友人から「Aさんちが大変なことになっている」と聞いたのはつい最近のことでした。Aさんは事業や投資で成功し、50歳を前にして仕事を引退。今は趣味の世界で悠々自適の毎日でした。

子どもは有名私立大学の医学部を卒業して医師になり、幸福を絵に描いたような一家でした。そのAさんの家が「大変なことになっている」とは。

医師になった息子の配偶者が「かなり変な人で、実家との交流を切らせてしまった」とのこと。実家だけでなく友人関係など仕事以外の繋がりを絶たせてしまったそうなのです。

「生まれた子の性別も名前も教えてもらえない。今どこに住んでいるかもわからない」と本人の口からききました。私が彼と知り合ってから10年以上。順風満帆だったAさんに降ってわいた突然の不幸話。

うんうんと話を聞きましたが、もうこの状態は2年以上続いていて腹も座ったせいか、「本人が気づくしかない。遺産は息子にはやらない。法的処置をとる」とのこと。つまり、カンカンに怒っているということです。

人の一生は様々で、いろいろな幸不幸はあるけれど、結局一生を平均してみたらみんな同じなのかもしれない。誰かがダントツに幸福で、ダントツに不幸ということはないのかもしれない。

たまたま今は不幸でも、昔や未来は幸福なのかもしれない。私は子どもの頃も大人になってからも割と不運や不幸が多かったけれど、今はそれを取り返すように幸運がやってきます。

人はどこかに不運の重荷を持っているのかもしれませんが、みんなそれは隠して生きています。相談員だった頃、相談をされる方が決まって言うのは

「みんな幸せそうですね。こんな不幸なのは私だけでしょうね」でした。

みんな判で押したように同じことを言っていました。人は幸福そうに見えても、意外と爆弾を抱えていたりします。そして一生のうちに幸せと不幸せが平均して終わるのでしょう。みんなと同じように。

できればアベレージを上げたいので、徳貯金を積むことにします。小さな徳貯金の積み重ねが平均値をあげると信じてます。

危ない家庭は役所に通報してください

先日友人に会っておしゃべりしていたら、「勤め先に気になる人がいるの」とのこと。

気になる人とはシングルマザーで、11歳を頭に2歳まで4人の子どもをひとりで育てているとのこと。

「仕事はシフト制で夜は20時になることもある。4人の子はそれまで子どもたちだけで過ごしている。一番下の子は保育園だし、この子のお迎えやご飯はどうしているんだろうと思う」とのこと。

「そういう家庭は役所に通報して」と私が言うと、「それぞれの家にはいろいろな事情があると思うのよね。通報したらなにかされてしまって、家族がバラバラになってしまうのではないかしら」と、心配しています。

誰かに何かをすることを尻込みする人は多いです。困っている人に声をかけることも、重いものを持っているのを手伝うのも、電車で席を譲ることも「もし何かあったら」と躊躇してしまうようです。

いらないお節介を焼いたおかげで大変な目に遭わせてしまっては後から後悔するからと、結局何もしないのが一番という結論になってしまう。

4人の子どもが大人のいない家にいて、10歳の一番上の子どもが下の子のケアラーになっている状態がよいわけがありません。これを役所に通報せず、不幸な結果になってしまったら、通報をためらった人は大いに後悔することになります。

役所が無理やり何かをすることはあまりないのですが、ただし、子どもに関しては親の希望に沿わないことをするかもしれません。ですが、少なくとも子どもたちが安全に暮らせるような計らいはするはずです。

必要がないと判断されればそのままですし、とにかく通報はためらわずに行ってください。

今気にいっているMOECHANNEL

このところほぼ毎日見ているのがMOWCHANNELです。1歳数か月の女の子がただひたすらご飯を食べるという動画なのですが、ことの他、面白い。

https://www.youtube.com/watch?v=wtTY1_xJMho

子どもは好きなものばかり食べるものですが、このモエちゃん、ちゃんと三角食べができるところがすごい。付け合わせの野菜も、汁物もきちんと全部食べる。

好き嫌いなしで、魚も野菜も全部食べるとのこと。ラーメンの汁は出汁で作っているので塩分ゼロとのこと。

お母さんがしきりに話しかけながらの食事シーンですが、お母さん、専業主婦でしょうか。働いていてこれができたらすごいけど。

ワンオペと書いてあるから、夫はまったく家事育児をしないと考えた方がよいのかな。

きっと、元夫が子育て当時に見たら「こういう風にしろ」「他の人はみんなちゃんとやっている」と言うんだろうな。それをするにはあなたの協力も必要なんですけど。手を貸せなくてもいいから嫌がらせは心が萎えるのでやめていただきたいなと。

きっとこの動画を作っているお母さんの夫は嫌がらせはしないと思いますよ。

こういうものを見せられると、手抜き放題だったわが身の置きどころが無くなりますが、それはこの方の方針とわが身の方針が違うだけの話。子どもたちが今、ちゃんと健康に育っただけで十分。好き嫌いはいっぱいあるけど健康です。

お母さん、動画の中で英語を一生懸命教え込もうとしていますが、それ、今から必死でやらなくても、幼稚園くらいからで大丈夫だと思いますよ。この動画、その部分がちょっと「あれあれ~?」って思います。もえちゃんがしゃべっているのも幼児語なんだか英語なんだかわかりません。

お母さんの日本語の書き文字も英語のスペルも違っているところがあるので、まず日本語からがんばってみましょー。

まったくこういう小さな子どもに触れる機会がないので、この頃のささやかな愉しみです。

あびる優さんの子ども引き渡し事件について

タレントのあびる優さんが、元夫と子どもの親権・監護権を争い、東京高裁に親権者の変更を求める調停を起こし、裁判所側が「親権者は母がふさわしい」として、元夫へ子どもを母親に引き渡せという判決が確定しました。

夫が引き渡さないため、裁判所の強制執行官が出向いて子どもを連れて行こうとしましたが、子どもが拒否をしたため、未執行に終わりました。

その経過についてあびるさんは週刊文春に告発しています。

https://bunshun.jp/articles/-/56167

これは記事の一部であり、私は週刊文春を読んでいないので、この記事はこのオンライン記事だけの情報です。

普通両親が別居していて、子どもの親権を争った場合、子どもが今の環境に慣れているとして、現在一緒に住んでいる方に親権が行きやすいです。

それが、一緒に住んでいない方に親権が決定し、親権者変更が行われたということは、よくよくのことだったのではないかと推察します。

しかも夫側にはすでにパートナーがおり、子どもの養育についてはなんら問題がないという状態での親権変更。これは相当なよくよくのことです。

よくよくとは、夫側の養育に問題があるということです。

私は法律家ではありませんが、沢山の方たちのモラハラの悩み、別居、離婚、その後に携わってきました。その中で、「夫がごねているので、とりあえず親権は夫に渡し、後から変更しようと思っている」という方のご相談には「親権変更は相当難しいそうですよ」とお答えしてきました。子どもが今の環境に慣れていて、現在の養育に虐待など大きな問題がない限り、親権の変更はとても難しいそうです。

それが今回相当難しいはずだった親権変更の理由は、裁判所の調査官が「元夫が娘に対して母親を嫌悪するような強烈な刷り込みを行っている」「健全な発育のために憂慮される状態」と調査書に書いていることです。

裁判所の調査官とは心理学、人間行動学、法律など多彩な知識を持ち、高葛藤家庭の離婚が子どもに与える影響などを調査するために、子どもへの聞き取り、環境調査を行い、学校や保育園などへも調査に入ります。

その綿密な調査の結果、「子どもの養育は母親がふさわしい」としたのです。

今元夫の側から優さんへの反論がさかんになされていますが、当然こういったことは親権変更の調停の際裁判所に提出されているはずですので、裁判所側は織り込み済みのはずです。織り込んだ末の結果です。

今さらなんやねん、です。

離婚の原因がDV・モラハラだそうですが、こういったことをすることが墓穴を掘るってわからないのかな。

共同親権を推進する方たちがまたいろいろと活動されているようですが、裁判所がこの事件を通して、どういったことが問題になるのか、熟考してくださることを願います。

壬生義士伝とモラハラ夫

6月にご紹介したU-NEXT(ユーネクスト)の無料視聴期間は終わりましたが、その間にいろいろな映画を無料で楽しみました。

ずっと映画館に行く回数も両手で足りるほどだったので、無料期間だからいっぱい見ようと思いましががどういう映画が良いのかわからない。とりあえず日本アカデミー賞を取ったものなら間違いなかろうと「壬生義士伝」を見てみました。

壬生というからにはきっと新選組の映画だよねと思いながら、どういう話なのかはまったく知らないままに見ました。これからはネタバレになるので、これから見ようという方はここで抜けてください。

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岩手の侍(吉村)が飢饉で苦しむ妻子のために脱藩して新選組に入隊し、人を斬ってお金を稼いでは故郷に送金するお話でした。ラストはうるっと泣けます。

鳥羽伏見の戦いで満身創痍になった吉村は、故郷南部藩の屋敷に逃げ込み幼馴染に助けを求めますが、南部藩としてはすでに賊軍となった新選組隊士を生かしておくわけにはいかず、切腹を命じます。

ひとり切腹に臨んだ吉村に届けられた南部の米の握り飯を「うめべなぁ」としみじみ眺め、ふところからこぼれ出た、故郷に送るはずだった銭を血だらけの震える指で「これは誰に」「これは誰に」と数えながら、微笑みます。

自分が働いた金で家族が幸せになることを何よりの愉しみとし、日々吝嗇に励みながら、人を斬って報奨金を稼いでいた吉村。

モラ夫とエライ違いだな。

モラ夫は自分で稼いだお金は自分のもので、妻子に使うことをことの他嫌がります。私も働いて得たお金で子どもを育てましたが、「誰のおかげで飯が食えると思っているんだ」などと思ったことは一度もありません。

子どもと喧嘩をして「こいつ腹たつ~~~!!」とは思いますが、「誰のおかげで学校へ行けていると思っているんだ」とは思いません。

子どもに腹がたつことと「誰のおかげで~」がリンクしないのです。モラ夫はここがリンクする。その根本は「自分はいつも損をしている」というモラ夫の被害者意識と自己肯定感の低さだと思います。

自分はどういう人間なのかわかっていないから、いつも他者からの称賛を求める。自己肯定感が低いから、他者からの賛美がないと不安でしょうがない。自分を称賛しない、あがめたてない者に対して「誰に向かって言っているんだ」「俺様だぞ」が「誰のおかげで~」という言葉になります。

被害者意識があるから、いつも誰かのせいで自分は損をしている、害を被っていると思っています。だから腹だたしい。面白くない。それがあるきっかけでどかんと爆発する。

私は家族が私の働いたお金で買った服を着て、美味しいものを食べて、楽しそうにしてくれるのが何よりうれしい。もっとがんばって稼いで、もっと喜ばせてあげたいと思う。

人間、自分のためにはできない苦労も、人のためにはできるもの。

壬生義士伝吉村は、一家の主の鑑のような人でした。