こちらの続きです。
あんまり母の悪口ばかり書くのもなんなので、いいこともたまに書こうかと思います。
この夏、母の施設に行って一緒にご飯を食べた時のこと。「途中何か買って持っていくから」と言っておいたのですが、母は焼きおにぎりを作ってくれていました。
母は食べ物屋の娘なので料理が上手です。焼きおにぎりも私が作ると表面が固くなったり、お醤油が多すぎて崩れてしまうことがあるのですが(そもそもこの頃は冷凍焼きおにぎりで済ます)母が作るものは表面は固くなく、こんがりと焼き色のついたおにぎりなのです。
私は鰻のかば焼き(国産)を奮発して持っていったので、おにぎりとかば焼きという不思議な食卓になりました。でもそのおにぎりを食べながら、「この人は本当に料理が上手だなぁ」とかば焼きよりもおにぎりの方に手がのびます。
子どもの頃、病気の時に生姜湯を作ってはくれませんでしたが、おかゆは作ってくれました。米から炊くおかゆです。多分私が食べたことのあるおかゆの中で断トツです。
もう94歳になるので明日はわかりません。普段の生活の中でなかなか重い存在ではありますが、もし母が亡くなったらもうこのおにぎりは食べられないんだなぁと、それは残念でなりません。もはや無形文化財です。
また母のところに行くときは「こんどは味噌おにぎりを作って」と言ってみることにしようと思います。小さな頃お腹が空くと母がちゃちゃっと握ってくれた味噌おにぎり。
まー、悪いことばかりの人でもなかったということです。