死別と離別の違い

こちらの続きです。

まだいっぷくさんは気づいておられないようですが、籍が入ったまま夫が死亡しているので、いっぷくさんは法律が変わらない限り一生寡婦控除を受けられます。これは離別だと寡婦控除はないので、不平等だと評判の悪い制度です。

本来であれば遺族年金も手に入れられるのですが、夫さんは無年金だったそうなので、こちらは残念ながらということになります。

相談員をしていた時、この手のご相談を沢山受けてきました。熟年の方たちは「離婚した方が得か、せずに別居だけしておいた方が得か」でご相談に来られます。

夫が厚生年金の方は「夫が亡くなれば遺族年金や遺産が入りますよ」とお話しすると、ほぼ100%の方が「私が先に死ぬこともあります!」と強く仰います。だったら離婚するのかと思えばそうでもない。

別居だけの方はいっぷくさんがそうだったように、もし夫が介護が必要になった場合、知らんふりすることができるか。籍はまだあるわけだから、どんな責任をとらなければならないのかなどを考えておられます。

世の中にはいろいろな形態の家族がおり、様々な考え方があります。離別した夫でも面倒をみる元妻もいれば、籍が入っていても一切関知せずの人もいます。その考え方は人それぞれなので、誰に何を言われようと自分の考え方を通すのが一番だと思います。

この頃私の周辺では妻が先に痴ほうになったり、体が不自由になるケースが多くみられるようになりました。まだ60代です。男性の場合自分が介護されることを想定して人生設計をしていたのに、自分が介護することになるという、予想外のことに戸惑っています。

モラ夫が手厚く介護するとは思えませんし、実際妻が使えなくなったらさっさと離婚したケースもありました。本当に人はいつどうなるかわかりません。計算通りにはいかないものと考えていた方がよさそうです。