養育費が払われなくなったら強制執行

よく公正証書を作ったり、離婚調停をするときに「もし養育費が払われなくなったら強制執行ができますよ」というアドバイスがあります。そうかと安心している方も多いかもしれませんが、実際はいろいろとハードルがあります。その一番高いハードルは「強制執行できるのは夫に収入があること、自営業でないこと」というハードルです。

強制執行するものは大体相手の給料なので、自営業者から強制執行しようとすると、会社の業績が悪いので払えないなどと言い出しますからこれは難しい。また給料所得者でも払わない夫の中には職を転々とする夫もいるので、どこで働いているか突き止めなければならないという関門があります。

これを考えると、本当に日本は変な国だなぁと思います。こういった債権回収を当事者である妻(あるいは夫)が個人で行わなければならないというのは先進国ではそう多くないそうです。大抵は国がいったん決まった養育費を建て替え、それを父親に税金と一緒に請求する、または夫から先に支払わせ、それを子どもへ渡すというやり方です。つまり債権回収は将来税金を納めて国を作っていく子どもたちを育てるため、国がやるものなのです。

それが日本では個人でやれという。どこで働いているかわからない場合も自分で突き止めろという。なんじゃこりゃ、です。

さて「強制執行をすればいい」と簡単に言いますが、実際の強制執行はそこまで簡単ではありません。第一段階として、もし調停で決まった養育費が払われない場合は裁判所に1本電話をして「養育費が払われないので払うように言ってほしい」と言えば何の手続きもいらず、裁判所から支払い義務者に連絡してくれます。これは簡単。

面倒くさいのはそれでも払わない時の強制執行です。

以前掲示板で笹ベアさんが「弁護士に頼むとお金がかかるので自分でやった」という書き込みがありましたので、どういうものか探してみました。

まずは裁判所のHPをじっくりと見てみる。

https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/youikuhi-tetsuzuki/index.html
養育費に関する手続き

ふむふむ。裁判所の手続きで取り決めがある(調停をやった)場合は履行勧告ですね。