「幸せなカサンドラ」講演会の感想

以前告知したSORAさんご夫婦の講演会が10月2日、行われました。私はWebで拝見したのですが、本当に興味深い講演会でした。

かけあい漫才のようなご夫婦の会談とSORAさんだけ、夫さんだけの単独になり、会場参加者からの質問に応じるという設定もありました。

この講演会のタイトル通り、SORAさん宅は今とてもよい関係になっていますが、そうなったのはある出来事があったからだと夫さんは語りました。

そのある出来事とは何年か前SORAさんから別れを告げられ、実際いなくなってしまったことがあったそうです。その時初めて夫さんはSORAさんが自分の前から消えてしまったこと、その原因は自分がSORAさんにとても迷惑をかけていたからだということに気づいたからだそうです。

この迷惑をかけていることについてはSORAさんはたぶんずーーーっと伝え続けてきたと思うのですが、おそらく聞いていないか、聞いていても理解できなかったのではないかと思います。

夫さんからはよく「自分には今しかない、過去のことは忘れているし、未来のことは想像できない」と話していました。過去に失敗をしてもそれが経験となることがないのだそうです。将来のことも想像できないので、「もしこうなったらこうなる」という作業ができないのだそうです。

だから妻が「私は出ていきます」と言っても、妻が出ていく=いなくなる=どうなる?がわからない。想像できないから自分の行為をやめない、やめる必要がない、わからない。

実際に妻が家から出て行ってから、妻が家にいないということを実体験して大慌てになったそうです。

ただ、これはASDだけでなく、普通の人でも同じなのではないかなーと思います。

妻に傍若無人な行いをする→何度やめてと言ってもやめない→怒って出ていく→慌てて謝りにいく

こんなことはモラハラでなくても普通にあります。ただ、普通は1度妻が家を出たら、もうコリゴリなので、反省して大人しくなるものですが、モラ夫の場合は妻が戻るとまた元通りのモラハラを始めます。3日で元通りになる場合も1か月で戻る場合も期間は様々です。

だからSORAさんの夫さんが妻から去られてしまい、反省して、自分はどうすればいいのかをずっと考えている夫さんはモラ夫じゃないな~と思ったのです。

婚姻費用は申し立てた月から

もしまだ離婚に迷われていて、でも家から避難された方は婚姻費用を裁判所に申し立てることをお勧めします。電話相談では「夫は裁判所に来ないと思う」という方が大半ですが、それでもダメもとでやってみましょう。やらなければ始まりません。

裁判所から呼び出しが来て始めて「これはマズイことになった」と悟った夫は、大体みんな「婚姻費用」という言葉を検索して婚姻費用の存在を知ります。

少し前、どこのサイトで読んだか忘れたのですが、婚姻費用を払わなかった夫は払わなかった期間未払いとなり、百万単位の請求をされたという結末になったコミックがありました。

そう。婚姻費用は申し立てた月からなのです。相談員をしていた頃によく「31日に申し立ててもひと月分もらえるのですか?」と質問されたことがありました。私もわからなかったので、わかりませんと答えていましたが、調べてみると必ずしも1月分をもらえるわけではないようです。

払う方からの要求で、日割りにするというやり方もあるそうなのです。妻たちが一生懸命婚姻費用や養育費を調べているように、払う方もいろいろ調べてから裁判所に行くようで、日割り計算という方法もあるそうなのです。

夫と妻の収入の差が大きければひと月分の婚費も大きな額になりますので、たかがひと月と言っても大きなお金です。できれば月の半ば頃までに裁判所婚姻費用の申し立てをした方がいいですよね。