山口県阿武町で給付金4,630万円が誤送金された件。これは役場の新人職員(役所に入ってまだ8日目!)がミスってしまったということなのですが、私はこの新人を責めるのは違うのではないかと思います。お金を使ってしまった人が一番悪いのは当然ですが、次に責められるとしたら、このセクションの責任者です。役所なら課長クラス。
大体仕事は決裁がなければできないもの。ミスはそこで発見しなければならないもの。この部署は3月末までベテランの女性職員がいたそうです。たぶん仕事の全部を彼女が掌握していて、まかせっきりだったのでしょう。
上司もよい言葉で言えば「信頼していた」。悪く言えば何もせずに判子を押すだけマシーンになっていたんだろうなと思います。
職場にはよくこういう女性がいます。長くその部署にいて、責任感があって几帳面で仕事がでいるので「彼女に任せてるから心配ない」という方。ただ、いつまでもその部署に居させるわけにはいかないということで、異動させ、新人を配属したのだろうと思います。
#大きな組織ではやたら異動する人と、本来なら5年程度で異動するのに長~くその場にいる方がいます。今回の方のように仕事ができるため、その職場に無くてはならないので異動させられない場合と、行く先がない(仕事ができない、問題があるため引き取り手がない)ために長~くいる場合とに分けられます。どちらかは見ればすぐわかる。
「仕事ができるので長くその場にいる」というのは男性ではあまり見かけないですね。できる男性はポンポンと短期で異動を繰り返して昇進していきます。反対にできる女性は割と長く同じところにいますね。
もし上を目指すなら異動はした方がいいですが、本人が「異動はストレスなのでしたくない。ここがいい。上は目指さない。給料がもらえればいい」となれば長~く同じところにいることになります。
ともかく、この女性の仕事は新人でも務まると思っての異動だったのでしょう。でも実はものすごく神経を使う専門的なものだったということに役場は初めて気づいたでしょう。彼女だったからできていた。もしかしたら、彼女は2人分働いていたかもしれません。そういう人、いるいる。
女性はひまわりのように大輪で目立つわけではないけれど、しっかりと根を張って地面を支えている。そういう人は職場には欠かせないということを、世の中の人には気づいてほしいと思います。