この続きです。校正の段階で私の紹介文が「モラハラを世の中に広めた先駆者」になっていたのですが、先駆者は私ではないので、表現を変えていただきました。
モラハラはDVですが、家庭内に暴力があることは当然とされていた昭和の時代に、暴力は許せない行為だ!と活動や被害者支援をされてこられた方々こそ、本当の先駆者です。
その方々は、もう70代以上になりますが、地道に世の中に「妻を殴るのはイカン!」「言葉の暴力もDVだ!」と世の中に訴え続けてこられました。夫から逃れてくる方々をかばい、シェルターを作り、支援活動もされてきました。その多くはボランティアの方々です。私たちが声を上げられるようになったのは、この方々が道を作って下さったからです。
時には「ウーマンリブ」と呼ばれ、「キーキーとわめきちらすおばさんたち」と揶揄されながらも、決して諦めず男女平等を声に出して活動して来られました。
モラハラは男女や立場の強弱に関わらず、どんな関係にも存在しますので、必ずしも男尊女卑がすべてのモラハラの原因とは言えませんが、少なくとも家庭内モラハラは昔ながらの男尊女卑の思想が根底にあります。それは夫だけでなく夫の両親や実両親、親戚、友人、被害者を取り巻く人たちの誤った考え方により、「妻たるものは我慢して当然」と、被害者を苦しめる原因になっています。
日本におけるDV支援のベースは内閣府で、その下に各都道府県、その下に自治体の男女参画センターや婦人相談所などの女性センターがあります。全国必ずあります。この女性センターを作って下さったのも、地道に取り組んでくださった支援者の方々の応援のおかげです。
モラハラが広がったのは、この方々が道筋を作って下さったからです。
改めて先駆者のみなさんに厚くお礼を申し上げたいと思います。