地方は都会と違って小学校受験も中学校受験もほぼありません。唯一あるのはその地域にある国立大学教育学部付属小学校や中学校の試験です。時には付属幼稚園もの時もあります。
東京に転居して、たまたま青山あたりを歩いていたら、子どもと一緒に歩いてくる若いお母様方の服装が揃えたように同じ、紺色のスーツなのです。それもリクルートスーツとは違う、明らかに上質でお高そうなスーツ。
ははー、これがいわゆるお母様用お受験ルックというやつかーと思いました。
#ホントに実在するんだね
地方には幼稚園受験というものはなく、願書をもらってきて記入するだけ。幼稚園は近場のところです。小学校は公立で中学は前に書いた教育大付属をねらうか、お嬢様が行くミッション系の中学へ行くかですが、もうほとんどは公立中学校です。
だから地方の場合、15の春が己が学力によって選別されるという、初めての試練になります。
みんな手を取り合って仲良く一緒には15歳まで。それ以降はたった1度の試験によって選別され、それぞれのルートの道を歩み始めます。
しかし!ここにしっかりと書いておきますが、私が高校受験をした時には、「女子の合格点」「男子の合格点」というものが存在していて、志望校を書くと、担任からは「お前が男子だったら合格だけど、女子なので難しい」と言われたことです。
40年以上前のことと言ってしまえば終わりですが、平然と女子と男子では差別があり、それが世の中では当たり前のことで、私自身も「こんなことで差別されるなんておかしい」とも思わず、当然として受け入れていました。
でも、もしこれが当然として世にあるならば、税金の支払いも男女差をつけて欲しい。公立高校入試の点は男子が有利で、税金は同じというのはおかしい。女性の場合安くするべきだろうと今は思いますが、当時は男女に差があることをごく普通のことと思っていました。
後年、学校関係者にこの差別について聞いたところ「男子は卒業後大学へ行く。女子は進学する子が少数で、それも地元の短大や専門学校で、進学率を上げられない。さらに、男子は就職して偉くなり、卒業生として学校の運営に力を貸してくれるが、女子はそれがない。だから男子を取りたいのは当然」と言われました。
何しろ40年以上前の、「女の子はいいお嫁さんになるのが幸せ」がまかり通っていた時代の話なので、時代背景もあるのだろうけれど、なんだかどうしようもない時代で生きていたんだなぁ。