いま、風が吹いているー向田邦子さん

先日用事ができて、超久しぶりに電車乗って渋谷に行くことになりました。緊急事態宣言で夜も昼も外出するなとのお達しが出ていますが、これは仕方がない。用事ひとつのために渋谷に行くのもなんだなぁと思い、目に留まったのは

https://www.spiral.co.jp/topics/art-and-event/mukodakuniko

向田邦子没後40年特別イベント「いま、風が吹いている」

向田邦子さんが亡くなった日のことは今も覚えています。家に帰って夕刊を開いたら「向田邦子さん台湾で飛行機事故」と。

「なんで!」と、思わず大きな声で叫びました。

もっともっと向田さんの文章を読みたかった。もっともっとドラマを見たかった。あの「阿修羅のごとく」で鳴り響いたトルコ軍楽「ジェッディン・デデン」を聞いて、「ああ、NHKのドラマでやってた」と膝を打つ人は相当数いると思います。

私はこの曲からインスパイアされて、これで行進する生のオスマントルコ軍を見に行こうと本気で考えたことがあり、それは今でも実現させるつもりの「次に行きたい国」のリストの中に入っています。

東京に転居する時に、持っていた本を沢山処分しましたが、向田さんの本は持ってきました。「眠る杯」「父の詫び状」「夜中の薔薇」「女の人差し指」
向田さんの作品はシナリオも含めてほとんど読んでいると思います。

渋谷の会場では、向田さんが着用された服や愛用された食器の展示などもあり、それを見ていると、古き良き昭和の時代を思い出させるとともに、「向田さんは『歩く暮らしの手帳』」のようだなぁ」と。

「暮らしの手帳」「婦人公論」「婦人画報」は当時の女性が好んで読んでいる雑誌でしたねぇ(しみじみ)

展示されている服はどれもおそらく向田さんが吟味されて選ばれ、大切に着用されていたと思われるものばかりでした。コートなんか今でも着られそうです。

会場では向田さんの妹さんが経営されていた「ままや」で提供されていた「一口カレー」を食べることができたのですが、残念、他で食べてしまってお腹いっぱい。

本来はイベントとしてトークショーなどもあったのですが、緊急事態宣言でオンライン配信になりました。これは遠くに住んでいる方にはむしろ朗報で、コロナ禍が運んできた数少ないお土産かもしれません。

<オンライン配信>

https://members.tvuch.com/mukoda/

向田さんは東京の風景をよくエッセイでお書きになっていましたが、田舎に住んでいた私はその情景をすべて想像するしかありませんでした。東京に住んでいる今、もう一度向田文学を読み直してみようかと思っています。